20050624 遺灰とダイヤモンド(2)
遺灰をダイヤモンドにする商売$${^{*1}}$$があるということを以前書いた。同じ様な商売をしている会社がもう一つある$${^{*2}}$$。この会社の日本法人$${^{*3}}$$の代表の方からメールを頂いた。それでそのことを知った。
こういった商売は実用性ではなく、購買者の気持ちを満足させるためだけに存在する。利用する人の気持ちだけなので、取引上、何か問題が発生した時にそれを補償するのはなかなか難しいだろう。世の中には金で解決できないことは何一つない$${^{*4}}$$ので、問題が起こっても金を出せば解決できるのだが、その金額がどれくらいになれば納得してもらえるか見当が付かない。
この商売で一番発生しやすい問題は他人のダイヤモンドと入れ替わってしまうことだろう。例え他人と遺灰が入れ替わっても、ダイヤモンドから本人の遺灰であったことを証明する方法がないので、入れ替わったと主張することも入れ替わっていないと主張することもできない。従って問題は発生しないだろう、と以前の記事$${^{*1}}$$には書いた。
実質には問題ないが、気持ちの問題がある。購買者にとって確かに故人の遺灰であるという確信が必要である。そのために製造工程で入れ替わりが発生しないことを保障しなければならない。保障するためには預かった遺灰がどのように管理されているかを詳細に公開するしかないだろう。
両社ともその詳細な管理方法を公開していない。とは言え企業間競争の原動力となりうる技術情報なので公開は難しいかも知れない。
*1 20050123 遺灰とダイヤモンド
*2 Algordanza - Erinnerungsdiamanten
*3 アルゴダンザ - ホーム
*4 20030624 金で解決できないことはない