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20040509 イリジウム

 イリジウム$${^{*1}}$$を使ったエンジンプラグ$${^{*2}}$$がある。プラグを製造する各社から発売$${^{*3}}$$されている。イリジウムを電極に使うといいらしい。何が良いかというと着火性がいいようだ。ガソリンエンジンはそのシリンダー内で霧状にしたガソリンに火花で点火して爆発させる$${^{*4}}$$。その爆発によってシリンダの中の気体が膨張することで動力を得る。火花を起こすのがプラグの役目である。火花は電気の放電によって起こす。 

 プラグの電極は火花の熱によってどんどん酸化されていく$${^{*5}}$$。酸化され電極がすり減ってしまうと火花が飛ばなくなるのでエンジンが動かなくなる。これを防ぐためにある程度電極を太くしておく$${^{*6}}$$。

 電極を太くしておくと、電極は酸化して減っていくが直ぐには無くならないので長期間火花は飛び続ける。火花が発生すればそこからガソリンの霧が燃えだして爆発に至る。ガソリンが燃えだした瞬間は火玉が小さいので近くに火玉の熱を吸収するものがあると爆発に至らず、火玉が消えてしまうことがある。これを消炎*7という。電極を太くするとこの火玉の熱が電極に奪われ易くなってくる。電極が直ぐに無くならずに、熱が逃げにくい丁度良い細さがあるはずである。

 電極にもともと火花で細らない材質を使えば、初めから細い電極にすることができる。そうすれば火玉の熱が電極に逃げにくくなるので、確実に爆発させることができる。

 この細りにくい材質の一つがイリジウム$${^{*7}}$$らしい。イリジウムを使ったプラグは 消炎し難くなるので燃料を無駄にしないことになる。従って従来のプラグよりも燃費が向上する。燃費向上は私の永遠のテーマ$${^{*8}}$$なので、非常に興味がある。100回の爆発の内、従来10回ぐらい消炎していたのが、イリジウムで殆ど消炎しなくなるのであれば燃費向上に相当効きそうである。

 しかしそんなに消炎しているのだろうか。しょっちゅう消炎していればアイドリングの時、不規則なエンジン回転になるだろう。普通の自動車のエンジンではそんなに変なエンジン音にはならない気がするので、やはり消炎は滅多に起こっていないかもしれない。

 消炎の可能性を下げることができるので、イリジウムプラグに変更すれば燃費は必ず上がるはずである。試してみたくなってきた。

*1 イリジウムのデータ
*2 デンソー イリジウムパワー特徴
*3 NGK PLUG STUDIO / sparkplugs
*4 デンソー プラグの基礎知識
*5 デンソー イリジウムパワーQ & A Q10
*6 デンソー イリジウムパワー特徴
*7 日本特殊陶業 スパークプラグ/グリーンプラグ
*8 20031011 金属原子結合の歪みとダランベールのパラドックス

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