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たまに思い出す昔の失態にケジメをつけようとした話

私は都内の小学校から、一年生の途中で千葉県の小学校に転校をしました。

転校後に地元の剣道の会に参加しました。

剣道をやっていたこともあり、それまで長髪だった髪の毛を三年生の頃 坊主に自らしました。

最初こそ散髪屋に行きましたが、勿体無いので手動のバリカンを買ってもらい、それからは母親散髪です。

当時、サッカー部で坊主にしてた、同じクラスのT君は、前歯が少し出た、でも久保田利伸のような日本人離れした可愛らしい感じの男子でした。

ある日T君が、バリカンを持ってるなら貸して欲しいと言われ、「全然イイよ!放課後持ってく!」と安請け合いしました。

しかしさすがに小学生。家帰って楽しく友達と遊んで、暗くなって家に帰って飯食って、T君との約束忘れて寝る、となってしまいました。

すっかりその事は頭になく翌日学校に行くと、T君が、「昨日バリカン持ってこなかったね」と言われ、「ごめん!今日必ず持ってく」とまたまた安請け合い。

また家に帰ると昨日と同じくその事を忘れ、翌日学校でT君に言われ思い出し。「今日必ず持ってく。庭の背の低い物置の上に置いとく。」と具体的に置いとく場所まで指定しました。

そして、さすが小学生。またすっかり忘れてしまった翌日、T君が意を決したような表情で近づいてきて、「昨日夜遅くまで、何回か物置見に行ったんだよね。それを見ていたお母さんから、もうそういう いい加減な人とは付き合うなって言われちゃった。だからバリカンはもういいよ。」

ガーンッ!

なんか、、、全くそんなつもりないというか、、、申し訳ないというか、、、軽い自分の気持ちがT君を傷つけていたことにショックを受けました。

これだけいい加減な事しておいて、ガーンッとかショックを受けたとかよく言うなって感じですよね。

よくテレビ番組で、あの人は今、みたいな企画が流行ってますが、先日2時間ほどかけて当時住んでいた場所に足を運んでみました。心残りだったバリカンの件をT君がまだそこに住んでいれば謝ろうと思い立ったのです。1人あの人は今!

駅について懐かしさが込み上げてきました。駅前のクソショボい商店街も細々と健在です。当時住んでいた団地もまだあり、そのそばの公園にも足を運びました。あるある でしょうが、全てが記憶のそれより小さくて笑えました。特に笑えたのが公園の端にある坂道。松林を切り裂くようにかなりの角度で長く伸びてたその坂道は、当時の我々にとっては鬼門。ローラースケートで膝を抱えて座り、ノンストップでその坂道を降り切れば男として認められる的な儀式が、その小さい世界では行われていました。その坂道のショボい事ショボい事!

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さて、意を決してT君の家に向かいます。

確か、この辺、、、。探しながらちょっとドキドキしてきました。勝手に自分の中で盛り上がってここまで来たけど、多分あっちは「はぁ〜?」って感じだろうな。。

この話にオチはありません。

結局、T君の家があった場所は綺麗な建売の一軒家に変わってて、表札の苗字も別の名前でした。残念なような、ほっとしたような。

帰り道、軽く電車を乗り継いで久々の競馬場に行って休日を満喫して帰りました。。という話です。


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