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コロナ禍における見本市訪問マナー。雑貨屋さんのコロナ対策 雑貨の仕入編

新しい雑貨の仕入様式  見本市の入場 

GoToトラベル(ビジネス、出張も対象)で東京発着の旅行も対象となった今、見本市(展示会)訪問を目的に出張を予定している地方の方も多いだろう。

富本雅人

各業界同様に、イベント展示会業界もコロナウイルス感染症対策のガイドラインを策定し、各主催者がそれを踏まえ催しを実施している。

日本展示会協会 ガイドライン

同協会 「感染拡大予防ガイドラインクイックリファレンス」より「来場者が行うべき対策」

来場者

どんな施設、イベント、コミュニケーションでも同様だが、主催者が一方的にがんばっても、来場者、来客側が趣旨を理解して協力しないと効果はない。

先日行った*見本市(雑貨、ギフト、ライフスタイル関連商材、ビジネス)で気づいたことを記してみたい。訪問来場者としてのマナー、主催者の工夫、出展者の緊張感。*ライフスタイルWeek2020夏雑貨エキスポ夏(2020年9月2〜4日ビッグサイト)

見本市、展示会、ショーへのこんな訪問スタイルが、これからの数年間(コロナ禍がおさまるまで)の商品仕入、取引先開拓の当たり前になりそうだ。

運営側の努力

一見ものものしいが入場者にとっての厳しい入場規制こそが安心材料に。入場にあたってのゲートでの検温やアルコール手指の消毒、マスクをしてない人の入場禁止等を厳守。できうる限りの対策を実施している様子は主催者の強い決意(感染者を出すまい)のあらわれでもある。

混み具合。人数。少ないことはバイヤーのメリット

筆者が予想していた来場者数(2,3割)よりは多かった印象だが、コロナ禍以前と比較して5割程度くらいの体感である。来場者としては、少しは安心感がある混み具合密度であり商品探し取引先探しに注力できる印象だ。 

出展側としては来場者の少なさは懸念材料だろうが、「ちょっと見ておくか」「楽しそうだから」と物見雄山の来場者が多数いたであろうコロナ禍以前よりも、真剣に本気で予算や明確な目的を背負って、商品探しや取引先探しに来ている”濃い”バイヤーが中心と考えると、そう悪いことではない。効果的な売込みが可能と前向きに捉えたい。

一方、来場者人数が実績に直結する主催者にとっては来場者数の減少は厳しい現実だ。このコロナ禍をきっかけに、テレビ業界の視聴「質」にならい人数よりもその内容(どんな人がどんな目的でどう買い付け、商談をしたか)等の「質」に着目していくべきだろう。

本音を言うと、来場のバイヤー側にとっては、空いてることは大きなメリット。回りやすいし、商品も見やすい。何よりも競合店のバイヤーが来ていない、少ないことは自店だけの仕入れ商品を見つけられる可能性が飛躍的に高くなるからだ。もちろん、出展者からも大切、親切にされると言うことも。

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会場内、出展側 出るも地獄、出ないも地獄?

ブースに立つほぼ全員がマスク着用、またはマウスガードやフェイスガードをきっちりと装着。各ブースをはじめ至るところにアルコール消毒ポンプが設置されている。主催者の指導の成果でもあるだろうが、出展者側の危機感の反映でもある。

中には商品サンプルとフリー配布のカタログ、名刺を置いて誰もいないブース。モニターを設置してテレビ電話?で商品説明を行うブース。「出展予定だったがコロナ禍により出展をとりやめました」と、断り書きが貼られ何もないからっぽのブースなども少なからずあった。出展不参加企業にとっては苦渋の決断であろう。

I have a pen そしてマスク、携帯消毒ジェル

会場などに準備された不特定多数が使用するペン。主催者や出展者が頻繁に消毒しているであろうが、自身のペンを持参使用するべきだ。もっともコロナ禍以前から、筆記具くらいは常備しているのがプロ(いや社会人)としての最低限の作法。

ご存じのように現在、マスクはほぼ全ての人が普段から着用している。そして大型見本市ではマスクを着用してない人は入場禁止としているところがほとんど。予備のマスクを携帯している人も多い。

自分がpcr検査の結果、陰性となり、確実にかかっていないことに自信があっても周囲にはわからない。ましてや陰性か陽性か不明な人が,自身の(マスクをしない)ポリシー?哲学?を披露する場として、見本市会場はもっとも相応しくない。その信念を場違いに披露することよりも商品探し、取引先開拓が最優先の目的のはずだ。

また、どうしても商品サンプルを直に触ったり、カタログをもらったりと接触する場面が多い(それが目的なのだが)展示会。ブースに設置された消毒液だけでは足りない場面もあるはず。ぜひ携帯用の消毒ジェルなどを常備し頻繁に消毒するべきだ。

人との接し方

営業熱心さのあまり、ソーシャルディスタンスを忘れて、じわじわとにじり寄ってくる営業マンや展示会コンパニオンもいる。(先方がマスクをしていても)気になる人は、失礼にならない程度に距離を保ったり、さらっとかわすなどの対処術も必要かもしれない。先方には全く悪気がなく、積極的にぜひアピールしたい商品、サービスがあっての接近なのが、こちらを複雑な心境にさせるが。

商品がメイン

肝心なのは商品自体。見本市では商品を見せてもらう、触らせてもらう、試させてもらうことが入場のメインの目的。人とのコミュニケーションは今しばらくは必要最低限で良いだろう。

今やネットなどに商品の基本情報は網羅的に掲載され、万が一不明点があっても後日問い合わせることができる。またこの時期だからこそ、口頭の説明があまり必要ないしっかりとした配布資料を用意しているスマートな出展企業も多い。*細かな商品情報や込み入った取引条件は営業マンに聞かなければならないこともあるが。

冗長なセールストークをスルーして世間話はしない、させない。商品を検分することにポイントを絞った訪問が今の展示会訪問スタイルとしてのぞましい。

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来場者同士の接触

忘れがちだが、来場者同士の接触にも注意したい。人気のある展示ブース(間仕切りされた空間=小間)だと、多くの来場者が我先にと集まりがち。

実際満員電車のような有様のブースもあった。そのブースの出展者も注意がしにくそう(お客さんだから)な状況だ。混んでいるとさらに人が集まるという人間の習性もあるだろうが、よく見ると4人組グループがブース内に陣取っている。1人で商品の検分や取引条件の取材もできない寂しがり屋さんなのだろうか(笑)。4人組で会場内を回るなどコロナ禍以前でも顰蹙を買いそうなものだが。

混んでいて密度が高すぎると感じた場合は、立ちよりの時間をずらす。2人組で回っていても1人だけが代表として立ち寄るなど状況を見定めた知恵のある対応が必要だろう。

商品に直に触れた際は消毒。先の営業担当者との会話は短く。ブースのプレゼンテーション(陳列提案)の見学も最小限の時間で。普段の感染症対策に加えて、これらを徹底すれば感染のリスクはかなり低くなると筆者は考えている。

雑貨コンサルタント®️ 富本雅人

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