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親の希望と子の絶望~子供頭痛につきまとうもの~

酷い頭痛に幼少期から悩まされてきた子供は、多くいるようです。私もその1人でした。頭痛が起きれば周りの子達と同じように遊ぶことは出来ないし、勉強をすることも出来ない。1人でベッドに横になっている時間は本当に切ない時間でした。

何とかしたいと思う一方で、一生このままなんだろうなといった漠然とした絶望も味わっていました。

先日、頭痛セラピー協会という、頭痛整体を主に行う整体師さんたちの勉強会にある意味ゲストとして参加したのですが(私は患者であり整体師では無いので。)、そこでも、親子の頭痛をなんとかしようとするやる気の違いや関心の向き方の違いがあると多くの整体師さんは言っていました。

まず私の意見からしますと、酷い頭痛と長年戦い、薬も効かない、病院を転々とするしかないといった子供は、もう頭痛がない未来が見えていないと考えています。

最初は期待したり希望を持ったりするものですが、途中から諦めの境地に達します。理由は簡単です。その方が多感な時期に苦しまなくて済むからです。

自分の頭痛なくなるかもと期待して上手くいかない、なんなら逆に副作用で辛い、その経験を積み重ねて、どうすればポジティブになれるんですか?どうしたらやる気になるんですか?信頼していた友人に裏切られる感覚に近いかもしれません。

ただ親はそんなこと知ったこっちゃありません。それは頭痛整体の整体師さんや医者に於いてもです。親はなんとかしたいと必死です。子供が苦しむ姿をみたくないからです。整体師さんも医者も必死です。それが仕事であり、頭痛の子供を本気で治したいと思っているのですから。

その時点で温度感は天と地の差があるんです。
意外と子供の方が早々に諦めている気がします。自分の友人もそうでした。もう治らないから頭痛になったら大人しく寝るって言ってましたからね。

当事者の方が己の状況を現実的に分析しているように思います。それはたとえ小学生の子であってもです。

みんなと同じように走り回りたい!遊びたい!そんな気持ちはあるけれど、治したい気持ちもあるけれど、それが現実的なのかどうかは己の生命に関わることなんで意外と見えています。

私も小学生の時そうでした。だから遊ぶ時もセーブしていました。日光に当たるといたい、全力で走ると痛い、耳が冷えると痛い、だから本の方が好き!なんて冷静に小学生だってわかるんです。

また、それだけが原因では無いと思います。人間何を大事と思うかは人それぞれです。頭痛整体に行くことより医者に行くことよりも、ゲームの方が大事、友達と遊ぶ方が大事、頭痛は治したいけどそれよりも目先の楽しさに心奪われる。人間なんであって当たり前です。それは受験生にも言えることですがね笑

なのに連れてこられた、今日は遊びたかったのに。そういう気持ちがあってもおかしくないですよね。

さぁここで、少し話が脱線しますが。子供は親の感情やその場の空気感を読むことが出来る生き物であるといわれていますよね。

ランドセルの有名な会社が実験したようですが、子供は親が欲しいであろう色のランドセルが大抵分かるようです。自分の欲しい色とはかけ離れているようですが。そして親は子がランドセルを選ぶのを見ていて、本人が本当に欲しい色であると思っているという実験でした。

ネタばらししてびっくり、本人はその色がいい訳では無いし、本人の意思を親が実は間接的に誘導していた可能性があるということです。

まだ幼稚園の年長さんなのにも関わらず、親に忖度することが出来るんですね。

いままで生きてきた経験的に親の感覚が分かるようになるみたいですね。

さてなぜここでこの話を差し込んだかといいますと、子供の頭痛を治すために来たのに親の顔色を伺う子供さんが多くいるという話をするためです。

先程の話の続きになりますが、子供には頭痛を治すための病院や整体に行くことよりも本人にとっては大切な予定があるかもしれません。子供自体はもう絶望して、治すことへのモチベーションが無いかもしれません。

でも親の本気は分かるんです。
だから、あたかも親の本気は自分の本気のように振る舞うために親の顔色を伺うこともあると思います。それを付け焼き刃と呼ぶんです。だから、第三者的に見れば何となく親と子の間に感覚の差があるように思えるわけです。子供がやる気があると言っていてもです。

逆もあるかもしれませんね。
本人はやりたい、でも高い、お金を出すのは親、親がどう思うかな、自分の頭痛を治すためにこんなお金払ってくれるかな、そんなに価値あるかな、これで本当にいいのかな。漠然とした不安は安心できる親の顔色を伺うことに繋がります。

ここまで書いてきたことは決して私の想像ではありません。自身の経験、友人の経験その他諸々多くの人の感覚に基づいていると思います。

頭痛の人は頭痛の人を惹きつけるのかもしれませんが私の友人は頭痛持ちが多いです。進学校に行っていたからかもしれないですけどね。

みんなそうでした。
絶望する子
目先の勉強や部活の方が大切な子
親の顔色を伺う子
みんな素直でいい子でした。

さて最後になりますが、医者を見つけるのも頭痛整体を見つけるのも基本は親です。親が子供にとって良いと思って来たわけです。

子供自らが探して来れるような年齢(精神的年齢含む)であれば、施術も治療もしやすいでしょうね。本人は絶対やる気ですから。

ただ自分からでない場合が圧倒的に多いと思いますよ。高校三年生だった私ですら、自発的に日だまり整体院に行ったわけではないですから。

そして子は親の鏡です。
親がこの施術大丈夫かなとかこの治療でいいのかなと不安になった途端に子供にそれは伝染します。

長くなりましたが(多分歴代最長)子供頭痛にかかわる親御さん、医者、整体師さんに少しでもこの患者目線の話が届きますように。稚拙な文章、考えかもしれませんが、役に立つことを願っています。




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