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74【銀行借入の王道をご存知ですか?】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は日本一の標高にそびえる備中松山城で有名な岡山県高梁市にあるショッピングモール「ポルカ」です。かつて織田裕二と柴咲コウが主演した映画「県庁の星」のロケ地です。
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はじめに

銀行借入の方法にも王道があります。しかし、ほとんどの方々がご存知ないと思われます。理由は二つです。

①教えてくれる人がいない。
②銀行員さんへ尋ねてもたいていの人は理解していない。(一部の優秀な方を除いて。)

融資はたいていの経営者にとって、取っつきにくい分野だと思います。

特に年商10億円規模までの中小、零細企業の栄枯盛衰は、当然ながら経営者の采配によるところが大きいのは言うまでもありませんが、金融機関の支援状況も与える影響は計り知れないものがあります。

それは、まだまだ主要な資金調達方法が銀行融資だからです。

ちょっと気を抜くと、銀行はたくさん貸して金利を取りたいので経営者の知識と経験不足につけこんで不要な融資が増えてしまうことが多々あります。

そのため、いかに適切に借りるかという発想が大切です。効率的な融資の原則を知っていれば根本的に無駄な金利や保証協会への保証料を払わなくて済みます。

難しくありませんのでどうぞお読みください。

結論はシンプル

※今後いかに短期継続融資を打てるかが金融機関に求められる時代が到来すると読んでいます!


もったいぶっても意味が無いので先に結論を言います。

結論①運転資金は短期で借りる。→売上で返済する。
結論②設備資金は長期で借りる。→フリーCFで返済する。

銀行融資の本質はこの2点につきます。

これに補足するなら、

・赤字補填の資金も長期で借りる。

ということになります。

王道はシンプルです。

要は、本来堂々と、毎月の元金返済が不要の、手形貸付(期限一括返済)や当座貸越で経常運転資金部分の借入は行えば良いのに、

「資金繰り安定化のため」というよく分からないお題目が理由の、保証協会付の証書貸付で7年程度の期間の元金均等返済等で調達してしまっている。そして更に、本数がいたずらに増えてしまっていて、本来借りるべきでない額を調達し、資金に余裕があるような錯覚に陥り、経営管理が雑になっていき、当然金利負担も増加しているという悪循環に陥っているケースが散見されます。

ご存知の方も多いとは思いますが、長期借入における返済原資はフリーキャッシュフローです。

フリーキャッシュフロー=経常利益+減価償却費-法人税等

この数字が年間の元金返済額に満たない場合は、実際現金が不足し、過去の実績で積み上げた資産を取り崩すか、もしくは折り返し資金の借入で賄わねばなりません。

長期資金による借入の偏重が、経営の悪循環を生み出す要因の一つになっていることは明らかです。

今こそ原点回帰が必要です。

年商10億円規模までの中小、零細企業の多くの資金繰りが重たくなっている企業の大半の原因は

「のべつ幕無し長期で借りてしまっている。」

というケースがほとんどです。

力を入れる点間違っていない?

いたずらに金利競争に陥って、些末な話に交渉の力点を置くよりも、「借り方(借りる方式)」のセオリーを守ることで、適切な返済ピッチとなり資金繰りが良好かつ安定的になります。

運転資金を期限一括返済のベタで借りることに抵抗感がある経営者がおられるのも事実です。

なぜか、「借金が減らないのが嫌だ。」のような主旨を述べられる方も多くおられます。

しかし、所要運転資金(会社を回していくための資金)が3000万円の会社があるとします。

ということは、当たり前ですが、手持ち資金で3000万円の余裕が無ければ、どこかで資金ショートしてしまうという理屈になります。

つまり、事業を回していくために借り続けなければならない金額なのです。

自己資金だけで事業を回すとなると、企業の成長は緩やかになり、経済の発展は鈍ります。だからこそ、銀行融資と言う成長促進剤を適切に利用していくのです。銀行は企業の成長のために存在しています。

運転資金とはかみ砕くと、支払いと回収のズレです。

要は、売上債権+棚卸資産ー仕入債務 という理屈です。

そもそも減るわけがないという理屈。そして売上が伸びて行けばこのズレは拡大していき、必要な額は増えていきます。

この資金のメカニズムを理解すれば、きっと、必要最小限の借入で現金支出を抑え、資金繰りが楽になるはずです。

まとめ

何となくでも良いので、まずは借入のセオリーをご理解いただけたでしょうか?

私のような財務を軸とした経営コンサルタントにとっては当たり前の理屈なのですが、初めて聞いたという経営者もおられるのではないでしょうか。

・運転資金は短期で借りる

・設備資金と赤字補填資金は長期で借りる

この2点さえ理解すれば銀行融資の状況は改善していくと思います。

2000年頃まで融資はある意味あるべき姿だった、らしいのですが、90年代からの不況が伸びて赤字補填のための資金投下が必要な金融状況になり、長期資金偏重になっていったようです。そして、金融機関自身も経営が苦しくなり、保証協会付融資や貸出を多くしたいがために長期の融資が増えていったようです。

過去から学び、良き未来への経営に進んで参りましょう。


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今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

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