「OSSライセンスMeetup Vol.3」 参加レポート

当エントリは下記のイベント『OSSライセンスMeetup Vol.3 「知財部門から見たOSSライセンス」』への参加レポートとなります。

背景

私は、知財部門で働いているわけでもなくその辺で働いているエンジニアです。OSSは普段から利用することもあり、多少OSS開発に携わることもあります。OSSライセンス違反の疑いがあるソースコードを見かけたのでOSSライセンスについて調べていました。

その中でOSSライセンスについてもう少し詳しく知りたいなと調べていた時に、このイベントの存在を知り参加することにしました。

イベント本編

イベント会場は、サイオス株式会社 様にて提供されていて、2つの発表とディスカッションを予定したイベントでした。「知財部門からみたOSSライセンス」というテーマで、個人的な視点を踏まえた発表とのこと。

#1 OSSライセンスとの格闘経験から

発表者:大内 佳子さん
国内大手IT企業の知財部門の方で、社内外でも幅広くOSSと関わっている方の発表でした。当発表では、OSSとの関わり方が年代を追ってどのように変遷していき、どのように取り組んできたかという内容でした。

以下、勉強になった内容や印象的だったことを書いていきます。

2000年代からOSSライセンスをきちんと理解しようとライセンス解釈を自社ドキュメントにまとめていたりと情報が少ない中から格闘し続けている。

GPLライセンスの解釈の話で最終的には「裁判やってみないとわからない」という結論がどこも似たようなものなんだなと印象的でした。

OSSライセンス調査のデータベース化にあたり苦労した点では、調べていて共感するところが多かったです。

殆どのライセンス違反のニュースが、GPLライセンス違反が多く、GPLは基本的にはバイナリを提供した相手にソースコードを提供しないといけないがソースコードを提供していないことから訴訟が起こされている。

GPLとCDDLはライセンスで両立しない。

OSSライセンス違反は、個人のブログから発覚することも多い。

OSSライセンスの解釈を決めるのは、OSSを開発している開発者がどう考えているかになる。(GPLの場合「Free Software Foundation」が決めるわけではない)

OSS開発者に対して、OSSのソースコードにライセンス情報(SPDXの識別子)を記載してほしい。配布時はライセンス文章もつけるのを忘れずに。

参考資料
IPAが出しているOSSライセンス関連情報
 IPAで品質を担保するためにはどのタイミングで何を確認すべきかをまとめた「OSS ライセンス遵守活動のソフトウェアライフサイクルプロセスへの組込み」などの資料

OSSライセンスを理解するためのIT用語の基礎知識
非技術者が技術用語を知るための資料

IoT 時代における OSS の利用と法的諸問題 Q&A 集
「OSSで特許について記述がないものはどう判断すれば良いのか」という質問も出ており、特許の条項に関する話を詳しく解説している。

#2 「(元)特許部門担当の視点から」

発表者:大崎 雅行さん
先程発表した大内さんと同じ部門で、約15年ほど特許の関連業務を行っていた方の発表でした。当発表では、OSSコンプライアンスと特許を対比して知財部門としてどう取り組むかという内容でした。

特許は国ごとに取る必要があり、特許を使わなければ、自国のお金で技術文章を翻訳してあげ技術流出の手助けしてしまうリスクがある。

特許は、アルゴリズム自体よりも、アルゴリズムを特定の対象に適用した際に生まれたものに対して取るが多い。

実ビジネスを止めないように、OSSコンプライアンスを達成しながら負荷をかけないようにするのかバランスが難しい。

知財の人が、何に面白さを感じるか、難しさを感じるのか普段考えたこともなかったので、頭の中を覗けたように知れたのは良かったです。

参考資料
発表資料が共有されたのでこちらも追記します。

OpenChain Japan Work Group (JWG) Wiki
OSSコンプライアンスに対して企業の枠を超えた取り組み

#3 ディスカッション

知財部門の方、エンジニア、マーケティング、弁護士など幅広い職種や業種の方たちの立場から質問があり、登壇者を交えてディスカッションを行うものでした。

以下、印象的だったことやtwitterにQ&Aが書いていたものを抜粋します。

「Apache License, Version 2.0」は、著作権の許諾と特許の許諾が明確に書かれていて、メジャーなライセンスのため多くの人に使われやすくなっている。特許訴訟を起こした場合でも特許のライセンスが終了するため利用できなくなるなどの記述もあり勧めていました。

OSS十ヶ条の中には、利用者を差別しない。利用目的を限定しないという条件からすると反社会的な人にだけ利用されないことに反対されるかもしれない。

単純なプログラムのライセンスだけではなく、Dockerやクラウド、CNCFなど色々なケースでライセンスを考える必要があり大変。

知財側から技術者に対してどのようなアプローチを取っているのか。

部門が違うと普段考えている問題も違うため、部門間で敵対しあうのではなく、問題 vs 我々に持っていくように心がける。

「駄目だではなく、やりたいことを組み上げるための根拠を作り上げるのが法務の仕事」

他にも色々とディスカッション内容がありましたが他の方の参加レポートに期待しつつ割愛します。

まとめ

普段の業務では認識しづらい知財側から技術者への歩み寄りや取り組みが聴けたことは予想外の収穫でした。また懇親会ではよりコアな話も聴け大変勉強になりました。

主催者、登壇者、スタッフの方々、参加した方々お疲れ様でした。本当にありがとうございました。

最後に宣伝です。builderscon2019にて「ライセンスについて正しく理解出来ていますか?OSSにまつわるライセンスのいろは」というタイトルでCFPの応募をしました。

今回参加したイベントは知財部門側からの内容でしたが、技術者側からOSSライセンスに関して話をしたいと考えています。
採択されるかはわかりませんが、興味のある方は是非シェアなどお願いします。

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