Hotel ZABaN / managerおつる

福岡の志賀島にある【 Hotel ZABaN 】の公式note | 廃業した旅館を8割…

Hotel ZABaN / managerおつる

福岡の志賀島にある【 Hotel ZABaN 】の公式note | 廃業した旅館を8割セルフリノベーションし、20代のメンバーで運営 | ホテルのこと、島のことなど日々の奮闘をブランドマネージャーのおつるが綴ります。

最近の記事

【03】青空が美しい、最後の日

クローズ戦記を書くと意気込んでいたのに、実際には全然言葉にできていなかった。 クローズを発表してからありがたいことにたっくさんのご予約をいただき、予想以上の連日満室の予約を、ほぼ現場メンバーのたった2人で対応していた。 加えて今までにないほどランチのご予約もいただき、休む暇もなく動き回り続けた結果、とうに疲労のピークを迎えた身体を、あと少しだからと励まし続けて駆け抜けてきた日々。 それでも毎日のように来てくれるのは、「ずっと来てみたかったんです」という初めましての

    • 【02】いつかなんて言っているうちは、いつかの未来は訪れない

      クローズが決まったのは今から2ヶ月前のことだった。 オーナーから「話がある」と呼ばれて伝えられた先で、現場メンバーの私とまさきさんは言葉が出なかった。 一通り話を聞いて、これが私たちの未来にとって前向きな決断であることは理解できた。 それでも、受け入れるのには少し時間がかかって、胸には悔しさがこみ上げた。 悔しいと思うのは、この先も開けていたら出会えていたはずの人たち、誰かにとっての思い出になるはずの時間たち、もっとできたはずの島への貢献、そういったものの可能性を自分たち

      • 【01】Hotel ZABaNクローズまでの記憶を記録する。

        Hotel ZABaNは9月末でクローズする。8月23日の今日、そう発表した。 ふつうはクローズしますと発表するのは閉める直前だったりするのだろうけど、私たちはあえて1ヶ月前に伝えることを選んだ。 ZABaNの終わりまでの日々を私たちだけのものにせず、いつもZABaNのことを気にかけて、応援してくれていた今読んでくださっているあなたとも共有したい、と思ったから。 クローズが決まった時、寂しさと悔しさと無力感とその先に出会ったラストスパートへのエネルギーといろんな感情が胸

        • 私たちが作っているものは、宿泊を超えた体験

          人生は、今以上の何者かを目指すことも、今ある幸せを抱きしめることも、どちらもあるから面白いと思う。 そしてZABaNは、生き急ぐ頑張り屋さんな人たちにとって、後者に気付ける場所だ、とも。 新型コロナウイルスの影響でホテルが3ヶ月間の休業になってから、私たちメンバーは【ZABaNで暮らす】ということを始めた。 未来をつくる合宿という名の、半共同生活だった。 朝起きて、朝ごはんをみんなで作って、外のデッキで太陽の光をたっぷり浴びながら食べる。 そのあとはラジオ体操やブリッ

        【03】青空が美しい、最後の日

          草刈りをして気付いた、私たちの居場所

          私たちのホテルは丘の上にあって、ものすごく蔓がしっかりした草木に囲まれている。 休業中でお客さんが入らないということと、春から夏にかけて生命が元気になる時期も相まって、いつのまにか敷地内まで生い茂っていた。 シーズンごとに手入れをしているはずなのに、あっという間に伸びる草木を見て、島の自然の生命力はすごいと改めて思う。 どこまででも伸びそうな勢いに少し圧倒されながら、こちらも負けないぞといざ芝刈り機片手に出陣! 長いものは私の腰までぐらいありそうな高さの雑草たちをひた

          草刈りをして気付いた、私たちの居場所

          はじまり。島のホテル奮闘記。

          Hotel ZABaN。 それは20代男女6人が、100人以上の地域の人と共に福岡の志賀島につくったホテル。 今年でオープン4年目となるこのホテルに、私は去年の夏やって来た。 全員未経験者のメンバーながら、なんと8割をセルフリノベーションして生まれたというこのホテルは、古さと新しさが入り混じって、初めて来たのに懐かしさを感じるというなんだか不思議な空間。 ※ホテルオープンまでのストーリーはこちらから↓ 初めての島暮らしは、今まで出会ったことのないサイズの虫や生き物に

          はじまり。島のホテル奮闘記。