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特異点

大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレへ行く。
およそ1時間半でたどり着ける。

2024/09/19
てんき 曇りのち雨のち霧のち晴れのち雨

相変わらず新潟行きの高速道路は勾配が急なので滑り落ちるのではないかとドキドキしながら向かう。
安全運転上限90km。追い抜かれまくる。芸術は大地に芽生えてるので、逃げない。あせらず。

高速道路を降りたところ
看板集合T字路がだいすき
旅に来たなと思う
お供の山羊は以前絵本と木のみの美術館で買った
清津倉庫美術館SOKOへ到着する
わくわくする渡り廊下
パスポートをゲット
水性インクのペンで、名前をどうぞ書いてください
と言われ断れずに書いたら全部滲んでぼやけた人間になった
とてもかわいい忠告
なんだか問いかけられている
潮の流れをぐるぐる

外を出たら雨が降ってきてしまった。
船の家へ向かう。
道や駐車場が相変わらず難しくてぐるぐるした。

水から誕生した心の杖
天空に杖が昇っていくよう
亡くなった人が還るような、そんな。
未来への航海
たくさんの種子が生えていて
旅した先で花が咲くのかなとか考えてみた


黄色の船を見て、直島でみた船を思い出して嬉しい気持ちになった。
山の上で漣などないが、なんとなく、潮風を感じた。

直島のベネッセミュージアムでの作品
美術館の外の坂を歩いていると浜辺に再現の船が置いてある

山道を登り、もうひとつの特異点を見にいく。

ほんとにここに?と思うけど
この黄色の看板があるとホッとする
受付のお母さんに
「真ん中で寝転がると人の形が浮かぶようです」
と言われる
ミッションインポッシブルすぎるなと焦る
ワイヤーに触れないようにしていたけど無理だった
ところで、多分触れても平気だった
写真だと分かりにくいけれど
真ん中に宇宙から落ちてきた人がいた

出る時、「人が見えましたよ」と言うと受付のお母さんは「えー!ほんとに見えるんだ!さっきのお客さんも探したけど見えなかったって。見える人には見えるんですね」と言う。
「おばけみたいですね」と言ったら笑ってた。

そもそも特異点とはなんだろうと思って調べると

1 曲線・曲面上で、接線や接平面が存在しないか二つ以上ある点。

2 重力の固有の大きさが無限大になってしまう点。ブラックホールは宇宙の特異点である。時空の特異点。

とのこと。

たしかに人間の枠組みたいなものがあってそこからワイヤーがランダムに伸びているようだった。2については考えすぎると難しいのでやめた。子供の頃宇宙について考えすぎてわからなくなってしばらく混乱したことがあった。
寝転んでいると自分も何かの特異点であったらいいなとか考える。
そのまま考えていくと、人間関係や価値観、行動がこのワイヤーのように私から伸びているのか、その結果が私なのか、これもまたよくわからなくなったのでやめた。

途中、土市駅と越後水沢駅にあるKiss&Goodbyeという駅をモデルにした絵本の作品を見に寄る。
越後水沢駅の場所が本当に難しく、看板もお手製のもののようで、ついつい黄色の看板を探していたため2周もウロウロとした。

ポップでかわいい倉庫。新潟にはこのドーム状の倉庫がたくさんある。
雪の重みに耐えるようにできた形で、かまぼこ屋根と言うらしい。
確かに、まつだいにもかまぼこ屋根の展示があった。

まるでずっとここで、2人だけで景色を楽しんでいるよう
もっとたくさんの景色を見てね。ほほえましいなと感じる。
惑星のようなシャボン玉
幸せのシャボン玉を
ふわっと吹きかけてくれたみたいだった
そこにいるだけで
うれしいきもちになる
それぞれ誰かの大切なものが入っている
木箱の側面に思い出が書いてある
些細なものでも、人生のかけらだもんねと思う
IKEAの時計がキュートにペイントされている
真似してみよう

雨が降ったり止んだりしているなと思ったら、今度は突然晴れて強い日差しが差し込んできた。
山の天気は移ろいやすい。
湿気と戦ってちょっとナイーブだったが、わくわくする世界に触れて少し元気を取り戻した。

絵本の中に迷い込むような、そんなハッピーな展示が大好き。
日々仕事や人間関係に気を取られてしまうけど、童心を思い出し日常の彩りに気づくことができる。


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