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騙しているのに捕まらない。なぜ悪質な自動売買システムは”脱法”できるのか。

1.高確率で利益を上げられると謳う、業者に注意

最近、高確率で利益をあげられると謳い自動トレードシステムを販売する連中が増えています。大方、システムのデータがUSBに入っており、パソコンに差し込んで使います。そして初期設定をした後、適切なトレードタイミングが来たらアラート鳴らしてくれるという商品です。
 この手口の被害者は、主にお金を欲している大学生に多いです。さらには、紹介料目当てで友人にこのシステムを紹介することもあるらしく、MLM的な危険さもはらんだ手口になっています。
 詳しく気になる方は以下の記事をご覧ください。
 「大学生を狙う50万円USB詐欺 先輩一生恨みますと言われた加害者の悲痛な告白」

2.私も過去、稼げるシステムがあると思っていた。

 私はこれらの自動売買システムを買いたくなる気持ちが痛いほどわかります。なぜなら私もそういったものを追い求めていた時期があるからです。

 と言っても私は過去に、実際に自分で作る方向で動いており趣味でMT4というツールを使って自動売買システムを作っていました。当時私はFXを実運用を始めたばかりで、テクニックを探し求めていました。そして必ずトレードを勝利に導く魔法のようなシステムを作れるのだと信じて疑いませんでした。

 そして、そこでプログラム製作ツールで”魔法”を作ろうとを思いつき、プログラマーに出会うことができました。そして、そのプログラマーの方に自動売買システム製作の裏側を教えてもらいました。

 今回はその時に教えてもらった経験をもとに皆さんに有益なアドバイスができればと思います。もし、あなたがシステムを買おうか迷っているなら、このnoteを読んでから再度考えてください
 一人でも多くに私の経験が伝われば良いなと思っております。

3.勝率90%と宣伝して稼げない本当の理由

 世の中の怪しい自動売買システムは、「勝率90%!」「月利100%!」などと高らかに宣伝していますが、実際に宣伝通りの結果が続くことはありません。(偶然出てしまうときもありますが、これはただの偶然でどちらにしろシステムのおかげではありません。)
 全てが全区の嘘だったとしたらそれは完全な詐欺ですが、逆にこれは法的リスクが高いのであまり見ません。彼らは巧妙な手口で、訴えられてもぎりぎりかわせるようにしています。それはなぜでしょうか。

■勝率なんていくらでも細工できる。
 自動売買システムを開発するとき、必ず「バックテスト」というものを行います。バックテストとは、作ったシステムの性能を確かめるために過去の値動き(チャート)にシステムを当てはめて性能を確かめるテストのことを言います。過去の(バック)チャートで試す(テスト)ので、バックテストです。

プログラマーは、このシステムの内容をいじることで性能を上げようとします。そして同じチャートをつかってバックテストを行い性能を確かます。

 問題はここにあるのです。なぜなら、特定の過去のチャートを使って自動売買システムのバックテストを行うと、そのチャートの時だけ勝率が異常に高いシステムを作れてしまうからです。

 もちろん、特定のチャートにしか適応していないシステムなんて何の役にも立ちません。なぜなら全く同じ相場は二度と来ないからです。
 このようにして宣伝に使うための”勝率の高い”システムが必然的に作られてしまうことを知っていただければと思います。 

■彼らを詐欺師として追及するのが難しい
 正直言って、宣伝と実態が違うなら業者は嘘つきとしかいいようがありません。そして、詐欺として立件したいところです。

 しかしながら厳密には、業者は嘘をついていないため法的に追及することは厳しいです。なぜなら、バックテストの結果は事実であり、同時に将来の値動きに対しては保証しないからです。
 つまり「勝率90%!」の横に「※これはバックテストの結果です」といとこと添えれば嘘はついていません。しかし、リテラシーがない人が見るとこれから自分を稼がせてくれる優秀なシステムだと勘違いして買ってしまいます。

 確かにこのシステムは過去の特定のチャートに対してだけ勝率90%。これは事実です。しかし同時に、「今後の値動きに対しても勝率90%です」とは言ってないので、詐欺として立件するのが難しいのです。

 完全にリテラシーの無い人間がカモにされているということなので皆さんは本当に気を付けてください。


4.結論:システムで稼げるようにはならない

■そもそもトレードに"魔法"は存在しない
 トレード初心者にありがちなのが、テクニックや手法探しに走り回ったり、売買システムを探し回ってしまうことです。要は、自分が努力しなくて済む裏技を探し求めてしまうのです。
 トレードに限らず習い事の殆どに裏技なんて存在しません。トレードもの一種です。たとえ、優秀なAIによるトレードが可能になっても、頻繁にAIの微調整が必要になるし完全に手放しで儲かるなんていまのところはありえません。
 たまたまシステムを使って儲けられると、単なる偶然なのにシステムのおかげだと信じて、さらにシステム探しに時間とお金を費やすので目も当てられません。
 そもそも、トレードに手放しで儲かる"魔法"は存在しないと改めて認識していたたきたいです。

■「AI」という言葉に騙されるな!
 AI搭載システムと、言われるとなんだかすごそうな感じがしますよね。しかし、「AI搭載=優秀」と考えるのはもうやめてください。なぜならAIの定義が広すぎるからです。AIとは、「知的なふるまいをするソフトウェア」全般のことを指します。

 つまり中身が大したことなくても、開発者がAIだと言ってしまえばそれを否定はできないからです。
 なんとなく、AIはすごそうだなと感じるかもしれません。しかし、AIという言葉の意味が曖昧で広いため、大したことないシステムでも平気でAIと名乗れてしまうことを覚えておいてください。

 何度も言いますが、トレードにおいて魔法探しはもうやめましょう。

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