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大城立裕「カクテルパーティ」

大城さんが先日亡くなられた。だいぶ前に読んだ彼の作品を2点、ご紹介したい。最初は、 芥川受賞作(1967年)となった本作品である。


復帰前の沖縄が舞台で、アメリカ人のパーティ(中国語を話す米人、中国人=孫弁護士、日本人の自分と新聞記者の小川が主体)の席上、沖縄の固有文化論を中心に当時を反映した会話が進展する・・・・。

 後半がこの作品の眼目。私(小説では後半お前と言われる)の娘が、部屋を貸している女の所に来る米人に犯された事件が発生。娘は、事後に若い米兵を突き落してけがを負わせ米軍に拘束される。助力を求めにパーティ主催者の米人の所に出かけるもすげなく断られる。小川の示唆で第三者の孫に協力要請をする。孫は、自分の息子が日本軍に誘拐され、その隙に彼の妻が犯された事実を日本人2人に告げる。


 娘は、拘束後3日目に帰宅。本当に強姦されたのか。合意であったのか?
 最後に主人公は、娘の名誉を守るべく提訴に踏み切る・・・・。それはとりもなおさず娘の不祥事を世間に知らせることになり、娘がそれに耐えられるのかという問題を招来してくるのだが・・・・。

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