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世界最高峰のマッチアップ

本日、今シーズン初めてとなる世界最高峰のマッチアップに釘付けとなった。

完全無欠

New York MetsのJacob deGrom投手とダルビッシュ有投手が所属するSan Diego Padresの弱冠22歳のスーパースターFernando Tatis Jr.選手とのマッチアップが実現した。

deGrom投手は、現地6月4日時点でMLBトップの防御率0.71をマークしている。この数値は、開幕から8試合先発した投手では1968年以降最も低い防御率である。勝ち運のなさ以外、あらゆる面においてパーフェクトな投手である。

球種は4シーム、スライダー、チェンジアップの三球種であるが、どれも超一級品である。特筆すべきは、すべての球種の平均球速がMLB平均を大きく上回る。

球種 / 割合
【4シーム / 64.8 % 】
平均 99.1 MPH(159.6 km/h)被打率 .170
【スライダー / 24.2 %】
平均 91.6 MPH(147.5 km/h)被打率 .077
【チェンジアップ / 10.8 %】
平均 91.2 MPH(146.8 km/h)被打率 .053
(出典:Baseball Savant)

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(出典:Baseball Savant)

特に、4シームはイニング通して160km/hを当たり前のように投げ込む。今シーズン100.0MPH(161.0km/h)以上のボールをMLB全体でダントツの88球を投げている。
ちなみに、打撃も得意であり、投手でありながら打率 .450をマークしている。

6ツール+α

一方のTatis Jr.選手は、現在リーグトップタイの17HR、ケガや新型コロナウイルの影響で規定打席にわずかに達していないものも、MLB全体で2位に相当するOPS 1.072、盗塁はリーグ2位の12盗塁をマークしている。そして、何といっても開幕前に14年総額3億4000万ドル(約360億円)の超大型契約で話題となった。

今シーズンは守備がいまひとつではあるが、ミート、パワー、走塁、肩力、守備力、選球眼をハイレベルで兼ね備えるだけでなく、アクロバティックな身のこなしで魅了する稀有な存在である。

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(出典:Baseball Savant)

至福の三打席勝負

2回裏無死、第一打席。
初球100.0MPH(161.0km/h)の4シームを振り抜きライト前へ。快足を飛ばし単打を二塁打へ。

4回裏一死一塁、第二打席。
2球目99.7MPH(160.5km/h)の4シームを打つもショート正面。しかし、ショートが送球を焦りファンブル。ショートゴロエラーで出塁。

6回裏二死、第三打席。
初めてスライダー、チェンジアップを投じるも珍しくコントロールを乱し、一球もストライクになることなくストレートの四球。出塁後の初球すかさず盗塁し、リークトップタイとなる13個目の盗塁を決めた。

本日の対戦は、3打席 2打数 1安打(二塁打) 1四球ということで、Tatis Jr.選手に軍配が上がった。

結局、ゲームは4-0でNew York Metsの勝利となった。

deGrom投手は、7回 85球 被安打3 四死球1 奪三振11 自責点0の圧巻というより通常運転の投球内容で5勝目をあげた。防御率は驚異の0.62となった。この数値は、開幕から9試合先発した投手では1913年以降最も低い防御率である。
4シームのうち、75%に相当する33球が100.0MPH(161.0km/h)以上を記録した。
ちなみに、この日の4シームの最高球速は101.9MPH(164.0km/h)、最低球速が98.2MPH(158.1km/h)であった。

一方のTatis Jr.選手は、4打席 3打数 1安打(二塁打) 1四球 1盗塁という結果であった。ホームランは出なかったものも、世界最高峰の投手に対して十分なプレッシャーを与えていた。

次回対戦は約1週間後の現地6月12日から始まる3連戦の初戦になると思われる。歴史の一目撃者になるぞ。

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