マーケティングよもやま話 未満 第5回
マーケティングに関わるテーマを分析して話を展開する「マーケティングよもやま話」を時たま発信しています。
当記事タイトルにある「未満」は、それよりも幾分か小さなスケールで、主に日経MJから旬の小テーマをまとめて発信しています。
加熱し続ける【LTVマーケティング】
LTV=顧客生涯価値。一人の顧客がどれだけの利益を生むかという指標のこと。
リアル店舗では従来、消費者を新規か既存かの2軸で見ていたところ、少子高齢化の流れがあり一人の顧客と長く付き合う必要が生じてきました。たくさんの人から少しづつ買ってもらう従来の販売手法が少子高齢化というマクロな環境変化によって破綻しつつあるのです。
なので一人の人にブランドを好いてもらい、活動に共感してもらうことによって購入し続けてもらうようにする方向にシフトする傾向にあります。
LTVはECでよく使わる指標でしたが、リアル店舗でも重視されるように変わってきたわけです。
割引という手法がありますがこれが通用するのは購入するのが1〜2回目のいわゆる新規であり一見さんです。そこから3回目以上に進んでもらうにはブランドへの交換が必要になると言います。この3回目以上のお客さんを増やしていこうと各社が工夫を重ねています。
工夫の一つがオーナー向けサービスです。
ZOJIRUSHIでは炊飯器などを購入した方を対象にしたZOJIRUSHIオーナーサービスを展開しています。サービス内では商品の活用法であったり、クーポンが配布されていたりする。コミュニケーションを継続的に取ることによってオーナーズサービスメンバーの再購入意向は非加入者の倍にも登るとか。
コミュニケーションは非常に強いコンテンツだとどこかの誰かが言ったのを記憶しています。好きな人とのやり取りにまさるコンテンツを提供することは非常に難しいものです。
それぐらいコミュニケーションには価値が眠っている。そして各社が人間的なやり取りを付加させようとしているんじゃないでしょうか。
シニア向け商品の話
森永製菓社長のインタビューでの印象的な一幕。
「シニア向け商品開発チームを作ったが、シニア向けとうたうと売れない」といった話。
確かにわざわざ年齢を感じさせるものを買いたいかというと、あまり思わない。なにより昔の自分、全盛期の自分に恋い焦がれるような気持ちが常にあるきがする。「昔はもっと元気だった」とか「学生の頃はもっと動けてた」みたいな。
そういう気持ちに応えられるようなシニア向け商品、アプローチがいいんでないかなーと思います。