私がエッセイ書くのをずっと続かなかった理由
皆さんこんにちは。
広告漫画家の柚木ロウです。
今回はタイトルの通り、ずっとエッセイを漫画で描いたり文章で書いたりしようと思っても続かなかった理由について、自分の中で
「あっ、こういうことだったのかも」
と腑に落ちたのでつらつらと書いていこうと思います。
あ、ちなみに「継続力」とは別の話です。(これもなかなかに大変な要素ではありますが)
結論から言うと、
「すべての感情を書(描)かないといけないと思い込んでいたから」
というのが私が出した結論です。
順を追って説明していきますね。
まず、皆さん「エッセイ」ってどういうものだと思いますか?
日記みたいなもの?
自伝のようなもの?
ボリュームに大小あると思いますが、「今までの人生の歩み」を書くというイメージなんじゃないかなと。
少なくとも私はそう思ってました。
さらには「今の自分に至るまでのことを包み隠さず書くべき」なんだろうって。
それはつまり、「良い思い出だけじゃなく、嫌な思い出も書くべき」とも思い込んでたんです。
正直なところ、思い出したくもない嫌なことを書くパワーは私には無いし、
「エッセイで過去を書いてブランディングすっぞ!」
と意気込んでも、寧ろ書くことで精神的ダメージが入るんじゃないかと思います。
漫画に描き起こすならなおさらしんどいんじゃないかって。
私は元々マイナス感情のコンテンツが苦手です。
自分の感情が引っ張られてしまうし、苦しみや辛さを想像して実際に息苦しくなってしまう。
中学生の時に道徳だったか社会の授業だったかでマザーテレサの動画を見たんですが、その時心抉られるような映像とナレーションで呼吸困難になり、そのまま保健室に運ばれたのも懐かしい思い出です。
私自身の共感性が強いのか、辛いシーンを見たり読んだりすると息が詰まって苦しくなったりもします。
だから、女性向けメディアとかで人気の不倫とかモラハラとか人間関係トラブル系の漫画の仕事は、需要が高いとわかっていても現状お引き受けしないようにしています。
なぜなら体調にモロに影響するから。
そういうコンテンツは自衛のためになるべく目に入らないよう避けるようにしています。
そういうのをエッセイなり仕事なりで描ける人は、私なんかよりよっぽどメンタルが強くて「過去のこととして既に整理がついてる」か「他人のエピソードとして淡々と描くだけ」と割り切れるスキルを身につけているのかなと思います。
つよつよメンタル羨ましい…。
ストレングスファインダーや個性診断でも、
「マイナスの話題に感情が引っ張られやすい」
という結果が出たので、自分が余計な心労を抱えこまないようにしたい。
とはいったものの、会社の創業者が過去の歩みをHPで公開することでファン増加を図るように、自分の過去を語ることで「柚木ロウ」という人間の深みが出てブランディングになるというのは頭では分かっているのですが…。
ど〜〜〜してもこの「嫌な過去も書かなきゃいけない」という思い込みがネックで、
「エッセイ漫画描くぞ!」
↓
「やーめた!」
という状況を打破できずにいました。
でも、ある時嫌な思い出に感情や体調が影響されずに「今までの人生の歩み」を語ることができたんです。
それはとあるオンラインサロンで、朝活メンバーが月一で開催している自己紹介トークイベントに登壇した時のこと。
その時に作成した自己紹介プレゼンの、過去語りパートのスライド(9枚)がこちら。
…あれ?私のエッセイこれで終わりで良くね…?(真顔)
このプレゼンは1枚20秒で次に進むように設定されていたので、
「この時の上司がこんな人で、
こういう仕打ちを受けて、
こういう症状が体に現れて
ドクターストップ退社に追い込まれるくらい
心身共に本当に辛かった」とか
そんな具体的な状況や感情をしゃべってる暇なんてなくて
「淡々と事実をしゃべらないと20秒終わる!」
っていう感じでした。
辛かった過去も含んで語っていることには変わりないのに、「単なる事実として淡々と紹介」したことで、感情を引きずることはなかった。
まさにこれが答えなんじゃないかなって。
あまり掘り起こしたくない負の記憶は、ただの事実として説明するだけにとどめる。
そのくらいの配分ならエッセイが書けるかもしれない。
漫画って感情を表現するものなので、自動的に負の感情もしっかり描かないといけないと思い込んでいました。
でも、エッセイなら文章や漫画に込める感情のバランスは自分で決められる。
個人的にここに気づけたのは大きな発見だったように思います。
私みたいな思い込みで行動を起こせないでいるどこかの誰かの気づきになれたら嬉しいです。
柚木ロウ
X(Twitter):https://twitter.com/yuzuyuzu_low
HP:http://yuzusakuraya.net/
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?