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4年を経て、アメリカ①

先週、4年半ぶりにアメリカに行ってきました。
バンドとしては何のアナウンスもせずに唐突な感じだったと思われるかもしれませんが、ずっと考えていたことがやっとできたという感じです。
方々で何度も書いたり言ったりしてきたので繰返しになってしまいますが、僕たちは4年半前に一時帰国で日本に戻ったはずがそのドンピシャなタイミングでコロナに見舞われました。「あれ、変な病気が流行ってきたね」なんて言っていたら瞬く間に世界中がシャットダウンされ飛行機は強制的にキャンセルされ僕らは家も仕事も服もない状態で放り出されてしまいました。そんなことってあるのです。
面白いです。人生は面白い。何しろ住民票すらないのですから当時の僕らは日本人だけど住民ではないよねという状態。医者にもかかれない恐怖。この話は長くなるのでまたいつか。というか前にも書いてますね。

で、4年半が経ち僕らはかつて暮らしていたアメリカ・バッファローに行ってきました。9日間ほどの滞在でした。目的は機材と荷物の整理です。
アメリカで暮らすことにしたので日本の家財は整理して重要なものはほぼアメリカに置いてありました。楽器も全て。4年半という時間はとても長くどんなものがアメリカに置いてあったか記憶が曖昧になっていましたが日々生活する中で「あれ?あれはどこだっけ?ああ、アメリカだ」ということが何百回もありました。早く何とかしないと!という思いが4年半の間ずうっと続いていました。

その間に世界情勢は大きく変わりました。
どんどん円安が進んでいます。アメリカでは「Yen is very week」と友人たちと話します。円は弱くなってしまったのです。その認識が国際標準です。
戦争も起きています。今回、飛行機がロシアの上空を飛ぶことはありません。
世界は大きく変わった。日本にいても感じていたことをダイレクトに実感することができました。
アジア人への差別はどうなっているのか?アメリカのミュージシャンの生活はどうなっているのか?コロナは?物価は?
今回、確かめたいことが山ほどありました。
僕らは海外で活動することを第一にしたいバンドです。
必然的に世界情勢や経済状況に敏感になりますし、そうしたものに活動が大きく左右されます。日本国外で活動するバンドやアーティストにとっては海外に出るハードルが高くなるのは残念なことです。僕はとにかく今の現実を冷静に把握して自分の行動を選択したいという思いです。

短い滞在期間の間に何をどの順番でやればいいのか。事務的な作業に何週間も前から取り掛かり友人達とも連絡を取り合いました。アメリカを通関するときには自分らの状況をどう説明するのかも考えていました。色んなタスクが頭の中で積み重なって脳がパンクしそうでした。
飛行機は羽田からの便でした。僕は空港が好きです。
国際線は久しぶりでそれだけで高揚しました。チェックインのやり方とか忘れていないかなと思いましたが楽しくできました。国際線の長い時間をどう過ごしていたか、乗ってみると懐かしく思い出され12時間以上のフライトをだらだらと楽しんでいました。今回は乗り継ぎがデトロイトです。デトロイトはどんなところだったっけかなあ、ライブをやった時は誰それに会ったなあ、などと色々ぼんやり思い出しながら飛行機の揺れに身をまかせいていました。

続く

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