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高校生だった私がドラマで夢中になった夢をかなえるゾウ。10年後に読んだ原本の感想


一時期ブームになりましたね。

夢をかなえるゾウ。

 

ドラマ化されたり、アニメ化されたり。

当時は私も母も夢中になってテレビで見ていました。

 

それから数年がたって古本屋で本を見つけたときに「懐かしいなあ」と思って買ったんですけど最初の数ページを読んでそのまま放置(^-^;そこから数か月後、ある日夢をかなえるゾウの本を社長が見つけてソファーで読んでいました。爆笑しながら

 

その様をみてたらだんだん、私も興味が湧いてきて奪い合う様に一緒に読むようになりました。

 

夢をかなえるゾウをざっくりまとめると。

毎日をなんとなく生きているけど、頭の片隅には「本当にこんな人生でいいのだろうか?」と生きる主人公の元に

 

インドの神様ガネーシャが現れてこれって本当に意味があるのか?と思うようなお題に挑戦していく物語です。

 

ちなみに原作では3シリーズ出ています。

 

で、改めて読んでみて何が凄いかっていうと

今まで読んできた偉人の本の内容がこの物語に集約されている!

 

私も、社長の本棚から何冊か拝借させて読んだりるのですが、それらの自己啓発本を読んだ後だからか余計に身に染みていきます。

 

内容としては、

・トイレ掃除をする。

・他の人が気づいていない長所を褒める。

・上手くいっている人のやり方を調べる。

・苦手な分野のプラス面を見つけて克服する。

・自分にとって勇気が必要なことを1つ実行する。

 

これは1巻~3巻に載っていたものの一部ですが、わりと「わかっとるわい!」と思うことが多いんですよね(^-^;

 

ですが、この本の凄いところはそれをガネーシャが語った時に初めて自分の中にスッと入ってくるんです。

 

自己啓発本の「これをやりましょう!」とはまた違う意味の「これはなこういうことなんやで。」と関西口調のガネーシャが語り掛けてくるような感じで、エジソンやライト兄弟、リンカーン等

私でも、名前を聞いたことがある人たちの裏話や成功談を織り交ぜて話してくれるので余計に話が入ってきやすいです。

 

私が最も好きな話で、クレオパトラの話があります。

 

『夢をかなえるゾウ3』巻で、主人公の女性がガネーシャからモテる女になる方法を教えてもらいます。そこでガネーシャが言ったのがクレオパトラ

クレオパトラといえば世界三大美女と言われるほどの美人。

 

ガネーシャは主人公にクレオパトラが自分の国を守る為にローマ帝国の2人の将軍を魅了できたのはなぜかと聞きます。

 

主人公は即答で「美人だからでしょ?」と一言。

するとガネーシャは、クレオパトラは美人ではなかったと言います。

 

以下【夢を叶えるぞう3】から抜粋⬇︎

 

「クレオパトラちゃんはな、ギリシャ系の女の子やったんやけど、ローマ人からしたら鼻は高すぎるし肌は黒いし、全然美人じゃなかってん。クレオパトラちゃんのこと書いたプルタルコス君の伝記にもこうあんねんで。『彼女の美貌そのものは決して比類なきものではなく、見るものをハッとさせるほどのものではなかった』てな。にもかかわらず、クレオパトラちゃんは二人の代将軍を魅了することが出来たんや」

 

「どうしてそんなことが出来たの?」

 

「クレオパトラちゃんが凄かったんはーー『教養』やねん。」

 

「あの子は理学や物理、音楽…あらゆる分野に精通しとった。言葉かてそうやで。当時のギリシャではローマの言葉を流暢にしゃべる人間はほとんどおられへんかった。でもな、『クレオパトラの舌は弦が何本もある楽器のように、めまぐるしく言葉が切り替わった』って言われてんねん。そんなクレオパトラちゃんと話してると楽しい言うて、将軍たちはみんなクレオパトラちゃんに会いたなってしもうたんや。」

 

「でも、教養って勉強できる人が身につけられるものじゃないの?」

 

「勉強しかできへん女なんて退屈なだけや。ええか?クレオパトラちゃんは勉強が出来たわけやあらへん。クレオパトラちゃんが教養を身につけられたんは『なんでもやってみる女』だったからなんや」

 

「強国やないエジプトを一人で守っていかなあかんかったから、ありとあらゆることを身につける必要があったんや。あの子は美人やなかったけども、自分を美しくして外交を有利に進めるために、化粧法の本を書くくらい研究しとった。まあ、努力して身についたものの中には、そない役に立たへんものもあったやろ。せやけど、食わず嫌いしてたらあんなパーフェクトな女にはならへんかったと思うで。あの子はなんでもやってみる女だったからこそ『なんでも知ってる』--つまり、教養のある女になったんや」

 

 

この話、一番好きです。

子供の頃は、時間が自由にあったし何より自分というものが見えてなかったので(笑)やりたいことをやるって感じだったんですが。

 

大人になると、この時間を費やしてもいいのか?お金はいくらかかるのか?などの『もったいない』『損したらどうしよう』とか考えるようになり。なにより『私の身の丈に合わないんじゃないか?』『失敗して周りになんて思われるだろうか?』と自分の立ち位置を気にするようになりました。

 

そう思いながら月日が経つとだんだん「なんか前よりやりたいって思わなくなったかも。そんなにやりたいことじゃなかったかも。」と情熱が薄くなってやらなくなってしまう。頭の中だけで終了。させてしまうんですよね。

 

このクレオパトラの話を見たときに、もともと出来たからやったわけじゃない、努力でがむしゃらに続けてきたわけじゃない。頭が良くて、成功できると確信しているからやっているわけじゃない。

とにかく『やってみる』それがとても心に響きました。

 

やってみて、その時は無駄だったり、意味がなかったりするもんだけど。

最後には巡り巡って自分の血肉になって思わぬところで成果が返ってくるんですよね。

 

いろいろやったクレオパトラだからこそ、全ての経験が生かされたんだと思います。

 

ガネーシャの言葉には他にもとても興味深い内容が多いです^_^

 

全シリーズ3巻クレオパトラのお話は最終巻ですが、是非1巻から楽しんでみてください。