デジタル改革IdeaBoxを使ってみた

 安倍政権が終了し、はんこ大臣と言われていた竹本直一IT政策担当大臣から、平井卓也デジタル改革担当大臣にIT推進主導の動きが大きく変わったことは記憶に新しいと思います。
 まだ発足前のデジタル庁ですが、それらに先駆け、デジタル改革IdeaBoxというご意見箱のサイトが立ち上がりました。

https://ideabox.cio.go.jp/

 この記事ではそれについて話したいと思います。

アイデアボックスが立ち上がるまで

 元々総務省には規制改革ホットラインというものが存在していました。(今もあります)

https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/hotline/local2/houhou.html

 直近で話題になった押印原則・対面原則の廃止(はんこ手続きの廃止)などもこちらで書面にして記録されています。
が、さして件数は多くなく、また個人や団体からの投稿に対し、ユーザー同士のコミュニティ的な環境はなく、単純に質問を受けたことに対し、関係省庁が回答する、といった一方通行の応酬です。
 そんな活動は余り知られていませんでしたが、防衛大臣として可能な限りで迅速・定型的な情報や公務の様子などを発信をする傍ら、様々な画像に書かれた自分の名前やアートを特定(エゴサ)し、自ら反応を示すなど、かわいらしい姿を披露することでかなりのファン層を広げた河野大臣が行政改革担当大臣に任命された直後、自身のホームページにて縦割り110番という入力フォームを公開し、1日足らずのうちに数万件の意見が寄せられ一旦窓口をCloseせざるを得なくなったように、行政改革・デジタル改革に国民が直接物申せる環境は非常にニーズが高いことが見て取れます。

 てか規制改革ホットラインの窓口ページはリンク貼っても上記のように出ない(メタデータが作られていない)のに、河野さんのHPまじ素晴らしい。

 裏を返せば、今までそれらの窓口、代弁者であったはずの国会議員、地方議員の存在が非常に希薄になり、はたまた利権の権化など敵視される人も多く、反日活動家と仲が良いとされる愛知県知事や、一国の首相であり自身の上司でもある菅総理を「教養が知れる」と見下した発言をした静岡県知事のように問題発言をする人が多くて「行政」に対する失望・嫌悪感を出してしまう人も多くなっているからこそ、その人たちに声が挙がらないのも当然の流れかな、と思います。
 また、各市区町村の職員も非正規雇用が増え、「定型以外の仕事はしない」というのが当たり前になり、行政サービスレベルの低下、相談しても変えられない、というのに慣れてしまっているのもあるかもしれません。

アイデアボックスとはどういうものか

 10/9に開設が発表され、10/10 18:00現在で762名がユーザー登録している、Webサービスになり、10/15(木)にはスマートフォン対応の正式版リリースが予定されている、コミュニティサイトになります。
 ログインするには、メールアドレスでのユーザー登録、各種SNS(LINE,Facebook,Twitter,Instagram,google)アカウントでの連携ログイン(ソーシャルログイン)機能が用意されており、匿名での投稿が可能になっています。
 カテゴリは5つに分類され、それぞれ「声」として「アイデアを投稿する」ことが出来、参加者はそれに対し投票・コメントすることが可能です。
 カテゴリは「生活者・事業者の声」「IT業界の声」「自治体職員の声」「省庁職員の声」「その他」に分類され、特に投稿が多いのが「生活者・事業者の声」、次いで「IT業界の声」と「その他」が同列。投稿自体は少ないですが「自治体職員の声」「省庁職員の声」も投稿されています。

アイデアボックスで展開されている様子

 結構活発にアイデアが投稿されていっており、同時にコメントもちょこちょこついていっています。
 各アイデアにポイントと投票数が存在し、ポイント=賛成-反対、投票も賛成/中立/反対とあり、投票者によってコメントが色分けされるようになっています。
 また、投票キャンセル機能もあるので、コメントで議論するうちに「ああそういうことか!なら賛成だ!」と切り替えることも可能なわけです。
 アイデア自体をtwitterでシェアするボタンもあったりしますが、議論をすべきはこのサイト内で、だと思うのでシェアはしても議論をtwitterの場に移すべきではないでしょうね。
 あとコメント欄見てて思うのが、皆さん結構大人な書き方をされていて、綺麗に使われているなぁと感じます。
 自由記述って、結構荒れやすいんですけどね・・・。

特にホットな話題

 一番多いのはマイナンバーの活用ですね、今のところ。
 マイナンバーと色々紐づけたい意見が多いので、マイナンバーのセキュリティ要件はかなり上がっていくと思う反面、確かにこれらの案件が1つずつでも解決していけば、各民間でやってる余計な作業が減るので楽にはなるんですよね・・・。
 年号やはんこの話題も当然出ていますが、一方的な不要論ではなく「文化としてあってもいいと思うが、グローバル基準にしたほうが経済においてメリットの方が大きい」といった建設的な意見がやりとりされていたりします。

まとめ

 軽くざっくり紹介しましたけれど、ぱっと出来た割には使い勝手のいい出来になっていると思います。(株式会社自動処理って会社が開発したサービスの模様)
 気軽に参加できる感じなので、今の世の中のアナログ感に物申したいことのある人はぜひぜひ参加してみたらいいかなと思います。

おしまい

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