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川柳連作「旅に、王手」/「角交換が仇となる」市町村シリーズ1

連作A「旅に、王手」 初日の出電柱などに詰め将棋 時化ること東玄関性に富み 流氷と弁財天の歯ざわりと 白タクに第九にはない代名詞 フランスを夜露にあてるピンクグァバ 積雪も藩の専売品となり ふ化前の一望できる厳冬期 2か月後凝灰岩の旅に、王手 引用元一覧 (太字は筆者による) 天童市HP ・湯のまち天童 あなたの旅に、王手(トップページ) ・天童は日本一の将棋駒の産地であることから、「将棋」はまちのシンボルとして官民一体となり、将棋にこだわったまちづくり

    • 川柳誌『晴』第1号

      川柳誌『晴』第1号(2018年)より気になった句を連作ごとに一部引用します。なお、川柳本アーカイブ(https://weekly-web-kukai.com/ryushi-archive/senryu-hare/)を参照しました。 「鬱るんです」きゅういち 観覧車止まる天使の発情期 ゴルゴダのその日の出口調査員 福音の陰から飛ばし合う輪ゴム 「ふり」松永千秋  しゃっくり続くエレベーターは急降下 死んだふりだったか生きたふりだったのか 枯れましたお力添えをいただいて 死な

      • 『現代川柳選集 第1巻 北海道・東北・東京篇』

        ■現代川柳選集編集委員会編(1989)『現代川柳選集 第1巻 北海道・東北・東京篇』芸風書院 ■収録作家 越郷 黙朗 斎藤 大雄 宮本 紗光 猿田 寒坊 高橋 春造 片倉 沢心 菅原 一宇 今野 空白 佐藤 良子 神田仙之助 佐藤 正敏 多伊良天南 竹本瓢太郎 成田 孤舟 野村 圭佑 野谷 竹路 尾藤 三柳 山本宍道郎 脇屋 川柳 渡邊 蓮夫 ■本書より気になった句を引用する。*は私のコメント。 越郷 黙朗 雪掻きのついでお隣まで年始 地にとどくまでの白さで春の雪 過不足

        • 川柳をはじめて1ヶ月。きっかけの話。

          ※以下は私が川柳をはじめて1ヶ月の頃に書いていた文章です。自分でも忘れていたことがけっこうあって面白かったので、せっかくだし公開してみます。 *****  ゆにここカルチャースクールで『あなたが誰でもかまわない川柳入門』の第1回を受講した。ゆにここカルチャースクールとは、女性や障がい者など学びから周縁化されやすい人たちのためのオンラインカルチャースクールである。どの講座もクオリティが高く、地方在住者にはありがたい。  講師は暮田真名さん。川柳句集『補遺』『ぺら』や現代川

        川柳連作「旅に、王手」/「角交換が仇となる」市町村シリーズ1

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          2本

        記事

          百句会

          いきなりで申し訳ないが、川柳を読んでもらおう。一日のうちに作り出した百句である。 1 とても客のような蚊とは思えない 2 名前負けするよ塩基の森なんて 3 生菓子のテーゼを解いてあげようよ 4 発電所ですがよく見る石ですね 5 大酒飲みのエナジーソーダ 6 目を離すとすぐ平和になるんだから 7 悲喜劇の無政府主義は別として、 8 縮尺の秋田ではやってくれるかも 9 動かし方が高知なんだよ 10 いやというほど陽気な刑事 11 正装で肝試しするティンパニ 12 麻雀できっとプ

          百句会

          川柳ZINE絵馬七夕臨時号🎋『旋転四川』

          七七句連作『旋転四川』 成都にあって蟹にないもの 手続きをして織姫になる 内角の和が後を絶たない 蘇州のふりを続けておいて 泣き真似だけは上手い関係 玉虫色にあかるい講義 向かい合わせの黒竜江だ 命令文で鬼さんこちら 唐宋伝奇集の影武者 夜明けの生んだ伝承なのか ベガ、またの名を針葉樹林 林檎ゴンドラ、そうだ蘭月 作り笑いで星座になった たった三文字なのに亡命 遺産の電話だけど数列 つかまり立ちで留守番電話 ワゴンセールで買った短冊 (さて、天帝は観劇中だ) 九九をミスると

          川柳ZINE絵馬七夕臨時号🎋『旋転四川』

          川柳句会ビー面4月選評(遅刻)

          毎月参加している川柳句会ビー面の4月分の選評を掲載しています。ササキリさんのページで公開されている、皆さんの句と選評はこちら↓です。 上記のページに私の選評が載っていません。というのもその時期、つまりゴールデンウィークの真っただ中に胃腸炎で臥せっておりまして、評が書けなかったんですね。回復したらすぐ書く予定だったのですが、まあアラサーになると一度の風邪が一か月は尾を引くようになるもので(笑)、なんやかんやでここまで先延ばしにしてしまいました💦すみません!皆さん体調には気を付

          川柳句会ビー面4月選評(遅刻)

          川柳ZINE絵馬第2号 22句

          川柳ZINE絵馬第2号 南雲ゆゆ あの国のネオン致死量の剽窃しても生きなくちゃ ヴィンテージカラーテレビの棘を抜く そうでしたあなたはそういう川でした 記録だけ記憶しているいなごかよ ベン図で求まった合憲判決 曾祖父がコムマアシャリズムになって仕舞う 九十九愛というAIの披露宴 考察もされずに埋葬された春 マジカルバナナ、  バナナといえば練り珈琲     練り珈琲といえば番外編の朝       番外編の朝といえば考古学     考古学といえば桜に蒔い

          川柳ZINE絵馬第2号 22句

          川柳ZINE絵馬のコンセプト

           川柳ZINE絵馬にはコンセプトがあります。それは、「文化の東京一極集中を解消すること」。その手段として私は、、「配布地域によって収録句数を増減させる」ことを考えました。具体的には、東京までの地理的・時間的な距離が大きければ大きいほど(一般的にそのような地域を”地方”と呼びますよね)、同じ川柳ZINE絵馬第X号でも、より多くの句を楽しめるようになっています。”地方”を優遇することにより、東京一極集中に一矢報いようというのが、私の想いです。  そういうわけで、川柳ZINE絵馬

          川柳ZINE絵馬のコンセプト

          川柳連作「絵馬」49句

           5月、「川柳ZINE絵馬」第1号を発表しました。noteでも全句読むことができます。note.ver以外にも、フリペver、ネプリverを用意しました。22年6月8日現在、note.verのみ閲覧可能です。  さて本題です。それぞれ「第1刷限定サプライズ連作『絵馬』のかけら」を仕込んでおりました。フリペには1部につき1句。30部ほど刷りましたが、一つ一つ異なる句を配りました。ネプリには4句収録されています。note記事自体に「かけら」は収録されていませんが、実は♡を押して

          川柳連作「絵馬」49句

          「川柳ZINE絵馬」第1号~川柳が306句載ってるnote~

          猫型促音便ガサ入れで推しに嫌われないコーデ 自惚れがサメでなくして何である 猫型の機密になっておめでとう リ×乃ちゃんの爪には蛇も触らない かまぼこよ一般戦死扱いか 土着的促音便はこうですよ 滝行をサッと炒めて秋にする 火気厳禁ほど俗火ではありません 兄さんへ あたしは酢橘をやっている なぞなぞを欠かす雲ではないからね はじめての国士無双は叔母さんへ 学級崩壊(一部にゼラチンを含む。) しりとりが成立しない謙譲語 朝敵が弟すぎてどうしよう 天覧の痛覚だって痛覚だ 逆さ睫毛の

          「川柳ZINE絵馬」第1号~川柳が306句載ってるnote~

          noteで本屋を始めました。「ゆゆ書店」21年10月下旬号

          特集 詩の磁力    詩と仲良くなれたためしがない。    何とも気に食わない相手だと思っている。  国語の教科書に載っている現代詩は、どれもこれもつまらなく思えた。「良い詩」言われる詩のどこが良いのかさっぱり分からなかった。  それらは膨大な詩のほんの一部でしかないというのに、小学生の時点で「詩は面白くない」と決めつけた。  一度近寄らないと決めたものに、もう一度向き合う機会はたいていやって来ない。実際、25歳まで茨木のり子も知らなかった。私は詩とは無縁の人生を歩

          noteで本屋を始めました。「ゆゆ書店」21年10月下旬号

          noteで本屋を始めました。「ゆゆ書店」21年10月上旬号

          コンセプト  書店に立ち寄る時間がなくなった。  私たちは偶然の出会いに飢えている。  しかし、感染状況はまだまだ予断を許さない。感染を気にせず書店を楽しむことは出来ないだろうか。  そこで、私は「書店のような空間」をオンライン上に創出したいと思った。それが「ゆゆ書店」のコンセプトである。    ここでは「店主」であるゆゆが選んだ作品を、書店のように見て回ることが出来る。ウィンドウショッピングするだけでも構わないし、リンクから実際に購入してもらっても構わない。  

          noteで本屋を始めました。「ゆゆ書店」21年10月上旬号