心で奏でる音

 こんにちは。今回は先日あるテレビ番組を見ているときに思い出した過去の体験について書きたいと思います。

人気アイドルの伴奏と涙 

まず僕が見たテレビ番組ですが、NHKで放送されていた「シブヤノオト」です。特に先日の放送回ではスペシャルということもあり出演アーティストも多く豪華でした。僕は特定のアーティストの熱狂的なファンということはないのすが歌番組が好きで結構いろいろなものをよく見ます。というのも、昔から流行に疎かったので大学生になって一人暮らしを始めてからはせめて音楽だけでも流行に後れまいと思って録画までしていろいろ見ます。そんな僕が見た「シブヤノオト」ですが、今回は番組の最後に「Believe」を出演アーティスト一同とリモートで各地の人々が合唱をするという企画がありました。そして、その合唱のピアノ伴奏を乃木坂46の生田絵梨花さんがやっていました。生田さんと言えば、アイドルという枠にとらわれず、数々のミュージカルに出演するなどその音楽センスを強みに幅広い活動をしており、乃木坂46の中でも人気メンバーの1人です。そんな生田さんですが、この日のピアノ伴奏中に涙を流す場面がありました。真義は定かではありませんが、先日急逝された俳優の三浦春馬さんのことでショックを受けているとの声が多く挙げられています。そして「Believe」の歌詞に重ねて三浦さんのことを思って涙を流していたのだといわれています。それについては僕は言及するつもりはありません。しかし生田さんの伴奏にはとても心がこもっていたことがその表情からも見て取れたと思います。そこで僕は自信の過去の体験を思い出しました。

 僕の音楽歴と体験の前置き

実は僕は4歳から16歳まで12年ほどピアノを習っていました。少々自慢に聞こえてしまったら申し訳ないのですが、生まれつき絶対音感も持っており小学5年生からは毎年学校で卒業式やら合唱コンクールやらでピアノ伴奏をやってました。YouTubeで動画をあげられている方々ほどではありませんが、知っている曲であればざっくり楽譜に起こせるし耳コピも可能です。そんな僕が思い出したのは中学3年のときの体験です。僕は中学の卒業式の合唱の伴奏を任されました。卒業式の時点で僕はまだ高校も決まっていなかったため受験勉強と並行しながらは厳しいとも思いましたが、学校の先生や友人たちの後押しもあって引き受けることにしました。

 けっこうハードではありましたがピアノを弾くことは勉強の息抜きにとてもよく、何よりみんなの卒業式で失敗は許されないという思いでかなり練習しました。その当時の僕の1日の流れはこんな感じでした。

5時半~6時 起床・勉強

6時~7時  朝食・学校準備

7時~7時半 ピアノ練習

8時~16時  学校

16時半~17時 休憩

17時~18時  ピアノ練習

18時~18時半 夕食

19時~22時  塾

22時半~23時 入浴

23時半    就寝

勉強すくな。。。

こんな生活でしたが勉強も伴奏もある程度自信がついてきた卒業式の2日前にまさかのアクシデントが起こります。なんと39度の熱を出してしまいました。受験を直前に控えている同級生も多く、当然卒業式の前日は学校を休みました。もう僕は家で一人でこの世の終わりのように思い泣いてました笑。しかしなんとか1日で熱を37度くらいまで下げて僕は翌日の卒業式に出席します(今考えれば危なすぎる)

僕なりの感謝

 卒業式の朝、学校に行くとたくさんの友人が声をかけてきました。同じ部活やクラスの仲の良い男友達からクラスも違う女友達まで体調を気遣ってくれて、正直びっくりしました。これで僕は一層気合が入りました。しかし、体調も万全ではないことから途中からは式場内の別のスペースで隔離されていました。合唱の直前までストーブ完備の暖かいスペースを先生方が準備してくださり、思わぬ形でほかのみんなとは違う唯一無二の卒業式になりました。そこで緊張も徐々に高まる中、またしても予想してなかったアクシデントが起こります。それは合唱の直前の答辞です。僕と3年間ほぼ毎日登下校を共にし、部活でもキャプテン・副キャプテンの仲だった友人の答辞の内容に感動して泣いてしまいました笑。ボロ泣きして落ち着く間もなく合唱のときが来てしまい、微熱で頭もぼーっとした中でピアノへ向かいました。ピアノは舞台上にあって舞台に上がると式場が一望できました。幾度となく見てきた景色ではありましたが、この景色を見るのも最後だと思うと身が引き締まりました。ピアノの前に座ると不思議と力が抜けて空気が変わったような感覚に襲われました。さらに伴奏を始めると自分の指が勝手に動くように感じ、聞こえる音は正常なのに自分の手元だけ時間の進みがゆっくりになったように見えるようなとにかく変な感じでした。しかし、なぜか絶対にミスタッチをしない自信が湧いてきて歌声がいつもより響いて、共鳴しているように思えました。何度も合唱の伴奏はやってきましたがこの感覚はこのときだけです。そして曲の終わりが近づいてくると2つの気持ちが出てきました。1つは「この無敵のような不思議な時間が終わってしまう」そして2つ目「みんなありがとう」もちろん2つ目のほうが大きかったです。目には自然と涙が伝いました。今思えばおそらくスポーツでいうところのゾーンのような状態に入っていたのだと思います。ピアノでのこの超集中状態は16年間でこの一度きりです。そしてそんな不思議な感覚の中でも常に頭にあったのは「みんなのために最高の伴奏を」ということだった。それは僕なりのみんなへの感謝のつもりでした。これが僕が体験した「心をこめた演奏と超集中状態」でした。

心を込めれば

 僕とは規模もワケも違いますし、生田さんのものと全く同じだとは思いませんが、似たような感覚のもと伴奏をしていたのではないかと思いました。ピアノにかかわらず芸術分野では感情をこめた表現が評価され、聴衆を引き付けます。この感覚は実際に音楽や芸術に携わった経験のある人ならわかるのではないでしょうか。そしてこれは他の分野でも体感しうることだと思います。脱線が多くなってうまくまとまらず申し訳ありませんでした。とりあえず心を込めるって大事です!!心を込めたパフォーマンスは自分にも周りにもいい影響をもたらします!そして生田さんすごい!!その豊かな感性、尊敬します!

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