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コロナ禍と朝の換気と若手の仕事①

まえがき

 これは、コロナ禍中の学校での出来事を端的に表したもので、完全な事実(ノンフィクション)ではありません。しかし、いくつかの学校で当てはまりそうなので、この状況について、ちょっとした思考実験をしてみました。学校が教職員にとって働きやすい環境になるためには、どうしたらよいのでしょうか。(「わたし」は読んだ方が「自分」に変換してみてください

ある日の出来事

 コロナ禍で、学校は休校を余儀なくされても、一部の児童の受け入れが、わたしの学校では続いていました。春休みが明け、入学式が終わった日、突如休校の園長が発表されました。結局、始業式だけ行うことになり、その日の朝、全教室を換気しました。と言っても、始業前の時間。若手のA(4年目)とB(5年目)が全教室の窓を開けました。換気をしっかり行うことが浸透してきていたのもあり、自主的にやってくれたのかもしれません。朝の打ち合わせで、教室の窓をこの二人が開けたことを、ある教員C(中堅の学年主任)が知り、「それは4-5年目のすることではないよ。もっと若い1-2年目がすることよ!」と、大きな声で隣にいる2年目D(Cと同じ学年を組む)に告げました。周りには同調するような雰囲気も一部には感じられました。

 わたしはその時黙って話を聞いていました。それを聞いてすぐに切り返すことはできませんでした。左隣にいる、同じ学年のE(2年目)も、それを黙って聞いていましたが、表情が曇っているように感じられました。右隣には、F(3年目)もいました。

その後

DとEとFは朝の窓開け(3回程度?)を行いました。3回目の日、EとFは、その日の朝、全校の教室を開けたあと、このまま学校が通常授業に戻ったあとも、朝の窓開けを続けるべきかについて話し合い(思い悩み)ました。そして、わたしは、二人との雑談をきっかけに、その日の朝の話を聞き、今後どうすべきか、相談を持ちかけられました。

いくつかの疑問と導かれる問題

 まず、AとBは、朝窓を開けていた理由を考えてみたいと思います。考えられる可能性としては

1 管理職に頼まれた

2 管理職でない誰かに頼まれた

3 自ら進んでやった(忖度した?)

1の場合は管理職がどのように依頼したかが気になります。が、おそらく、振替勤務という形態はとっていないでしょう。また、2の場合もどのような言い方で依頼したのかが気になります。1.2の場合、命令であれば問題です。3の場合、A、Bの個人的や判断で窓を開けたことになるため、特に問題はありません。しかし、何らかのプレッシャー(職場の空気)があったことも否めません。

Cの発言

 Cの発言は、そんな学校現場の伝統に基づいていると言ってもよいと思います。「若い者がベテランを気遣い、進んで動く」という学校現場の美徳が、そう言わせたのかもしれません。しかし、Cの発言は問題です進んでAとBがやっていたのであれば、それをD、E、Fが言われるのは筋が違うからです。Cの発言はハラスメントに当たる可能性があります。ところが、管理職の行動やCの発言を棄却すると、現状(少なくとも私が思いつく方法では)、朝に窓を開ける人が学校の中にはいないことになります(とりあえず、変形勤務などの可能性は置いておきます。実際に可能かは別として、私の自治体ではそのような話は聞いたことがないからです。また、管理職が行うというのも職員室の配置から考えて現実的ではありません)。

窓は誰が開けるべきか

私は、この話を聞き、上記のように、それぞれの考えの妥当性について検討してみました。そうすると、子どもの安全を守るためには、学校の勤務形態がとても脆弱なように映ります。ところが、このシステムは、少なくとも戦後70年以上も維持されています。そもそもコロナ禍ではなくても、このような実情は当たり前のように存在します(子どもは教員の勤務時間前に登校します!)。

今後、この問題がどのように展開していったかは、また後日、記していきたいと思います。