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yuyaが選ぶ推薦マンガ(ボルボラさん戯言遣いさん共同企画)

推薦図書から推薦マンガへ

 どうもyuyaです。最近心理的などうのこうのは全く書いてない気がするんですが、まあいいでしょう。今回もボルボラさん戯言遣いさんとの共同企画でマンガの推薦をすることになりました。そうは言ってもマンガそんなに知らないんですよね。お二人に比べたらたぶん全然読んでないです。誰ですかこんな企画を提案したのは。僕なんですけどね。僕にはなぜか、アニメマンガオタクというイメージがついているらしく、かつてフェミニストたちにもアニメオタクと言われていました。マンガはともかくアニメほとんど見たことねえ。というわけで、労せずアニメマンガオタクの仲間入りを果たしているので、その名に恥じないように頑張って推薦マンガ書いていこうと思います。今回は5作以上がルールだそうなので、思いついたやつ適当に書いておけば何とかなるでしょう。

1 アクタージュ

 これほど予想通りなことがあるでしょうか。最近ずっと、激推ししている「アクタージュ」が一つ目の推薦マンガです。ここ10年の週刊少年ジャンプで一番おもしろいです。まじで。
 新人女優、夜凪景のデビューからの成長を描く今作、まず主人公が女性でしかも女優ってすごくないですか。週刊少年ジャンプですよ。月刊マーガレットみたいな設定じゃないですか?いや、マーガレット読んだことないけど。僕って基本的に新連載とか読まないんですよね。鬼滅とかも一話も読んでないんですが、これはもう1話目の冒頭が目に入っただけで引き込まれてしまいました。
 新人俳優発掘オーディションの女優部門、課題である「悲しみ」の演技を数人がしているシーンから物語は始まります。審査員をしていた映画監督、黒山墨字の心の声が描写されます。
「あーあ、皆同じ顔しやがって。ロボットかお前ら。」
一人一人の演技を見ながら黒山の声は続きます。
「ブリっ子と芝居の違いもわかってねェ。」「表現力もねーのに顔隠すな。誰だか分かんねーよ。」「あーあ、なんだそりゃ。身体と感情がちぐはぐだ。」
こんな俳優の卵っていっぱいいるんだろうなというのが、素人目にも想像できてしまいます。また、主人公が家で映画を観るシーンが一話に出てくるのですが、そこで棚に並んでいる映画が、「カサブランカ」「ローマの休日」「七人の侍」「市民ケーン」「浮雲」「ハムレット」「アルジェの戦い」「羅生門」と、王道で不朽の名作ばかり。これだけで作者の映画愛が伝わります。単行本では登場キャラのプロフィールに、そのキャラの好きな映画が書かれていたりするので、ほんとに映画に詳しいんだなあと感心しっぱなしです。
 さて、この物語の中核に「メソッド演技」と呼ばれる演技法が出てきます。「メソッド演技」とは、その役柄を演じるために、その感情と呼応する自らの過去を追体験する演技法のことと紹介されています。別の呼び方として、スタニスラフスキー・システムと呼ばれることもある、実際存在する演技法ですね。アルパチーノやマーロンブランドが得意とします。アクタージュの世界では、主人公夜凪景がこの「メソッド演技」を独学で極めていて、すさまじい芝居が出来るという設定です。しかし、過去を追体験する芝居のため、体験したことのない芝居ができなかったり(例、野犬に襲われる)、リアルすぎて表現力にかけてしまったり(例、電車に揺られる演技が小さすぎて伝わらない)と、天才と言われながらも様々な壁にぶち当たります。そんな壁を同じ俳優仲間から技を盗んだり、教えてもらったり、努力してどんどん成長していきます。こういったところはジャンプの王道って感じですね。この「メソッド演技」にはもう一つ弱点があり、役の感情に飲まれてしまうところです。物語の中で、主人公が舞台「銀河鉄道の夜」でカムパネルラを演じる部分があるのですが、カムパネルラはご存知の通り死者です。死者の感情を何度も追体験するため、どんどん精神が病んでしまい、演技自体ができなくなってしまうシーンがあります。いや、そんなマンガみたいな話あるかよって思うのですが、実際、役に入り込みすぎて病んでしまった俳優は結構いるようです。それをどのように克服したかは読んでからのお楽しみということで。
 この「銀河鉄道の夜」もすごかったですよ。蜷川幸雄をモデルにしてるっぽい演出家の人が出てくるのですが、この人の演出方法がすごい。最後は泣けてしまいます。舞台編と呼ばれる「銀河鉄道の夜」の一連の話は本当に震えます。ここの終わりくらいまで読んでくれればあなたもどっぷりアクタージュファンになっているはずです。
 ここから最新話付近の話のも少し触れますが、夜凪景さん原作で売れっ子女優になってきて、少し寂しく感じる今日この頃です。「僕はデビュー前から推していたのに!!」っていう、アイドルの追っかけみたいな感情が芽生えだしてますね。これは、集英社の策略に僕がハマっているのですが、「夜凪景女優化計画」というのをかなり初期の段階から集英社は行っており、夜凪景の事務所のホームページが実際に存在します。電話も掛けられます。すごくないですか?また、消防署とコラボしてポスターがつくられたり、かの「プレイボーイ」さんでグラビアが掲載されたりもしました。単行本にはそのグラビアのハガキや、原作内で出てくる舞台のパンフレットがついていたり、まるで実在の女優さんなのではないかと錯覚するほどです。集英社おそるべし。
 他にも魅力は多くあるのですが、アクタージュだけで推薦マンガが終わってしまう勢いの文字数になってきたので、このあたりにしておきます。みんな、絶対読むのだぞ。

2 スパイラル ~推理の絆~

 サブタイトルに推理の絆ってついている通り、推理マンガです。2巻の最初の方まで。3巻からは全然推理しませんよ、はい。最初はコナン君みたいに事件が起きて、犯人を推理して解決するというシステムだった(この辺まったく面白くないです)のですが、原作者の城平京さんが「こんなんしててコナン君に勝てるわけないだろ」とか言い出して、だんだんおかしくなってくるんですよね。2巻では爆弾の解体とか、割と推理っぽいこともしてますが、4巻くらいには爆弾つきの首輪を取り付けられて、街中を走り回り、7巻あたりでは学校の中で銃撃戦をしています。11巻くらいに、主人公が実は救いの神であることが判明します。比喩とかじゃなくて、本当に神様だったんです。ちなみに主人公のお兄さんも神様なんですが、この人は悪魔を殺したりしてる破壊の神なんです。

 こんな無茶苦茶な話の流れですが、最終的にすべての伏線を回収し、美しい終わり方をします。いやすごくないですか?あらすじだけ見たら、完全に破綻しているマンガなんですけど、話の流れがめちゃくちゃ美しいですし、ひとつひとつの物語もおもしろいです。ちなみに以前数人にお見せした「妖精さんの災難」というパズルクイズはこのマンガのドラマCDから拝借しています。興味ある方は言ってください。このマンガの続編に「スパイラル・アライヴ」というマンガもあるので、こちらも紹介します。

 こちらは「スパイラル~推理の絆~」の登場人物や設定がそのまま出てきますので、「スパイラル~推理の絆~」を読んでから読むことをお勧めします。「主人公のお兄さんの顔」という重大なネタバレが含まれています。「スパイラル・アライヴ」では、「オルゴール連続殺人事件」というひとつの事件を解決する物語です。推理の絆とかついてる方より、推理ちゃんとしますが、やっぱり最終的には「女子中学生をヌンチャクで殴り倒す」という謎展開になっています。しかし、やはり話の展開は美しい。5巻で完結なのですが、4巻の中盤で、登場人物の一人がこんなセリフを言います。

「さあ、九年前本当は何が起こった?単純にして矛盾のない解は存在する。そしてそれを知らずして、最後の勝者にはなれない。」

 この時点で物語の根幹にかかわる謎の解答が読者の私たちにも得られるようになっています。それだけ美しく、解決へのヒントがすべて出そろっています。この一点においては本当に本格ミステリーです。私は月間連載で読んでいたので、一月考えた結果真相にたどり着けました。皆さんも読むとき、この謎にチャレンジしてみてください。

 実はこのスパイラルシリーズ、小説も出ています。4冊も。

小説 スパイラル‐推理の絆―ソードマスターの犯罪 (COMIC NOVELS) 城平 京 

小説スパイラル 推理の絆〈2〉鋼鉄番長の密室 (COMIC NOVELS) 城平 京 

小説スパイラル 推理の絆〈3〉エリアス・ザウエルの人喰いピアノ (Comic novels) 城平 京

小説 スパイラル~推理の絆~ (4) (コミックノベルズ) 城平 京 

 すべて普通の推理小説より面白いです。私のおすすめは2つ目の「鋼鉄番長の密室」ですね。鋼鉄番長というとても強い番長が、密室内で毒死をしていたのですが、その犯人が、当時抗争をしていたピストル番長や魔法番長なのか、はたまた部下の星影番長なのか、自殺なのかを推理していく物語です。

え?何言ってるかわからないって?私もわかりません。何ですかこの話。本当に推理小説ですか?某コナン君は「真実はいつもひとつ」とかわけわからんこと言ってますが、この小説では真実が3つも出てきます。多重解決ミステリーというやつですね。こんなに訳の分からない設定を使って多重解決ミステリーに仕上げてしまうのが本当にすごい。せひ小説版も読んでください。

3 ヒカルの碁 

  僕の年代でこのマンガを知らない人はいないので、紹介するのもどうかと思ったのですが、まあ小さい子たちもいるしいいでしょう。

 1つ目のアクタージュでここ10年の週刊少年ジャンプで一番おもしろいと言いましたが、その前の10年で一番おもしろかったのは「ヒカルの碁」です。週刊少年ジャンプで、囲碁のマンガですよ。発想がえぐいですよね。将棋マンガはなんやかんやで結構あるのですが、囲碁のマンガなんて聞いたことあります?しかも、当時社会現象になるくらい大人気になりました。信じられますか?小学生中学生みんな碁を打ってましたからね。今の子たちはやろうと思ったことすらないでしょうが、僕の年代では碁のルール知っている割合めちゃくちゃ高いと思います。

 僕が小学4年生から小学5年生の時にヒカ碁ブームが巻き起こったのですが、小学校の囲碁将棋部がそれまではクラスに1人とかだったのが、クラスに15人とかになりましたからね。僕はヒカ碁以前から碁は打っていたので、そんなにわか勢はフルボッコにしてましたけど。上級生も含めて。

 そんな思い出話は置いておいて、マンガの内容ですが、囲碁のルールを知らなくても全く問題ありません。これは「3月のライオン」などと同じですね。将棋のルール知らなくてもおもしろいでしょあれ。そんな感じで基本的には、主人公進藤ヒカルの成長の物語です。1巻時点では、小学校6年生で、碁のルールも知らない進藤ヒカル。しかし、憑りついた霊藤原佐為と、同い年の天才棋士塔矢アキラに影響を受けて碁を覚え、中学校の部活、院生(碁のプロの養成所)、プロ試験、プロとどんどん成長し強くなっていきます。当時週刊連載で読んでいましたが、現実世界とほぼ同じ時間軸で進んでいったので、ヒカルとともに自分も成長していく感覚でした。まあ僕自身は碁の実力は小学校4年生の時をピークにどんどん後退していきましたが。

 碁を知らなくても楽しめるとは書いていますが、ヒカルの碁に出てくる棋譜は、プロの実践や昔の強い棋士たちの棋譜を使っているので、ルールを覚えて読むとより深く楽しめます。碁を打つシーンが当然あるのですが、実際にモデルとしている棋譜があるので、その棋譜と実際の絵がずれないようにちゃんと描いているんですよ。斜めから描写されているシーンなどは本当にめちゃくちゃ苦労されたと思います。

 さらに、今や「芸術家」と呼ばれているくらいの画力を誇り、人気漫画家となった小畑健さんですが、有名になったのはこの「ヒカルの碁」です。その圧倒的な画力もおすすめポイントのひとつです。

4 キッド アイ ラック! 

 結構長いマンガかつ有名作品が続いたので、ここで誰も知らないであろうマンガを。これがなんのマンガかちょっと表紙見て考えてみてください。マジック咥えてますね。ホワイトボードらしきものを持っています。そうなんです、世にも珍しい「アマチュア大喜利」のマンガです。

 私事になりますが、実は昔、結構大きめなアマチュア大喜利の大会で準決勝まで行ったり、某ネット大喜利のサイトでそこそこ強豪だったりしたくらい大喜利好きなんですよ僕。現在は引退していますのでほとんど大喜利はしませんが。そんな僕が待ち望んでいたマンガはこれです。大喜利ですらマイナーなのに、さらにマイナーな「アマチュア大喜利」をマンガにしちゃうなんて神ですか。作者の長田先生は「タピオカススル」というペンネームで、アマチュア大喜利でも有名人です。タピオカが流行る前からタピオカという言葉をペンネームにしていたのがもはやセンスの塊です。

 マンガの内容ですが、好きな子を笑わせるために、ヤンキーの主人公が、クラスにたまたまいたハガキ職人(ラジオのコーナーにハガキやメールを送る人)に弟子入りし、大喜利を教えてもらいます。この大喜利がすごい。解説もすごい。1話に出てくる大喜利と答えを参考に書いておきます。

お題
「合コンをしたら母親がまじっていた時のあるある」

答え
「お持ち帰りというわけではないが最終的には一緒に帰る」
「いくつに見える?って聞かれたけど知ってる」

こんな感じの大喜利がこの作品にはいっぱい出てきます。大喜利の考え方も参考になるものばかりです。どのように答えをひねり出すのか、どのように答えたらおもしろくなるのか、そんなことがマンガで学べます。ユーモアセンスのレベルが上がること間違いなしです。大喜利を少しでもする人は必読のマンガになっています。

5 ナナマル サンバツ

 「アマチュア大喜利」の次は「競技クイズ」のマンガです。まあこれはタイトルでわかりますよね。だってナナマルサンバツですよ。え?わからない?ナナマルサンバツとは、7〇3×と表記され、早押しクイズの王道ルールとされています。7回正解で勝ち、3回誤答で失格というもっともバランスがとれたルールです。このタイトルだけでクイズ愛があふれていることがわかってしまいますね。

 物語は、高校生たちが、部活のクイズで全国大会を目指すという、少年マンガの王道のようなそうでないような話です。ライバルたちと競い合い、仲間と助け合い、全国大会を目指していく姿は、他の王道マンガと変わらぬ熱さがあり、めちゃくちゃおもしろいです。

 しかし、このマンガのすごいところはそれだけではありません。なんと、クイズの技術が学べます。例えばベタ問、確定ポイント、読ませ押し、リップリーディング、アクセントでの問題先読み、メタ読み。すべてこのマンガで学べてしまうのです。

 もちろん、その一つ一つの技術をここで解説すれば、文字数も稼げてよいのですが、ここはその技術を極めた人たちのクイズとはどんなものかというのを動画で見てみましょう。

いや押すの早すぎぃ!!!!ってなりますよね。これほどになるのは厳しいですが、少なくともどういう技術でこの早押しが成り立つのかをこのマンガを読めばわかってしまいます。(みんなカプリティオチャンネル登録しようね https://www.youtube.com/channel/UCA5eUNhmpBCbT-IJxBvP5tA)

 しかもですよ。技術だけじゃないのです学べるのは。クイズのマンガなので、当然クイズは本編にたくさん出てきます。繰り返し読むだけでどんどん知識はついていくのですが、単行本にはなんと、巻末にクイズがついています!どんなけクイズさすねん!!毎巻毎巻とんでもない量のクイズを解かせてくれます。まだ連載中ですが、完結するころにはこのマンガだけでも相当のクイズプレイヤーになれるかもしれません。

終わりに

 実はあと10冊くらい書きたいのですがいろんな事情でこれぐらいにしておきます。最初書きすぎて、こりゃツイキャスで話すことなくなるなってことで、短めにまとめました。そうは言っても20冊くらい紹介した推薦図書と変わらない文字数になりましたね。まあいいでしょう。

 ボルさんのはもう公開されていますのでリンク貼っておきます

あとは戯言遣いさんですね。公開され次第リンク貼ります!

番外編

 終わったと思った?思ったでしょ?いややっぱ僕と言えば番外編みたいなところありますからね。今回は惜しくも入選を逃したマンガたちをサラッと紹介します。

1 今日から俺は!!

 この世で一番好きなギャグマンガですが、なぜか今更テレビドラマになったりして今の子たちも知ってるマンガになっちゃいましたね。なのでいまさら紹介するまでもないかなと思って今回は外しました。しかし、これより笑えるマンガなかなかないと思いますよ。

2 絶園のテンペスト 

 城平京作品にばかりなってしまうのもあれなので、外しました。魔法が出てくるファンタジーと思いきや、急にSFになり、推理ものになったりします。城平京はこういう「その場でルールを設けて、それに従い、すべての伏線を回収する」という物語が異常にうまいです。アニメ化しているのでそのPV貼っておきます。

3 ACMA:GAME

 選ぶときにギャンブル系外したんですよね。僕が好きすぎて、5つともそれになりそうだったので。ギャンブル系マンガ五選はまた別でしようかなと。その中で、比較的最近まで連載していて面白かったアクマゲームを番外編に置いておきます。

4 あひるの空

 長すぎるため却下。まあこれもアニメ化してるしみんな知ってるでしょう。しかし、話が暗い。どんなけ頑張っても全部負けるし、お母さん死ぬし、部室燃えるし、対戦相手の人が学校でいじめられるだけの話に1巻丸々使うし、ずっと頑張ってきた仲間普通に部活辞めるし。最近マガジン病んでますよね。

5 クロサギ

 話はめちゃくちゃおもしろいんですが、マンガとしてどうなんだろうっていうのがありますねうん。詐欺師を騙す詐欺師ってコンセプトだけですごく好みです。昔ドラマもしてましたね。ただ、文字数とかえぐいので気軽に読めるものではないです。

 以上、番外編でした!!それでは、皆様の良いマンガライフを祈りつつ。






































































































































































































































































































 













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