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写真を撮るときの考え方。【公園フォトのススメ】

この記事は2015年5月にamebloに残したものです。
我が子のいい写真を残したいご両親、
家族写真を撮る仕事をしている人に、一度読んでもらいたいものです。
僕の持論ではありますが、結局大事なのはそういうところだと思っています。

技術ではなく、心。

機材や技術に走りたくなる”写真”ですが、流れるように走っているのは”時間”です。大切な「その子」の、「その時間」を残すことがカメラを持つ人の役目だとしたら、「その子」たちの流れる時間、気持ちを撮ることが、何より大切なんだと考えています。

(以下、2011年から4年以上、毎月のように追いかけて、関係性を築いていて、ヒマがあったら撮り続けたご家族さんたちとの写真です。自分の勉強のため、仕事ではなく2021年の今も続けて撮らせてもらっています。記事では自分が6歳の設定で書いています。生意気だったらごめんなさい)

(2015-05-29 23:13:51)

どうも、永遠の6歳です。
今日はこの前ともだちと遊んだときに撮った(写真係りなんですよ)
写真を使って、僕たちこどもを公園で撮るときの考えるべきこと200を書いてみようと思うのさ。

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もうすでに遊んでいたんだけど、僕が伸びるタモに関心してたら、なのちゃんが来てスパッと取り上げられたのさ。


座っていた目線からは青空となのちゃんが映えたから、なのちゃん、それでカメラすくってえ~って、とりあえず動作はなんでもかわいいから、

この立ち位置をキープするために、何かをしてもらうことにしたんだ。


タモで顔が隠れるとか全然問題ないことなんだ。
この一連の動作で何枚も撮っていて、下に緑を入れるとか入れないとかは、もう感覚の問題さ。


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基本的にはこんな写真ばかり撮っていて、声をかけて目線をもらうなんてことはほとんどしないよ。

うんていで遊んでいる光景にさらに動きを加えるために、垂直線を少しナナメにするとかは、別に狙ってなくて、ただズレただけさ。


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急になのちゃんがお花を差し出してくれたから、僕もうんていで遊んでいたんだけど、すぐに撮ったんだ。

すぐに撮れるのって大事なんだ。

レンズキャップなんてしてちゃいけない。

僕はレンズキャップはおうちに帰ってからつけるくらいさ。

というか本当はつけてもないさ。

電源もいつもONで、シャッター半押しでカメラがすぐさま起きれる状態にしておくんだ。車でいう制動距離と空想距離さ。


ちなみに僕は6歳だけど、数年前から親指AFというのを使ってる。
これは慣れるのに1日かかるけど、慣れたらすっごく便利だよ。


だから、肩からさげたカメラに手をやった瞬間にシャッター半押しして、撮ろうと思った1秒後には撮れる体制でいつもいる。

そのためにストラップは短めにしていて、0.1秒でもファインダーをのぞくまでの時間を短縮しているし、

この状態が一瞬しかないと思ったら目の前にカメラがきた瞬間に撮るということもある。カメラが目の前に来るまでの瞬間で、人差し指でシャッタースピードをいじることもよくある。


目で見てこう撮れる、と分かっているから、一瞬の出来事の場合はそういうこともあるんだ。(単焦点で撮る理由もそこにあって、単焦点のいいところは片手で撮れること、にあるんだよ。ズームレンズだったら、左手でレンズをくるくるして、画角を決める必要があるでしょ、今どんな画角になっているかをファインダーをのぞいてから確認しないといけないから、その分時間をロスするんだ。)

ちなみにノーファインダーで撮るのは被写体と通じ合わない気がするし、失礼な気がするから僕は好きじゃない。


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最近へんがおをよくしてくれるようになったから楽しい。

僕ももっとへんがおで応戦してるよ。


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さっきなのちゃんがくれた花をカメラの前にやって、前ボケにしてみたんだけど、ぜひまねしてねってほどのものじゃなくて、

単に逆光できれいに光りそうだったから入れてみただけでさ、入れてすぐにこのシーンは終わっちゃったよ。


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なのちゃんがどっか行っちゃったんだけど、もう少しこのうんていでいろいろ撮れそうだったから、まだ僕たちはここにいたのさ。

円になったうんていだったから、曲線がいい感じになるよね。

この写真を見て感じるのは、右下に絵が集まって重くなるから、左上が軽くなるようにバランスしている、

意識はしてないけどさ、そういうことも大事かもしれないよ。


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足元が写ってないとほんとに浮いてるのか分からないけどさ、それはそんなに大事じゃないの。

運動会とか、発表会だったらそういうことも意識しないといけないけどさ。

運動会とか、発表会にうんていなんてないけどさ。
このときはたぶん、背景に知らない人がいたから、できるだけぼかしとこうと思って寄ったのかもしれないよ。


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35mm単焦点レンズでこの距離だったら全身を撮るには窮屈。
上半身はさっきいっぱい撮ったから今度は足元も、って思ったんだ、きっと。

それで下に意識をやったら垂直線とナナメの線がステキだったから、こう撮ってみたの。

こういうシンプルな場合は、あえてシンプルな構図がいいと思うんだ。


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うんていをやめて、少し疲れたみたい。

芝生という単色を背景に使える場合は、すすんで上から撮って、芝生だけの背景にするよ。

そうするとポツンと感が出て、かわいいんだ。

このときも、目線は大事じゃない。

しゃべる中で、こっちを向いてくれたら向いてくれたのも撮る、という具合いさ。基本的に、ずっとしゃべりながら、遊びながら撮ってる。


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このあと1時間くらい、カメラを置いて遊んでたみたいだ。

まあ、許してくれよな、僕だって遊びたいよ。

カメラを置いたのも、太陽のあたらない遊具にみんな行っちゃったからなんだ。


だからそういうときは、撮らない、という判断も大事さ。
でもその中で、光がなくても撮れるときがあるんだ。

それはこういうとき↑↑↑で、


なにかアイテム(遊具のアミ)とともだちを結び付けて撮れるとき。
結び付けて、おもしろくなるときかな。常におもしろいものはないか、リンクできるものはないか。そういうことを考えてる。

光がないぶん、何かで写真の要素を補えるときは、こうして撮るんだ。
光や背景がよければ、リンクは考えないよ。
光や背景がなくなった場合のために、使えるリンクを増やしておく、という考えかな。だから、360度、常に意識を配ってる。


1時間しっかり遊んだから、「ちょっと休もう、こっちきて、アミから顔出して」っていうお願いもすぐに通ったよ。

かーくんがうまいこと顔出なかったけど、それも愛嬌。


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これも同じ。

日陰なので光が当たらなくて、ステキ写真を作りにくいけど、背景がアミアミでかわいいから撮るんだ。

このときは声をかけなかったらあらちゃんどっか行ってしまいそうだったから、声をかけて目線もらったよ。なんでもかんでも目線をもらおうとするのはよくないと思ってる。


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まだみんなはアミアミで遊びたいようだったけど、若干マンネリしてるともだちもいたし、写真撮っときたいなって思ったから、

これやめようぜって話したら意外とすんなり通ったよ。


すぐ近くのターザンが始まったけど、僕はこのターザンの写真はそれほど重要視してないんだ。これまでに何回も撮ってきたけど、結果的にあんまり気に入る写真になってない。

これは今日は撮らないでいいかなあ、と思ったけど、まだやったこともないこと、を見つけたんだ。

それは、正面から待ち受ける、ということさ。向こうからターザンしてくるともだちたちを、真正面からギリギリまでドンと待ち構える。


そうするとみんな、おいおいおまえ、って、笑うんだ。


こういう発見と実践の繰り返しさ。


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次はなぜか、僕が標的になった。

なぜか戦うことになったから、カメラは向こうに置いといた。そしてみんなにおもいっきりしばかれた。

しばらくはしばかれたけど、このままではまずいと思って途中ですもうをすることを提案したんだ。

1人ずつ順番に勝負してたのが、すぐに一斉攻撃になって、
とってもしばかれた。


そんなとき、ラッキーなことに夕陽が出たんだ。

だからみんなにちょっと待ってとお願いして、カメラを取りにいった。

みんなは一応、僕が写真係りだということは認めてくれている。
だから、カメラを取りにいく時間は認めてくれるんだ。

で、夕陽が出たのだから、夕陽と撮れるいいポジションに自分がまず立つの。

流れが自然だからみんな何も思わないの。

普通にこっちに歩いてきてくれて、

それで、すもうの続きをするんだけど、

はっけよ~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~い!!!


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って、結構声高らかに、大げさに言って、時間を作るんだよ。
声という号令で時間をかせいで、まだかよ、まだかよ、と思わせておいて、写真をバンバン撮っていく。あんまり長いと怒られるから、それも10秒くらいかな。


このときもみんなの目線がほしいわけではないんだ。

みんなが横並びで変な格好している、それだけでいいじゃないか。


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そのあとたしかカメラを持ったまま圧勝して、倒れた流れでみんなに寄ってもらって、こういう写真も撮った。

僕もゼイゼイでさ、このときは露出なんて考えてなかったな。


このときの1/50っていうシャッタースピードは遅いから、押したときにイケネ、って思ったんだけど、

(2,3秒のあいだに構図をかえて3,4枚は撮るペースだよ)


まあブレてたらブレてたでいいや、ってここはこれで終わったよ。

(ブレてなかったよ)

この瞬間だからこの顔になったのであって、あかん、もう一度、って言って同じのは撮れない。

そういうときは、アンコールしない。

それも大事なこと。


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みんな水分補給することにしてさ、みんなバラバラどっか行ったけどさ、

まだ夕陽があったからさ、近くにいたあらちゃんにあっちいこって言ってさ、おもいっきり2人で走ったよ。

あらちゃんの全速力、かわいかったから撮りたいなと思ったけど、


今からしっかり撮れそうだから、ここは走るのを一緒に楽しもうと思ったよ。


ところであらちゃんはなんでこんなにセンターが似合うんだろう。

ノパッとしてるから?

ノパッとしてたらセンターが似合うのか?

じゃあノパってなんだろう。

黄金色に輝く地面を広く写したいから、カメラは少し高めで撮るのさ。


この日は雲が多かったから、そんなに空はきれいになってなくて、空より地面にグンバイ、というところさ。


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もうみんな僕に興味がないようだったから、シーン的にも定点撮影にしたよ。

背景が決まって、みんながだいたい同じ場所で遊んでくれるから、僕はしゃがんで、タイミングを見てシャッターを切るだけさ。

もちろんその都度ピントは合わせて撮るよ。


↑↑このときは写真まんなかのあらちゃんに合わせるのはNG。


この距離感で目立つのは動いている2人だから、2人にピントが合っているべきなんだ。

ふうちゃんは逆光すぎてピントがおそらく合わないから、

逆光に遠い、ぜんくんのモミアゲ部分にピピっと合わせて撮ってるよ。


人を撮るときは目にピントを合わせるのが常識なんだけど、

これだけの距離があったら目もモミアゲも変わらない。


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このときはもうね、みんなぐるぐる動くの早いから、かっちりピントを合わすのはあきらめて撮ってるんだ。

この円の一番手前(このときはあらちゃんの背中)にピントを合わすのはナンセンスかな。


一番右のかーくんにピントを合わせて撮ってたらさ、次にぐるぐるっときた誰かにピントが合うだろう、くらいに撮ってるよ。

(ピントあってたよ)

円の位置もじょじょに変わっていくから、合わせては撮って、合わせては撮って、という具合いさ。


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実はこちらははじめましての家族だったんだけどさ、もう帰るって言って、家族全員そろってるってことだったからさ、

それならみんなで撮ろうよってなってさ、みんなで撮ったの。

この表情といい、並びといい、姿勢のバランスといい、

スカートの引っ張り具合いといい、素晴らしいよね。

立ち位置なにも言ってないんだよ。

これがそのままの姿、そのままの家族、家族の色なのさ。

こういうときの立ち位置はね、聞かれたら考えるし、聞かれなくてもこうかなって考えるけど、

とりあえずはどう並んでくれるのか、見る、ということが多いかな。


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それから毎日恒例というお弁当たべてさ、

(僕もちゃっかりもらったよ)


日が暮れたころに仕事帰りのおとうさんたちが来てさ、そろったなら撮りましょうよって言ってさ、

ストロボたいて撮ったんだ。
普段ならわざわざストロボは持ち出さないんだけど、今日はこういう写真を試してみたかったから、ほんとにちょうどよかった。


カメラとは離れた場所からストロボたいてるんだけどさ、ストロボを持ってくれてるのはふうちゃんさ。


ふうちゃんもさ、家族の写真を撮るってなったらすっごい協力しようとしてくれてるの。


だから微妙な角度とか微妙な距離とか、そんなのはどうでもいいんだよ。

光がどう当たろうと、

かーくん家族に照明を当てたのはふうちゃん。だから撮ったのはふうちゃんなんだ。


ちなみに背景の夕焼けと被写体の家族の露出を合わせることで
(ストロボを当てることによって)、どちらもきれいに撮れるわけなんだけど、こういう写真館的な撮り方は僕はあまりしない。


あんまり好きではないんだけど、最近は逆に、おもしろいと思えてきたんだ。

(というか家族写真を外で夜に撮ることがない)


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ふーちゃん家族の写真は、かーくんが撮ったよ。(かーくんがストロボを持ってくれたよ)


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ここではふうちゃんがカメラを持って、一生懸命撮っている。

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おかあさんはモデルに向いてるね。

そうじゃなくて、撮りたいという子どもの熱に対して、誠意をもって、ちゃんとモデルをするのが、ステキ。

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誠意とは言えないかもしれない。

ふうちゃんが一生懸命撮った写真で、このときピントが合っていないとかは大事じゃないと思う。ふうちゃんが撮りたくて撮った、かーくんのお母さんがモデルになった、結果ぼけぼけだった、そういう事実を残せたのが一番大事。

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最後、ふたりがストロボ持ち係りをとても気に入ってくれてさ、離したがらなかったからさ、

ストロボを持ったふたりを撮って終わったよ。

(終盤、設定を忘れておとなぶって書いてしまいました、スミマセン。)



1枚1枚、すべてに愛と意味を込めて、撮りましょう、

何気ない日常に潜む、愛すべき人の日常。



CloverPhotograph
山中優(31歳)


結局、今夜の写真講座が終わってから

2時間かかって書いた記事です、愛してね。


以上。

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長かったです。この記事が必要としてくださる方に届けば幸い。
どんな撮影においても、根本はこういうことで、こういうことを大切にしています。

お読み頂きありがとうございました。

株式会社フーシャ
山中優

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