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「採用」を目的とするオウンドメディア。その目的と効果的な運営方法は?

近年、オウンドメディア開設が増えるなかで、採用にオウンドメディアを活用しよう、という会社も増えています。

と言っても、これは特別なことではありません。
想定する読者が異なるため、「採用サイト」をコーポレートサイトとは別に設置する会社は昔からありました。

その「採用サイト」をメディア化し、最新の情報や読み物を増やすことで、より採用に役立てよう、というのが、採用サイトのオウンドメディア化です。


採用サイトのオウンドメディア化には、大別すると、以下の3つの目的が存在しています。

1.認知向上
2.選考途上の候補者への情報提供
3.直接応募の候補者リスト構築

目的箱の中の一つ、あるいは複数になると思いますが、目的により運営の方向性が変わってきます。

今回は目的別に、効果的な運営方法について解説します。


1.認知向上

いったい「認知向上」とは何を指すのか。
それを明確にしないまま運営されているメディアも多いですが、実はオウンドメディア運営の観点からすれば、それは非常にはっきりしています。

それは「指名検索を増やす」ことと、「スカウトの反応率を上げる」ことです。認知向上とは、上の2つのための施策と言って間違いありません。
逆に言えば、オウンドメディアを運営するのであれば、この二つの指標を成果指標として使わなくてはなりません。


例えば、ある採用サイトに募集をかけたとします。
「認知」が広がっていない状態、すなわち無名の会社はほとんど氏名での検索がされません。

あるいはスカウトメールを何百、何千とおくっても、無名の会社は募集要項すらろくに見てもらえません。会社をちゃんと見てもらうためには、募集を出すだけでは不十分なのです。

また、同じような待遇の会社は無数にありますから、待遇だけで比較された場合、候補者の多くが「有名企業に行きたい」と思うのは、自然です。


そこで「認知を拡大する」という施策が必要となります。
といっても、なにも「有名企業になってください」という話ではありません。
採用という、限定された目的では、業界の垣根を乗り越える必要がありませんから、候補者にとって「どこかで名前を聞いたことがある」という程度で十分です。

例えるならば「友人の知人」というイメージ。
直接よく知ってはいないけれど、ウワサ程度は知っていて、感じがいいというイメージを持たれている、という立ち位置です。それであれば、難しいことはありません。

むしろ発信を日常的・積極的に行っている会社は少数派ですから、すこし活動をするだけで効果が出ます。


では、現実的に「認知拡大」のための施策をどのようなコンテンツを発信すればよいのでしょう。

最も重要なのは、「現役社員」が「記名」で、社名を出してコンテンツを作ることです。というのも、転職に伴う大きなリスクの一つが、社風のミスマッチであることが知られているからです。

ビズリーチ会員へのアンケート(2020年3月実施、回答数:1,786)で、転職してよかったと思えていない人にその理由を伺ったところ、

人・社風が合わないと感じるから
転職先の仕事にやりがいを感じないから
業務内容が聞いていた内容と違ったから

の3つが回答数の多さにおいて上位にランクインされました。
入社前に想定していたことと入社後に大きな違いがあったことにより「失敗した」と思う人が多いということがわかります。

(出典:ビズリーチ https://www.bizreach.jp/column/find-goodjob/

転職は待遇が一番、という人も多いですが、同時に「社風に合うか」「自分の力が活かせるか」も重要なファクターです。
その点で、実際に在籍し、仕事に携わっている社員の発信は非常に説得力のある材料となります。

そういう意味では「社員ブログ」を持っている会社は、採用上は非常に強いと言えます。
最近ではリモートワークが増え、「文章力」が問われるシーンも多いですから、文章力強化も兼ねて、社員に発信をさせる企業も増えているようです。


2.選考途上の候補者への情報提供

2番めの目的は、「選考途上の候補者への情報提供」です。具体的には選考に入った候補者の納得感の醸成や、内定を出した候補者の説得に使うのです。

したがって、この成果は「選考の辞退率を下げる」そして「入社後の定着率を上げる」ことにあります。

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