【54】noteの有料マガジンを1年以上運営してみて分かったことを書く (2)集客について
前回はコンテンツの作り方について書いた。今回は集客活動について、現在得られている知見を書いていく。
前提:noteではGoogleアナリティクスが使えない
集客において、最も強力な改善のためのエンジンとなるのはデータ。つまりアクセス分析である。
そして、これも言うまでもないが、アクセス分析の主たるツールは、Googleアナリティクスである。
ところがnoteではGoogleアナリティクスが使えない。
これは推測だが、noteユーザーが全員Googleアナリティクスを使うと、noteからGoogleアナリティクスサーバーへのアクセスが激増して、制限がかかり、Googleに金を取られるからだと思う。
まあ、その真偽はともかく、noteではアクセス分析に使えるデータがPV数と「いいね」の数くらいしかないのは事実だ。
少なくとも私が知る範囲では、アクセス元やSNSと検索流入の比率、そういったデータを取る方法がない。
一応、正確に言うと、note proという、企業のオウンドメディア向けサービスがあり、そこではアクセス解析ツールがnoteからも提供されているし、Googleアナリティクスも使える。
しかし、基本的にnote proは法人向け。しかもGoogleアナリティクスを使うだけで、月額1万円取られる。
ということで、基本的に個人アカウントではアクセス解析ができない。
「よーしnoteでアクセス増やすためにがんばっちゃうぞ」という決意は、ここでまず軽く挫折する。
結局これはnoteの仕様なのだ。
noteからアナリティクスツールが提供されていないところを見ると、noteの運営思想として「PVを伸ばすことばかりにあまり興味を持つな」という解釈もありえる。
PV増やしてアフィリエイトして情報商材売りつけて……
という、他のプラットフォームでの状況とは一線を画したいということなのかもしれないが、まあ、ホンネとしてはコストだろう。
「数字を増やすゲーム」はそれはそれで面白いので、一長一短といったところだろうか。
とはいえ、「書く以上は、読まれたい」という人も多いと思うので、noteのアクセス解析ツールの貧弱さはちょっと改善してほしい。
特に有料マガジンを作っている人は、コンバージョンの導線を知りたいと思っているだろう。
1.検索流入はアテにならない
なので、ここからは推測になる。
と言っても、いくつかのことについてはほぼ確実に言えるので、そこから始めよう。
まず「Googleからの検索流入は増やせるか」だ。
いわゆるSEOを施してアクセスを伸ばしちゃおう、というオールドスタイルの集客方法が通用するかどうかである。
結論から言うと、今のところ「検索流入はそれほどアテにならない」と言って良いだろう。
このように言うと、「noteは検索強いのでは?」という方もいるだろう。
というのも、今年の頭にnoteがドメインを移行して、検索流入が大きく伸びた、と発表されたからだ。
決死の覚悟でのぞんだnoteのドメイン移行。検索流入急落からの復活劇
確かにnote全体の検索トラフィックは増加している。
だが、それが「集客」につながるかどうかは、実は別の問題だ。
というのも、note全体のトラフィックが伸びたとしても、「note」というドメインの中に記事がある以上、Googleの検索結果に強い制約があるからだ。
それは「同じサイト(ドメイン、サブドメイン)からの記事は、2つまでしか検索結果に表示されない」という制約である。
詳しくは以下の記事にあるが、要するにnoteの記事は、検索結果の中で2件までに制限される、ということだ。
Google検索結果トップから同一サイト重複を排除。多様性の向上のため
米Googleは6月6日(米現地時間)、検索結果の上位に同じサイトのページが重複して表示されないように調整したことを発表しました。
今回の変更はユーザーからの要望に応え、Google検索におけるサイトの多様性を向上することが目標だと述べられています。
Google SearchLiasion(Google検索の連絡係)公式Twitterアカウントは、検索結果の上位が同じサイトからのリストに占められる傾向がありませんか?と呼びかけ。
そうした意見が寄せられたとして、Google検索に「サイトの多様性」をもたらす変更を行ったとアナウンスしました。
つまり、あなたの記事が、目的のキーワードで検索エンジンの結果として表示されるためには、noteの中で必ずトップ2位に入らなければならない。
それが、どんなに良い記事だったとしてもだ。
「3位じゃだめなんですか?」と問われたら、「ダメ」としか言いようがない。
noteユーザーが増えれば増えるほど、競争相手も増えるので、
これは、ユーザーとnoteの運営とで利益相反だ。それを全体の戦略に組み込むのはよろしくない。
もちろん「Googleの1ページ目に表示されるような記事だったら、noteで2位には入れるのでは?」と言う話もあるだろう。
しかし、これは本質的には無用な競争であり、独自ドメインで運用していればそれを心配する必要すらないはずだ。
つまりnoteで書いている時点で「検索流入で伸ばすのはかなり難易度が高い」と言っても、よいのである。
2.FacebookとTwitterからの集客は、1投稿あたりフォロワー数の○%が見込める
さて、次に皆様が興味を持つのは、「SNSからどの程度送客できるのか」だろう。
以下は、私のTwitterアカウントから、このnoteの記事のURLをツイートした結果のデータである。
Twitterアナリティクスのスクショを乗せるので、ご覧頂きたい。
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