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しっかり厳しいドラマ「東京デザインが生まれる日」(第1-2話レビュー)

先週のことです。モトーラ世理奈主演のドラマがテレ東の深夜枠で放送されると聞きつけ、さらに共演者には伊藤万理華やジャルジャル後藤がいると知り、さすが俺たちのテレ東と喜んでいましたら、MEGUMIにTVer越しにぶん殴られました。(好意由来の敬称略)

〈イントロダクション〉
テレビ東京「水ドラ25」(毎週水曜深夜1時28分~58分)にて12月2日から『東京デザインが生まれる日』(全5回)を放送します。 本作は、デザインオフィス「れもんらいふ」代表のアートディレクター・千原徹也の企画・演出によるデザイン業界を舞台にした連続ドラマ。(中略)ドラマの合間で、これまでの作品に携わったクリエイターや俳優と、千原氏との「対談ブロック」を挟み、「フィクション(ドラマ)とノンフィクション(対談)のハイブリッド」を特徴としています。
(公式ホームページより)

第1話 デザイナーはサラリーマン

東京の小さなデザイン会社「れもんデザイン」のオフィスで慣れない仕事にテンパっている新人デザイナーの睦(モトーラ世理奈)。半年前に美大を卒業してこの会社に就職した彼女は、“飛んだ”と思われる同僚の仕事も請け負うことになり、なかなかうまく仕事をさばけていません。そんな彼女に、アートディレクターで「れもんデザイン」代表の千原徹子(MEGUMI)は

「睦、あんた、サラリーマンなんだからね」

とビシッと言うのです。ちょっとちょっと、そんなこと言わないでくださいよ~って笑って誤魔化…せない!

雑務の日々に制作意欲が溢れている睦は「マンじゃないし。私はデザイナーだ」と小さく反抗します。この時代に会社員を「サラリー“マン”」と呼ぶことに引っかかるのはなんとも今の若者らしいと言いますか、でもそういうことじゃないんですよね、ってことですよね。もちろんポリコレ的には睦の言うことはまさに正しいわけですが、当然徹子は単に「あなたはれもんデザインに勤める会社員ですよ」という事実を言いたかった以上に、「デザイナー」とは関係ないような雑務に不満げな顔をしている睦に「いい加減、目を覚ましなよ」と伝えたかったわけです。

寝食忘れて制作に取り組むことができ、責任は全て自分で引き受けられ、締切にある程度寛容な教員がいる環境で醸成された学生気分から脱しなくてはならない。クライアントがいて、短期間に同時並行で多くの仕事を抱えている。そしてあくまで商売でやっている。そういう自覚を持って、「こんなのデザイナーの仕事じゃない」とか言ってないで、まずは雑務からなんでも取り組みなさいというニュアンスを伝えようと思ったら、やっぱりどこか泥臭い「サラリーマン」という言葉を使う方が正確だと思います。

ドラマの間に挿入される野性爆弾のくっきー!との対談で千原徹也さんも、自由にいろんなことをさせてもらえた美大時代とは打って変わって、社会に出ると、メール返信の仕方やスケジュール管理など、全ての仕事に共通する社会人としてのベースを学ぶことが大変なんだ、と言います。

このドラマ、登場人物のお召し物も本当にステキですし、セットもオシャレ。あと、どの場面のどのカットで止めても絵になる。目だけでも満足感得られそうなくらいビジュアルの完成度もすごいんですね。フィクションとドキュメンタリーの中間のような構成も面白い。

でもそうした「イケてる」面と同じレベルで「しっかり厳しい」ドラマでもあります。徹子や先輩が睦に向ける言葉や態度は、「このドラマ、オッシャレ~」とヘラヘラしながら見ていた私に強い衝撃を与えました。でもその生半可ではない現実の厳しさをちゃんと見せ、そしてその現実と夢に立ち向かおうとしている睦を描くからこそ、このドラマが目指す「頑張る全ての女の子へ」というエールが本物となって視聴者に届くのだと思います。

第2話 仕事を“じぶんごと”にする

第1話と同じく生易しくない現実が睦を囲いますが、デザイナーとしての力量を試すチャンスも訪れます。が、うまくいきません。先輩の笑みと厳しいご指摘にうなだれる睦に同情しながらも、「あこがれ」と友人の七菜香(伊藤万理華)に背中を押されながらどうにか仕事を“じぶんごと”として考えようと前を向いた彼女を応援したくなります。見ているこっちも顔を上げられる気がします。(私だって伊藤万理華に背中押してもらいたい)

第2話はTVerで絶賛無料配信中なので、内容についてここで深く語るよりも、本編見てくださいなという感じです。対談ゲストは野性爆弾のロッシー、ではなく作家の川上未映子さんです。千原さんは京都の出身で関西弁を話していて、前回のくっきー!も今回の川上さんも関西弁です。「東京デザイン」というタイトルの割にドラマの3割くらいはみなさんの心地よい関西弁を聴いています。

このドラマは、デザイン業界(あるいはそれに近い業界)に身を置いている人が、ある種の「新人デザイナーあるある」が映ったものとして見ているという側面もありますし、やっぱりこれから社会に出ていく私たちのような現役芸大生(なんかカッコイイ)としては、数年後の自分を見ているように感じています。数年後の自分を作中の睦に重ねながら、その睦を見守り「頑張って!」と応援することで、今現在の自分のモチベーションアップを図っていたりするんですよね。全5回しかないけど高い効果を見込めそうです。

主題歌とモトーラの歌うオープニングテーマも非常に良いですよ。

第3話の放送は12月16日(水)25:28(17日(木)の1:28)から。次回の対談ゲストはシンガーソングライターの吉澤嘉代子さんです。楽しみ。(すごい、携わった人の宣伝の仕方しちゃった☆)

ついに次回ジャルジャル後藤が登場しますが、予告を見ると七三分けのスーツ・眼鏡姿なんですよね。ジャルジャルのコントに出てきそうなヤバい奴臭がなんとなく漂ってきますし、しれっと変な格好した福徳も出てこないかなーと思ったりしてます。


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00年生。東北芸術工科大学。自主制作の文芸誌作ってます。新展開だ!