コロナショックのスタートアップへの影響

”コロナショック”がスタートアップ界隈に与える影響について3つの視点から

2019年12月に発生したコロナウイルスによる影響がいよいよ深刻化してきました。
コンサートの中止や出社調整などにとどまらず、3/9(月)は日経平均株価が1年2ヶ月ぶりに2万円割れ、ダウ平均株価は約11年半ぶりにリーマンショック時並の下落となり、日本だけでなく世界各国で経済・株式株式市場が混乱しています。

そこで本記事では起業家として、今回の騒動がどのような影響をスタートアップ界隈に今後及ぼすのかについて「投資家・大企業・スタートアップ」の3つの視点から所感を述べていきます。
異なるご意見等がありましたら、ぜひコメント等でご指摘くださると嬉しいです。

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前提

そもそも、この影響がどれくらい続くのかを見定めることが重要だと考えます。
リーマンショックはリーマン・ブラザーズの破綻により連鎖的に発生した金融危機ですが、今回のコロナショックはSNSの普及等によって必要以上に恐怖感が煽られているなどの風評被害的な側面も当時より強いと感じています。
今後、例えば特効薬がすぐ発見(臨床実験等を経ずとも他薬品の転用などで治療可能だと判明など)されたりしたら、早期に落ち着く可能性もありますし。
また、ここ数日の株価の大きな変動は原油価格の下落という要因もあるので、単純にコロナによる不況だとは言い切れないと考えています。

ただ、今後さらに感染や死者が拡がる可能性ももちろんありますし、どの地域で最も猛威を奮うかによっても影響は異なるので、ここらへんの予測は難しいと感じています。
以下では、ある程度長期化するという想定のもとに書いていきます。

投資家サイド

【独立系VC】
・既に集めた資金は使わなくてはいけないので、直ちに影響はない。
・今後のファンドレイズが難しくなる可能性が高く、長期的な影響は出る。
・ファンドを跨いでの保有がしづらくなり、早期のバイアウトを求めることもあるかも。
・投資時の時価総額下げ圧力は強まる

【CVC】
・キャッシュの余裕を持つため、新規出資を控える・止めるケースが多そう。
・ここも、買い戻しや売却を要求してくるケースもあるかも。

【エンジェル】
・保有資産の性質によるが、資産が目減りする人が多そう。
 └全体の母数が減ることが想定される。

大企業サイド

・業種によっては大打撃。
 └コストカットが行われ、あまり利益になっていない提携やサービス利用、広告出稿が切られちゃう。
・業種によっては儲かるし市場の買値も下がるので、体力がある企業はM&Aを積極的に行っていくように。
・リモートワークに対応せざるを得ない企業が増える。
 └副業・転職者が増える。
 └リモートワーク対応によるコスト・生産性の増減も。
※基本的には生産性が下がる企業が多いと思ってます。

スタートアップサイド

・キャッシュフロー、成長速度、価値提供のバランスを見定め続けるという基本は変わらない。
・調達難易度が上記要因によって上がる。
 └逆に、新規創業減→競合減、により新規投資を受けやすいという側面も。
・ダメージを受けた企業からの転職者を採用しやすくなる。
・直撃を受ける事業領域の場合、少しでも余裕があるうちに以下のような対応が必要になる。
 └ピボットや事業譲渡
 └解雇や休眠などを行い騒動が落ち着くのを待つ。
 └受託体勢や新規ビジネスを作りキャッシュを新たに生み出す。
・逆に伸びる事業・サービスももちろんある。

今後起こるであろうこと

リモートワークの普及や転売問題、無観客ライブなどの新たなエンタメの創出など、生活習慣が大きく変わる契機になった出来事だとも感じています。
亡くなった方も多くいますしそれらを手放しで歓迎するというわけではもちろんありませんが、それにより新たに生まれた課題・市場も多くあると感じており、ここらへんを狙っていくスタートアップ・ビジネスも既に出てきますし、今後も色々出てくるだろうとも考えています。
例えば、こういったパンデミックに対応した保険なんかは絶対出てきます。

まとめ

結論、スタートアップとしてやるべきことは大きくは変わらないとは思いつつ、普段よりも悲観的にやっていくことが必要かなーと。
現状ではある程度日本での感染防止策は機能していますが、少なくともあと3ヶ月は慎重であるべきフェーズだなと感じます。

ですが、大小はあれど今までも色んな事件がありつつ成長してきたスタートアップという存在がこのまま将来的に廃れるということはありえませんし、結局は自分たちの事業や将来を信じてやっていくしかないよなーと考えてる次第です。
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ITベンチャーに新卒入社後2012年創業 複数回エクイティ・デッドでの資金調達を行い各種事業を行う 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ、 2016年にフジメディアホールディングスグループに数億円でバイアウト 2019年から福岡で2度目の創業