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スタートアップでの失敗しないための採用戦略(中編):ミスマッチ防止方法と前提について

「採用は難しいよね」ということで関連する内容について3記事に渡って書いていこうという試み。
※当初は2記事の予定でしたが分量多くなったのでさらに分割しました。

前回の記事では面接フローや個別の質問内容、その意図について書いていきましたが、本記事では「ミスマッチを防ぐ」というトピックに焦点をあてて書いていきます。
ちなみに3記事の内容としては以下の通り。
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・前編(リンク):
採用フローの組み方と、どういった面接・質問を行っていたか。
それぞれについてどのような意図を持つのかについて。
・中編(本記事):
ミスマッチを防ぐための前提や「こういう人は採っちゃいけない」について。
・後編(リンク):
雇用契約書や試用期間について。
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※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら

前提として

まず、誰かを採用する上で最も重要なことはなんでしょうか。
※ここにおける採用とは、中心メンバーとなり得る方を採る場合を想定しています。

スキルももちろん重要ですが、その人物の性格・コミットメントが最重要であると僕は考えています。
なぜなら、(特に小さい)組織においては1人マイナスの影響を及ぼす人がいるだけで、全体が悪い雰囲気になってしまうからです

掛け算を思い浮かべていただくと分かりやすいと思いますが、組織においてはマイナスの人数が偶数だったとしてもプラスにはならず、むしろ相乗効果を生みながら悪い方向に向かっていきます。
「スキル高×性格悪」という人材を採った結果、他のスタッフが辞めてしまい結局トータルだとマイナスになり最終的にはチームが崩壊した、というのはいくらでもある話です。
そのため、いくらスキルが高かろうと、性格があまり良くない、一緒に働きたくないな、と思った際には雇用しないことが肝要です。

ただ、「性格」というのは主観的なものであるため、その判断も曖昧になりがちです。
そこで、次の段落ではその判断の助けとなるシグナルについて書いていきます。

「採ってはいけない」危険なシグナル

ここでは、入社後にミスマッチを起こす可能性が高い、という特徴を書いていきます。
もちろん全員が全員そうではないですが、あくまで傾向として。

ちなみに主にマインドにおける項目について書いていますが、スキルがマッチするかどうかを見定めるのも当然重要です。
しかし、そちらは面接を通じて見定めることがより容易であり、また、個別の状況によってその方法も異なるためあまり触れていません。

・条件へのこだわりが強すぎる
給与や福利厚生など諸々の待遇は仕事を選ぶ上でもちろん重要ですし、会社としても双方が納得できるよう努力をすべきであると考えます。
しかし、例えば業務内容についての質問はないのに上記についてばかり聞いてくるような場合、事業へのコミットが薄い方であると想定されます。
そういう考え方を否定するつもりはないですが、仕事を完全にお金稼ぎの手段として割り切っている方を雇うのは、特に初期においては避けたいです。

・事業についての関心がない
上と似ていますが、事業をどうしていきたいのかを考えていないどころか、どういう事業を行っているのかの把握も曖昧、みたいな方もやめておいた方がいいです。

・リモート勤務したがる
これも事業コミットについてなんですが、リモートにこだわる場合は「その会社ではなくその条件」に就職したいと考えている可能性が高いです。
もちろん、色々と理由もあると思いますが、そもそも特に初期においての中心メンバーはリモートを行うべきでないと僕は考えているのでここに書きました。
ちなみにそう考える理由は、コミュニケーションコストが上がる、そしてちょっとした雑談によって事業のヒントが生まれることも多いからです。
念の為書いておくと、リモート勤務を全否定しているわけではなく、例えば切り出した業務の依頼などにおいては有用だと考えていますし実践していました。

・前職へのリファレンスを拒否する
そりゃそうだよねというシグナルなんですが、なんらかの問題を抱えている可能性が高いです。

・腹を割ってくれていない
どんなに良い内容を語り、その回答も明確であったとしても正直に話してくれてないなーと感じる方は採らない方がよいと考えています。
理由としては、雇用後も「本当はどう思っているんだろう」と考える必要があり、マネジメントコストが増すからです。
いつの間にか不満を抱えて退職したり、この傾向が行き過ぎるとイエスマンと化し、事業推進を行う上でも問題が生じ始めます。

・今までの成功要因の分析が曖昧
結果を出せる人には2つのタイプがあり、1つはどの領域・商材でも結果を出せる人、そしてもう1つは特定の領域・商材でのみ結果を出せる人です。
これはどちらが優れているわけではなく適材適所で進めていけばよいのですが、後者のタイプを結果を出せない領域で採用してしまうと主にスキルにおけるミスマッチが生じます。
そこを防ぐために、過去における成功をどのように分析しているかを聞くことでそこを見定めることができます。

・他責・ネガティブ
そりゃそうだよね、という感じですが。

・なんとなく合わなそう
こちらは明確なシグナルではないんですが、「違和感はあるけど大丈夫だと思う」という場合はほぼミスマッチが生じます。
「この人は絶対良い!」と思った時ですら採用しても合わないということはままあるので、特に人が足りない時はハードルを下げて採用したくなる誘惑に負けそうになる気持ちも重々理解できますが避けるのが吉です。
採用においてはいい人を雇うことよりも、"やばい"人を雇わないことの方が大事なので、そこのリスクは取らないべきだと考えます。

会社として努力すべきこと

ここまでは被採用者の方について書いてきましたが、ミスマッチが生じる原因は当然企業側にも存在します。
それを防ぐためには以下のようなスタンスで採用・面接に臨むべきであると考えます。
大事なのは、格好つけずに誠実・正直であること。

・期待値の調整
採用対象者の方に対してどのような役割、アウトプットを期待するのかを明確にし、それをきちんと正直に伝えるべきです。
「裁量権を持って〜」とか「◯年後には上場します」みたいなのも事実であればもちろん良いですが、経営者の希望的観測や曖昧な現状理解や誇張でそれを伝えてしまうと、入社後にがっかりされてしまう原因になります。

また、スタートアップであるのであれば今後の成長戦略やイグジットについての考え方なども。
ストックオプションの行使などについて大いに関係するので、そこも含めて話をするべきではないでしょうか。

・事業、仕事内容についても正直に話す
特に初期においては「なんでもやってもらう」ことが必要であったり、現状取り組んでいる事業そのものがなくなってしまう可能性もあります。
要するに、任せたいのがたとえ地味でつまらなそうな仕事であっても、しっかりそれを伝えた上で採用すべきだよね、ということです。
仮に虚偽の情報を伝えてその方が入社に至ったとしても、結局すぐ辞められてしまったら意味がないので。

・採用したい人物像を明確にする
そもそもどういう人を採りたいのかが明確でなければ、そこにマッチする人は取れません。

まとめ

まとめると、大事なのは被雇用者の方に正直な状況・展望を伝えつつ、面接時に違和感を覚えた場合は採らない。
なぜなら、会社を円滑に回す上ではいい人を採ることよりも悪影響を及ぼす人を採らない方が重要で、そこにおいて博打を打つべきではないため、
って感じです。
次回の第3回目では実際に誰かを雇うと決めた時に結ぶことになる雇用契約書や試用期間について書いていくので、気になる方はフォローしていただければ!

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ITベンチャーに新卒入社後2012年創業 複数回エクイティ・デッドでの資金調達を行い各種事業を行う 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ、 2016年にフジメディアホールディングスグループに数億円でバイアウト 2019年から福岡で2度目の創業