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コロナの影響でシードファイナンスの時価総額がどう変わったかについての所見

時価総額については以下のようにいくつか既に書いています。
スタートアップ企業の資金調達時における時価総額はいかにして決まるのか ※これはちょっと書き直したい。
資金調達時の高すぎる時価総額がもたらす問題3つ

ただ、昨今のCOVID-19(コロナウイルス)の影響によってスタートアップの環境も大きく変化していること。
そして某所でご質問があったということで、所見を書き記しておこうと思います。
ちなみにコロナが及ぼす全体的な影響については以下のように書いています。
”コロナショック”がスタートアップ界隈に与える影響について3つの視点から

※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら

資金調達に関するおさらい

めちゃくちゃ初歩的なことを書くので、理解できている人は読み飛ばしてほしいんですが、ここではいわゆるエクイティファイナンス(第三者割当増資)について書いていきます。
それはどういうものかと言うと、自社の株式を他社(者)に割当て、その対価として現金、もしくはそれに類するものを得る、というものです。

単純化しつつ具体的に書くと、例えばあなたの経営する会社で資金需要が生じ、1,000万円を調達したいと考えたとします。
そして投資家の方と話して会社の価値が1億円という評価になった場合、株式の10%をその投資家の方に割り当てることによって、あなたはその対価として1,000万円をご出資いただけるわけです。

シードファイナンスの定義

ファイナンスにおいてはシード、シリーズA、アーリー、レイター、など各フェーズにおいてさまざまな呼ばれ方をされますが、ぶっちゃけ正確な定義は存在しません。
もちろんある程度のものはありますが、環境が大きく変化し続けるスタートアップにおいてはその呼称が実態とかけ離れてしまったり、複数の定義が当てはまるような状況も存在します。
さらに、そもそも事業進捗と調達額・時価総額、どちらでそのフェーズを分類するのかもさまざまだったりしますし、優先株を使ったら、という分類だったりもします。
余談ですが、会社を売却することは正しくは「セルアウト」なのですが、なぜか「バイアウト」という単語が日本では一般的に使われています。

本稿の中心であるシードファイナンスの定義に戻りますが、これが指す対象も広く、「アイディアだけある」という状態から、「サービスを公開して多少はトラフィックが生じている」という状態もシードと呼ばれますし、調達金額も数百万だったり数千万だったりします。
なのでここではざっくりと事業進捗だけに軸を絞りつつ、「アイディアだけある〜多少はPMFの検証ができている」という少し幅を広げたものをシードファイナンスを実行するフェーズと定義します。

現在の相場はどれくらいなのか

結論から書くと、5,000万円〜7,000万円程度が直近のバリエーションとして妥当なところになるのではと思っています。
シードの時価総額として1億〜なんて書かれているところもあるらしいですが、そのイメージで調達に臨むとかなりしんどくなりそうだなという印象です。

ちなみに直近でも資金調達リリースが散見されますが、通常資金調達は数ヶ月以上程度かかることも多いです。
そのため、コロナが資金調達に関係ないなんてことはもちろんなく、影響がより濃くでるのはこれからです。

なぜその相場だと考えるのか

前提として、シード期の企業を正確に評価することは非常に難しいです。
例えば現在はユニコーン企業として有名であり、評価額は3兆円と言われるAirbnbもサービス開始後のファイナンスでは150万ドルでの資金調達では数十人のエンジェルや投資家達に断られたそうです。

なぜシードでの評価が難しいかというと、その事業の伸びしろを測ることが難しく、また、利益も出てない(ことが多い)ため計算式に当てはめることもできないからです。
じゃあどうやって評価額が決まることが多いのか、となりますが答えは相場です。

シードの時価総額はVCさんのスタートアップ投資が本格的に増え始めた2011〜2012年くらいは3,000万円くらいが多く、そこから徐々に上昇して1億がひとつの目安となり、そこから少し揺り戻しが来て2019年くらいからは1億を割る時価総額でやり取りされることが増えました。
ですが、昨今のコロナ周りで投資家の絶対数が減ることで時価総額に下げ圧力が働くこともあり、上で書いた金額あたりに今後落ち着くんじゃないかな、という考えです。

さらなる所感

もちろん、全ての資金調達が上の範囲に収まるとは思っておらず、例えばものすごい実績を持っている方であれば当然上振れする可能性があります。
また、事業アイディアやチームが非常に優れている場合も上振れする可能性はありますし、逆にもっと低い時価総額でオファーを受けることもあると思っています。
また、J-KISSなどを利用することによって時価総額の確定を(一応)先送りすることができるので、直近の経済状況が不透明な現況においてはその利用がさらに広がるということもあると思っています。

まとめ

色々書きましたが、時価総額については自分の中だけで決めるのではなく、ご出資元の方と腹を割って話すことが重要だと思ってます。
ただ、交渉に臨む上で自分たちの中である程度のイメージを持っておくことは重要だと考えるため、本稿を記した次第です。
ちなみにシード以降のファイナンスにおいては事業進捗次第なので、ここでは触れていません。

コロナの影響はすでに甚大ですが、将来における影響の大きさ・期間はまだまだ計り知れません。
しばらくは厳しい期間が続くと思いますが、チャンスにも変え得る大きいできごとなので、しっかり生き抜きながら良い事業を作っていけるよう僕もがんばります。

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ITベンチャー勤務後、2012年に創業 複数回エクイティ・デッドでの資金調達を行い各種事業を手がけ、 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ 2016年にフジメディアホールディングスグループに3.5億円でバイアウト 2019年、2度目の創業

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2012年に創業後、2016年にフジ・メディア・ホールディングスグループに約3.5億円でバイアウト。その後、再度創業を行ってからの思考や実情などについて書いていきます。

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