高橋劇場/「人生リハーサル」テレ東ドラマシナリオ

テレ東ドラマシナリオ応募用です。
abさんの「人生リハーサル」をもとに書きました。

登場人物

高橋良太(25)会社員。営業部

寺田和夫(49)会社員。高橋の上司

加藤翔(26)会社員。高橋の同僚

榎本みゆき(26)会社員。高橋の同僚

あらすじ

営業部の高橋良太(25)は上司の寺田和夫(49)に好かれておらず、面倒な仕事を押し付けられていた。

厄介な取引先に挨拶へ行かされた高橋は、上司から渡された手土産がきっかけで取引先を怒らせてしまう。帰社後、寺田から理不尽な説教を受けて疲れ果ててしまった高橋は自宅に帰宅後スーツのまま倒れ込むように寝てしまう。

翌朝高橋が目覚めると、ジャージを着ておりスマートフォンの日付は前日のままだった。違和感を感じながら出社すると、寺田から前日と同じ取引先に挨拶に行くように言われ、前日怒らせてしまった手土産を渡される。

これは失礼だと判断した高橋は別のお土産を用意し挨拶に向かうが、前日のことがなかったように対応される。顧客を怒らせてしまったことは高橋以外誰も知らず、周囲には高橋の咄嗟の判断のおかげで顧客に喜ばれたという事実だけが残った。

高橋は、自分だけ1日を2回過ごしており、1回目はリハーサル日で誰の記憶にも残らず、2回目が本番日であることに気づく。

リハーサル日にした失敗を翌日に活かすことで、どんどん営業成績を上げていき社内で一目置かれる存在となっていく高橋。
そんな高橋に興味を持った同僚の榎本みゆき(26)から食事に誘われて行くことになる。リハーサル日に、みゆきの趣味や住所、考え方を徹底的に聞くことで、本番日にみゆきの好みなどを完璧に当てていくが、当たり過ぎて気味悪がられてしまう。

翌日、出社した高橋は複数の女性社員、上司、同僚からストーカーをしている奴として見られてしまい注意や警告される。弁解のしようがない高橋は反論することもできずにただ黙ってつらい思いをする。

次の日、目が覚めると日付は変わっていない。ストーカー扱いされる本番日だった。もう一度詰問されることに耐えられない高橋は、出社せずに寝てしまう。(終)


シナリオの一部分

○オフィス

営業部と書かれた札がぶら下がった下で、パソコンに向かって作業している人の中に高橋良太(25)がいる。

営業部全体が見える席でふんぞり返って座っている寺田和夫(49)。

寺田「おう、高橋」

高橋「は、はい! なんでしょうか」

高橋、席から立ち上がり寺田の席に行く。

寺田「お前いま暇だよな?」

高橋「え、いや。あのなにかありましたでしょうか?」

寺田「今月まだ広中さんところに挨拶行ってねえからよ。お前代わりに行ってこいよ」

高橋「広中さん……あ、広中工務店さんのことですね。わかりました」

寺田「おう。あとこれ持ってけ」

紙袋を高橋に渡す寺田。

高橋「あ、ありがとうございます」

寺田「ばかやろう! これはお前じゃなくて広中さんの大好物の最中だ」

高橋「す、すいません! これ持って行かせていただきます」

寺田「ったく。まあこの最中があれば大丈夫だけど絶対に広中さんを怒らせるんじゃねえぞ」

高橋「は、はい!承知しました」

紙袋を持ち自分の席に戻る高橋。

出かける準備をしていると、隣の席の加藤翔(26)が高橋を見る。

加藤「あれ? いまから出かけるの?」

高橋「ああ、うん。広中工務店に挨拶行ってこいって」

加藤「うわ、まじかよ。気をつけろよ」

高橋「え? そんなやばいところなの?」

加藤「あそこの社長さ、めちゃくちゃクセがあって、なにかあるとすぐに社長にクレーム入れるんだよ」

高橋「ええ……そんなところなのか」

加藤「そうだよ。部長が行けばいいんだけど、もし社長にクレーム入れられて評価下がるのが嫌らしくてさあ」

高橋「そっか。まあ、俺は与えられた仕事こなすだけだよ」

鞄に荷物を入れる高橋。

高橋「じゃ、行ってくる」

加藤「とにかく怒らせないように気をつけろよ」

高橋「大丈夫だよ。部長から好物を預かってるしさ」

軽く手を上げて去っていく高橋を心配そうに見る加藤。

(シナリオの一部終)

以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?