D-yama

23歳男 不定期日記 少し哲学 少し感情 少し詩

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最近の記事

後に美談になるだろう今

後に美談になるだろう今は 何も先が見えないまま ただひたすらに、暗闇を走っている 杉並の路地裏の様な狭い道を 直進もできずに、立ち止まっては進みだすを繰り返す。 後に美談になるだろう今は  先のことなど何も考えないまま 抑圧された環境と、制約のある時間に抗うように 己の湧き上がるエネルギーに身を委ねて 後悔のない挫折と失敗を繰り返す。 流れる時の長さが加速していく中で 足跡のない自分に嫌気がさし 移り変わりのない日常が ココロに焦りと苛立ちを生み出していき、乾かしていく

    • 黒い軽バンに乗って

      古びた軽バンに、僕らの青春が詰まっていた。 ドアの軋む音が、忘れられない合図のように響く。 楽器や機材がぎゅうぎゅうに詰まって、先に始まるライブの緊張感で包まれている。 狭い車内がまるで僕らの宇宙だった。 夜の高速を飛ばして 窓の外には街の明かりが流れ星のように消えていく。 音もなく街が後ろに流れ去る。 仲間と笑い、眠りに落ちて、それでも音楽は止まらなかった。 エンジンの音がリズムを刻み、 タイヤとアスファルトがビートを刻み続ける限り、 僕らの夢は広がっていく。 小さな車

      • 俺、東京で就職するけん。

        乗り慣れた電車を今までに無い気持ちで乗る事は、とても不思議な感覚だった。 周りには見慣れた景色があるのに、自分だけ変わってしまったと言う錯覚の様なものが自身の中に芽生えた。 広島駅まで向かう途中の景色一つ一つには確かな思い出があった。 上京すると言うこと自体、自分から発生したものであって、第三者の意見が自分をそうさせたものではないとは言っておくが、自分を乗せて東京への道のりをたどる見慣れた鉄の箱は、煌びやかな景色とともに僕を知らないどこかへと連れ去る。 何にも形容しがたい高揚

        • 高校の時の彼女の

          校門の隣で待つ彼女は 僕の青春を彩った一人だ 部活が終わるのが遅い僕を 一人、ポツンと待っている 校舎の窓から見える彼女はとても愛おしく ずっと見ていられた。 セミの鳴いていた暑い日も 大きなマフラーを巻いていた寒い日も もう隣にいない君へ 元気に頑張っているといいな 今はもう互いに錆びついた記憶だろうから ありがとうね とだけ、言っておきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 高校の時の記憶は大学と違ってまた別のところにしまってあって、他の記憶とは思い出し方が違

          閃光

          一瞬の光を放ちたくて 一瞬のために全てをかけて 僕らは大きな光を放ったんだ 放った後は、誰にも見えなくなった。 深い海の底から光を見てる だけど僕らには大きな喜びが残って その光に照らされた人がいて その中で、確かに僕らは燦然と輝いていたんだ。 光は続いていく。 光の一部になった 光は続いていく。 僕らの光は鈍くなるけど。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕は大学時代にバンドしていて当時は何かを創り出すということや、表現をするということに没頭していた時期

          萌ゆる街並み

          夕日で萌ゆる街並みの 少年は一分一秒を生きている もう少しだけ、 あともう少し、 迫りくる時間に抗い一生懸命時をすごす 淡いオレンジ色の記憶 あの夕日にいったいいつからあっていないだろうか また会えるのかさえもわからない。 掬い上げた手からこぼれ落ちて 失うものなのだろう、きっと 戻れないよ 戻らないよ ブラインド越しの 夕日で萌ゆる街並み ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 俗に言われる社会人というものになった今、子供時代のことを振り返る扉のひとつに夕日がある。 少年の

          萌ゆる街並み