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アドラー心理学の受け入れ方と欠点

アドラー心理学を読んで、拒否反応が出た方はいませんか?

私もその1人でした。

嫌われる勇気を読んだ時は、これは受け入れる事ができないと途中で読むのを止めました。

ただ、それから何年か経ち改めてアドラー心理学を学ぼうといくつか書籍を読んで、アドラーの言いたい事が何となく分かって気がしました。

アドラーは解決するための心理学

アドラー心理学の根本はここです。

困っている人、苦しんでいる人を救うための現実的な心理学がアドラー心理学です。

これを前提にすると、アドラーの言いたい事が理解する事ができます。

アドラー心理学では、原因論ではなく、目的論を唱えています。

外に出るのが怖くて引きこもっている人は、外が怖いから引きこもっているのではなく、外に出たくないという目的を達成する為に外が怖いという理由を作っている、という論です。

原因論とは、外に出るのが怖いという理由があるから外に出られない、という分かりやすい論です。

目的論とは、外に出たくないから外が怖いという理由を作っている、つまり外に出たくない目的がまずあってそれを叶える為に外が怖いという状態を作っている、というなんとも受け入れがたい論です。

にわかには信じられません。

そもそも外に出られない人は、自分は本当は外に出たいんだ、でも怖いから出られないんだと言うでしょう。

でも、アドラーはそれを断固否定します。

外に出るのが怖いなら、そう思う人は全員出られないはずだと。でも、外が怖くても出られる人はいるじゃないかと。

なかなか受け入れがたいですが、アドラー心理学は解決するための心理学だという前提に戻りましょう。

ここをベースにすると、アドラー心理学を受け入れやすくなります。

アドラーが言うのはこうです。

外に出るのが怖いのは分かった。ただ、それが分かった所で外には出られないじゃないか、という事です。

原因論の欠点は、原因が分かった所で解決はしないという事です。

じゃあ目的論だとどうでしょうか?

外に出られないのは、外が怖いからじゃない。外に出たくないからだ。という事は、理屈上では外はべつに怖くないという事です。あくまで、外に出たくないという目的の為に作った理由だという事です。

つまり、外が怖いからという理由がなくなり、本当は外に出たくないという目的だけ強調される形になります。

ということは、後はその人が本当に外に出たいのかどうかだけという事になります。なかなか追い詰める心理学です。

でも、原因論のように本人を甘やかしません。その原因があるから仕方ないよね、で終わらせません。解決する為に本人を追い込みます。

アドラー心理学の欠点とは?

アドラー心理学では、解決するための心理学なので、問題が起こっていることの原因には、全くフォーカスしません。

あくまでも、目的論です。

解決する為にどうするか?です。

そして、ここからがアドラー心理学の欠点でもあります。

じゃあ、原因があるから問題がある訳じゃないというのは分かったと。あくまで、そういう目的があるから原因を作っているというのは理解したと。

でも、本当に問題を解決したいんだ、となった時にアドラー心理学ではどうするか?

勇気だと。

あとは、行動するための勇気だと説かれます。

そのためアドラー心理学では、その勇気をだす為に、自己決定性、目的論、全体論、認知論、対人関係論など色々な考え方があります。

ただ、それでも最後は勇気だと言うことになります。

励まされているようで、突き放される、なんとも微妙な感じです。

まだ、アドラー心理学について詳しくは理解できていませんが、概要は上記の通りです。

そして、色々あるアドラー心理学の考え方は、勇気をだす為の考え方です。

ただそれは、励ましの言葉などではありません。

あくまで臨床に則った実用的な論になっています。

しかし、それを理解し受け入れない事には、問題は解決できない心理学です。

どれだけ思考をアドラー心理学で一杯にしても、実際に行動する時の恐怖は解決できないという事です。

そうすると、もう少し色々勉強しなくても手っ取り早く心理的な負担を減らして行動できるものがないかと思ってしまうのが、アドラー心理学の欠点です。

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