嘉島唯
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平日の夕方、役所のトイレで泣いてしまった
この文章は、ツムラ#OneMoreChoiceがnoteで開催する「 #我慢に代わる私の選択肢 」コンテストの参考作品として主催者の依頼により書いたものです。 数年前にできたのであ…
「自分が普通の女子高校生だったら、って思うことはないですか?」との質問に対するセーラーウラヌスの解答の秀逸さ
先日「なぜ『セーラームーン』は、世界中の少女たちの胸を熱く燃やし続けるのか。大人になった今わかったこと」という記事を書いた。その際、原作を改めて読み直し、旧アニメを見返すことにした。あまりに膨大なので、ところどころながら視聴やら倍速で見ていたのだが、途中でかなりヒヤッとするセリフがあった。
美奈子(セーラーヴィーナス)が、はるか(セーラーウラヌス)に向かってこんなことを言うのだ。
思わず耳を疑
100万円が貯まったら、引っ越す
「学生のうちにやっておくべきことは、旅に出ること。社会人になるとそんなことできなくなっちゃうからね」
社会人になったサークルの先輩がそんなことを居酒屋で話していた。周りのみんなが「やっぱそうなんすかぁ」とありがたそうに話を聞いているのを見て、私も一生懸命頷いたような気がする。
27歳。私がわかったのは、そんなのは嘘だということだ。
社会人5年目になった私の目の前に広がるのは、茜色に染まった宍
平日の夕方、役所のトイレで泣いてしまった
この文章は、ツムラ#OneMoreChoiceがnoteで開催する「 #我慢に代わる私の選択肢 」コンテストの参考作品として主催者の依頼により書いたものです。
数年前にできたのであろう、白を基調とした清潔感たっぷりのトイレで、私は泣いていた。なるべく息が漏れないように、歯を食いしばり、顔を手で覆いながら涙が止むまでじっと耐える。めんどくさいヤツだと思われるだろうが、小学生の時からたまにトイレに閉
「ふるえるほどのしあわせ」ってどこにあるんだろう
「理想のプロポーズについてエッセイを書いてください」
このオーダーが来た時「難しいぞ」と思った。あまり自分の恋愛について考えたことがなかったからだ。
思えば昔からそうだった。幼い頃から異能力でバトルするマンガに熱狂し「私は戦いに行くんだ」と使命感に燃えていた。10代のときは生きること自体に疑問を持つ痛い子だったし、20代になってからは仕事一色でここまできてしまった。労働の世界でプレイヤーとして
14歳、サブカルへの目覚め
スカウターでも備えているかのように相手の戦闘能力を計る。同時に自分も同じまなざしにさらされていることを感じる。同じ柄の制服を来て、同じ教科書を開き、多分昨日の夜は同じテレビ番組を見ている。それなのに、教室の中には確実に序列があった。
男子だったらサッカー部にバスケ部、女子だったらバトン部が上位にあり、存在感と比例するようにカーストができている。華やかさも部活マジックも持っていない平民は、いつ貧民