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子ども時代に戻った日【法事で帰省しました】

アラフォーになっても、親戚と集まると子ども時代にすぐに戻れる気がします。NHKの連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、おじの勇ちゃんとるいちゃんの再会を見て、いなかで過ごした夏休みを思い出しました。

6月4日は、私の母の命日でした。七回忌の法要へ参加するために、私たちが暮らす沖縄県の竹富島から、2000km先の東京へ。小1の娘と2人で帰省しました。

実家の家族と母の兄弟(私のおじおば)やいとこにも久しぶりに会い、お墓参りと会食へ。

会食の席では、私たちが子どもの頃の話題に花が咲きます。

私の母は、兄3人の末っ子長女。

父と母は都内の百貨店で出会いました。

ともに地方から上京してきて、母は高卒で正社員、父は大学生。父の姉が大卒正社員として母の上司的な位置にいて、父は姉の職場にアルバイトとして来ていたそう。

そして、母の親友が母の兄と結婚しています。ややこしい。トレンディドラマのような、青春感のある職場だったようです。

母からすると、自分の親友と兄が結婚したということ。親同士がもともと知り合いだったこともあり、いとこを含む親戚がとても仲良くきょうだいのように過ごしていました。

小学生までは、ほぼ毎年母の地元・新潟県糸魚川市へ帰省していました。祖父母が早くに亡くなっていたので空き家になっていた母の実家を、みんなでピカピカに掃除をして、一週間ほど滞在するのが恒例。

海へ行き、星空を見て、親戚の家で美味しい野菜や海鮮をたっぷり食べさせてもらう。黄色いスイカを初めて見たときのインパクトが忘れられません。大人たちはよく飲みよく笑い、子どもたちは遊び回る。

末っ子長女だった母は、私を出産するときに里帰りをしています。

「あんたが生まれたときな〜、じいさんがいつも抱っこしてオムツ替えてたんだよお」

田舎のおじさんおばさんは、私が生まれたときの話を特によく聞かせてくれました。子ども心にむずむず嬉しい。

お盆の高速道路は渋滞が激ヤバで、片道最高12時間くらいかかった年もあったけど、今となってはそれすらも懐かしい。

「まだ◯ちゃんと一緒にいたい!帰りたくない!」

帰るときには、いとこたちと離れたくなくて親たちを困らせていました。最高の夏休み!

でも、母はよく「田舎にはもう住みたくない」と言い、ショッピングが大好きでした。

私が就職して、実家を出て長野県軽井沢にある寮に入ったときも「こんな周りに何もないところでかわいそう」と言い、思ったことをわりとすぐ口に出しちゃう人。

でも、小学生の糸魚川が原風景だったのか。私は地方での暮らしや自然が近くにあることへ知らず知らず憧れるようになったのかもしれません。(そして離島へ……)

母は「しず◯」という名前なので、友達や兄弟である叔父たちからも「しーちゃん」と呼ばれていました。

七回忌の会食で、酔っ払っていい気分になった叔父が

「しーちゃんのおかげで俺と◯ちゃんは出会えたんだよ〜。しーちゃんがキューピッドだったんだ」

と言い出しました。

それを呆れた様子でいなすおばさんと、「お父さん恥ずかしいからやめてよね」な、一人娘のいとこ。

身内の『あるある』の中に身を置くと、自然と子どものころに気持ちがかえっていきます。私は子どもの頃から、仲の良いおじおばたちの会話を聞くのが好きでした。

2時間以上の会食に、子どもは私の娘のみ。ずっと静かに食事を楽しみ、立ち歩くことなく、途中からは持ってきた漫画を黙々と読んでいました。

帰るときにおばが声をかけてくれました。

「娘ちゃん、ゆいちゃんの小さいときにそっくり。ゆいちゃんも集中力すごかったよね〜。しーちゃんが、『ゆいは本の世界に入ると話しかけても返事しない』って、よく話してたよね」

そうだった。いつもそう言われてたな。

なんでここに母がいないんだろうと思うと、ちょっと、いやかなり、切ない。

でも、私や弟たちのことを本当に小さいころから知ってくれている人たちと会って話すと、いつも実家な家族と話していたときとは違う角度のエピソードが出てきて楽しい。自分たちの記憶だけではない、周りの人の中の母の話も聞ける。

この場を用意してくれた父にも感謝です。札幌で生まれ、母子家庭で育ち、小3から新聞配達をしていた父。ぬくぬく育った私たちからは想像もできない苦労や努力をしてきた人です。母は私を産む前後に両親を立て続けに亡くし、産後うつみたいな状態になったことも聞いていました。父は私をおぶって仕事へ行ったこともあったとか……。

お酒をまったく飲めない&飲まない父は、田舎へ帰省したときもおじさんたちの輪にはちょっと入りづらそうで、いつも会食に飽きた私たち子どもを連れ出す役目をしてくれていました。

子ども心に、父がなんとなく居心地良くなさそうなのも感じとっていたなあ。今思うと、こんなこと考えてる小学生、やっぱりHSP高めなのかも。

三世代を描いた『カムカムエブリバディ』を見て、両親や祖父母の若い頃を想像していたので、七回忌の場に行けてよかったなあとしみじみ。

しかも、前出のおじの名前が「勇」。カムカムで勇ちゃんとるいが再会したときの田舎の親戚のおじちゃん感が、おじを思い出させてくれました。

東京滞在は2泊3日だったけれど、充実した気持ち。帰りの飛行機で隣で眠る娘を見て、私も目をつぶって帰りました。

子どもたちを連れて、糸魚川へも行きたいな。

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