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My Mythology ~新話de神話~

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#仏話de神話

〘新話de神話〙 ~目次~

〘新話de神話〙 ~目次~

【神話創作文芸部ストーリアについて】
部長 矢口れんとさん
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〖目次〗
 ✭部活動の記録
 ✬個人活動の記録
◉参加方法・要項・注意点など大切なお知らせ
創部 覚書【note神話部の趣旨】
参加要項・注意事項

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〘 新話de神話 〙◉お題de神話

202311『馬/神の馬』
202310『収穫/穣かなる』
202309『杖/

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〘お題de神話〙 穣かなる(ゆたかなる)

〘お題de神話〙 穣かなる(ゆたかなる)

 
 
 
 華麗に舞う姿に目が釘付けになる。

(……これは夢か……)

 その時、心は決まった。



「お前はいつも歌ったり踊ったり元気だな」

 背後からの声に少女が振り返った。声の主が見知った仲の相手と認め、花よりも美しい顏がほころぶ。

「一緒に踊らない? 多聞」
「冗談はよせ。おれに舞踏など出来るわけなかろう」

 多聞と呼ばれた大柄な少年が眉をしかめた。

「今のは大祭で披露する

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〘お題de神話〙 御魂の音──たまのね

〘お題de神話〙 御魂の音──たまのね

 
 
 
 シャン ────!

 涼やかでいて凛とした音が辺りの空気を震わせた。

「なんと言う音色……」

 比丘十八物のひとつとされるその杖は、頭部の輪形に遊環と呼ばれる輪が通され、揺らすと都度音が鳴る。

「その音を聞くだけで満たされた心持ちでございます」

 道端に伏した民人は、姿が見えなくなり、音が遠ざかっても、まるで聞こえているかのように手を合わせていた。

(この錫杖の音を聞いて

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〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ7

〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ7

 
 
 
 無理やり年内に、しかも神話部の企画のまとめ前に終わらせた『異聞・阿修羅王』でしたが、もう、妄想炸裂で大満足でござりまする_(_^_)_

 だが、しかし──。

 9ヶ月も書いてたとか……(←しかーも! 部長に言われて初めて気づいた)

 序1・2話
 本編32話
 結1〜7+終

 うん、全42話www

 安定の長さw 妄想だけでここまでデタラメ書くかww まあ、いつものことです

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〘異聞・阿修羅王/終序〙邂逅

〘異聞・阿修羅王/終序〙邂逅

※結7の続きです。
 
 
 
 新たな季節のおとずれ。

 花咲き乱れ、鳥がさえずる須彌山の春。須彌山の季節は、そのまま人界に反映される。

「おい、お前」

 塀の隙間から邸内を覗いていた大柄な少年は、背後から突然かけられた声にびくりと反応した。

「そこで何をしている」

 恐る恐る振り返り、少年の驚きはさらに強まることになった。

 立っていたのは、少女と見紛う華奢な姿の少年。歳の頃は同じ

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〘異聞・阿修羅王/結7〙弥勒の覚醒め

〘異聞・阿修羅王/結7〙弥勒の覚醒め

 
 
 
須彌山を包む光が
仄かになる頃
世界では日と月が
それぞれの場所で
姿を現すだろう

 弥勒(みろく)の覚醒(めざ)めと共に



 廊下の片隅で倒れていた乾闥婆(けんだっぱ)は、遠くの爆音で意識を取り戻した。

(……む……気を失っていたか。あれから如何ほど経っておる……?)

 力を入れると、動けるようにはなっている。

「……くっ……」

 とは言え、まだ身体の半分以上が目覚め

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祝☆note神話部一周年記念座談会

祝☆note神話部一周年記念座談会

※)ひどい出来とは言え、完全にすーさんに感化されてマスw
 
 
 
悠凜「あ、あ、あ~……本日は晴天なり! テステス! チェック・ワン・ツー! はい、マイクOKです!」

?1「……あいつ、何でマイクテスト全部言った?」

?2「さあ? 本人に訊いてみたらどうだ?」

?1「……いや、いい」

悠凜「さて、では、そろそろ始めますかね……本番、行きマース!」

■□▪▫■□▫(開幕)▪■□▪▫■□

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〘異聞・阿修羅王/結6〙阿修羅と雅楽

〘異聞・阿修羅王/結6〙阿修羅と雅楽

 
 
 
 もはや、何度目かわからぬほど繰り返された刃(やいば)の交わり。

 だが、それは物理的な押し引きとは明らかに異なっていた。その場を支配していたのは、闘うことを主とした摩伽(まか)と須羅(しゅり)──二人が内に秘めた力の凌ぎ合いである。

「舎脂(しゃし)をここに連れて来るがいい……あれに須彌山(しゅみせん)の最期を見届けさせよ……!」

 半眼とは言え、額の第三の眼(まなこ)が開いた

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〘異聞・阿修羅王/結5〙よみがえる記憶

〘異聞・阿修羅王/結5〙よみがえる記憶

 
 
 
 弥勒(みろく)の覚醒(めざ)め──遥か数億、数十億年過去に『入眠』した弥勒が、ついに覚醒めの時を迎えようとしている──その事実の意味するところを、本当に識っているのは須羅(しゅり)だけ、と言って良かった。

 ただ、摩伽(まか)にとっては、到底、納得が行くものではない。

 忉利天(とうりてん)を、須彌山(しゅみせん)を、統べる身でありながら、己は蚊帳の外にいたのだから、それも無理か

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〘異聞・阿修羅王/結4〙刻限

〘異聞・阿修羅王/結4〙刻限

 
 
 
 須羅(しゅり)と剣を交えながらも、摩伽(まか)の脳裏からは須羅の言葉が離れなかった。だが、攻撃の速さはさらに増しており、思考に集中する暇(いとま)がない。

(おれが須彌山(しゅみせん)を……何故(なにゆえ)だ……! いや、おれに須彌山を破壊させんと、謀っているに違いない……!)

 皮膚すれすれを過る風圧。

 日輪刀からは灼熱を、月光刀からは凍気を感じ、触れれば切れるだけで済まな

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〘異聞・阿修羅王/結3〙須彌山

〘異聞・阿修羅王/結3〙須彌山

 
 
 
 切っ先を突き付けた摩伽(まか)と、突き付けられた須羅(しゅり)は、微動だにせず、ただ睨み合った。

「フッ……このおれに教えてやるなどと、相変わらず口の利き方を知らぬ奴よ」

 須羅の方は笑みさえ浮かべており、本当の意味で『睨み合って』いる訳ではない。だが、場の空気としては間違ってもいない。

「……良かろう。おれも乾闥婆(けんだっぱ)に免じて、聞いてやるとしよう」

 譲歩の姿勢を

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〘異聞・阿修羅王/結2〙隠し事

〘異聞・阿修羅王/結2〙隠し事

 
 
 
 つい、と演舞の型のように、須羅(しゅり)は爪先を摩伽(まか)に向けた。

「お前にもわかっておろう? この須彌山(しゅみせん)に限界が来ていることは……」

 摩伽の片眉が反応する。

「限界が来ているから破壊し、消し去れと言うか……? そのようなことを言うておったら、何もかもを、そうせねばならぬではないか」

「壊れたものは直す、出来なくば新たに作る、人と違い、肉体が劣化すれば代替

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〘異聞・阿修羅王/結1〙真の力

〘異聞・阿修羅王/結1〙真の力

※異聞・阿修羅王32 の次話ですが、時系列的には 序1・序2 の続きになります。
 

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 右手に持つは日を司る日輪刀。

 左手に持つは月を司る月光刀。

 左右に腕を大きく広げた阿修羅王──須羅(しゅり)独特の構え。

 その不思議なまでの美しさ、艶やかさに、これまで幾度となく見て来たインドラ──摩伽(まか)でさえ、思わず心の中で唸った。同時に、今

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