貝を拾ってタダで生きてみようと浜を歩いたら。
「春三月、村人たちが海岸に下って必ずこのビナを採った。必ずというのは、もしこの時期のビナを採って食べなければ、ヒトはみな巨大なウジムシに変身してしまうと信じられていたからである。」
というのは、最近読み始めた水俣病に関する聞き取り本の一説である。
ちょうど貝を拾いに行ってすぐ後に読み、面白おかしく最後は安堵した。今年はウジムシにならずにすんだらしい。
数日前の午後、ふと思いつきで潮の引いた15時過ぎに貝拾いに出かけた。
熊本と鹿児島の県境にある境川の河口に、いつも散歩で出掛