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【小説】もうすぐ改革が始まるよ

2024/09/10 15:29
「うむ。もう今回の改革にあたって、確認事項はないようだな。それより、これから実権を行使する!!!」
狭い会議室の中で真家原沢慧総理大臣は勇ましく立ち上がった。
「と言っても……😁これから私は国民の代表ではなくなり、国民が国民の代表となるがな♪ 行使を完了次第みんなで盛大に祝おうじゃないか!!! 国民の平和を願ってな!!!」
真家原先生の言葉に、各員はサッと立ち上がり、「はい!! 真家原先生!!!」と合唱した。

今回の法案
有害なコンテンツが一掃される。
世界中が平和になる。
国民を苦しめる勉強や仕事はなくなる。
(以上)
【備考】H◯KAKIN代表は新しく会社を作りクリエイターとしての責務を全うする。

新山家の父と母

弘史「やぁあ……まだコンテンツを作り続けていきたいよ」
桜「でも、これからお金も貯まるんだし。そうだっ……‼︎ これから家族で旅行にでも行きましょうよ?」

弘史「えー? オレしばらく休みたぁい。お金も貯まるんだし」

昭和の家庭にありがちだった、休日に休む父とはまさに弘史のことかもしれない。

ふたりは都営大江戸線に乗って家まで帰るところだった。そんなふたりは真家原の動きを上司からとっくに報告されていた。

仕事納めの飲み会は3日前にとっくに行われていた。楽しく、この仲間と働けたことを光栄に思う飲み会だった。

桜「旅行行きたいなぁあ✈️ 山梨とか、熊本とか、長崎とか♪」
弘史「女性は元気だなぁ。オレは寝たいよ」
桜「旅行の予定は私と子ども達で考えるから♪」
弘史「いや、けっきょく毎回決めるのはオレだろ???」
桜「そうかなぁ……? さてと、家族ラインに連絡しますか」

15:40 「おっすみんな♪😆」
15:41「仕事が終わって帰ってくんぞ??」

乙葉の返信は早かった。
「お母さん! お父さんも一緒?」

それに対して、母・桜は父とツーショットを撮る。元気で笑顔な桜とは対比的に、父は本当に眠そうだった。

桜「これからこのふたりで帰ってくるぞ♪」
桜「誰か、このふたりにも夕食をプリーズ!」

スタンプ:お願い♪

理央「部活もないので、これから急いで帰ってクリームシチュー作ります♪」
理央「帰ってきてくれて嬉しい、ありがとうございます♪」
スタンプ:ありがとー ゚゚(´O`)°゜゚

桜「まだ帰ってきてないぞ?😅」
桜「今電車です🚃」

竜也「理央お姉ちゃん、僕も作るの手伝うよ!」
理央「あなた作れるの?」
竜也「わかんない。」
竜也「でもジャガイモとか人参を上手に切って辰徳さんみたいにできる男になる❤️‍🔥」

乙葉(スタンプ)「がんばれ!」

桜「ふたりは多分学校だけど、乙葉はどこにいるの。」
桜「これから旅行の予定みんなで考えるから早く帰っておいで。」

乙葉「え? 旅行するの、」
乙葉「私今青城ちゃんちで一緒にアメリカ映画見てたとこ」

桜「ああ。ハリウッド映画のこと?」

乙葉「ううん、、ヘアバード大学で上映された特別な映画だよ? 芸術系の学校の生徒さん達が作ったの」

乙葉「東大は無くならないから、青城ちゃん卒業したらヘアバードに行きたいんだって!」
乙葉「ヘアバードって無くなるっけ?」

弘史「アメリカは学校がなくならないんじゃないかな。まだ治安が悪いから」

桜「そうかしら、学校に銃が持ち込まれてた話って昔の話だっけ?」

竜也「辰徳さんから聞いたんだけど、アメリカの治安凄く良くなるらしいよ👌」

乙葉「それマ?」
竜也「うん」

竜也「あと、ヘアバード行くのはヒトシさんが許さないと思うよ?」
理央「なんで? まさか学歴抜かされたくないからとかじゃないヨネ?(ほら、ヒトシさんと青城さんって仲悪いし……)」
竜也「違うよ、行くなら東大の大学院に行って欲しいんだって」
竜也「日本でしっかり学んでから世界いけってさ。」
理央「ふーん。言ってることお兄さんみたいだね」
竜也「インテリ組だし気が合うんじゃないの?(😅)」

桜「そいつは面白い🤣」
弘史「ヒトシくんってそんな過保護だったのか」
桜「小学生の頃から面倒見てるもんねぇ。」

あかり「みんな。仲良さそう😂」
弘史「あかりもたまには帰ってこいよ。なんか家族で旅行するらしいから」
あかり「えー? 行きたい。仕事があるけど」

会話はそこで終わった。16:11

「青城ちゃーん」
「何? 乙葉。ご家族と会話してたんでしょう」
「そだよーん。……その、ヒトシくんがね?」
「知ってる。大学院は東大にしとけ、って言ってるんでしょ?」
「そだよーん」

「納得させてみせるわ。かならず法学部を主席で卒業してね」

そして青城はヒトシへのラインを打ち始めた。
16:15「法学部を主席で卒業したら、ヘアバード大学の大学院に行くってことで良いわよね?」

返信は5分後に帰ってきた。
16:20「あなたが大学で本当に学びたいことが何なのか分かったらね?」

青城は少しイラついた。
ヒトシ「勉学を極めて良い仕事をするって道は、ほとんどなくなったわけだし」

ヒトシ「ま、ヘアバードで学びたいことが見つかったんだったら行った方が良いと思うけど、あなたはいちばんの大学だから行きたいだけでしょ😅それじゃ行っても後悔してばっかだと思うし。学ぶのも大変だよ? いくら天才でも」

青城(もう……何なのよこいつ!!)

青城「行きたいのがヘアバードだからって言うのじゃ何でダメなの?」

青城「昔からの憧れなのよ??? そもそもちょっと前まで、勉学を極めて良い仕事に就けるのは当たり前だったでしょ?」

ヒトシ「まあ、政府の改革が終わるまで待っててください。話はそれからです。学びたいことなんて、これから見つかるかもわからないし。まあボクからは、あなたが勉強できるからしてるだけのように見えるけどね?

青城「何ですか嫉妬ですか?」

ヒトシ「違いまーす♪」
ヒトシ「まあ少しは羨ましいけどね、ボクは勉強出来ない方だったし」

ヒトシ「勉強も愛してくれる人に勉強されたいって思うとボクは思うけど」

青城「意味わかんない!! 学びたいことなんて、別に学んでから決めればいーじゃない?」

ヒトシ「今2年生でしょ、進振りのことも考えてね?」

青城「もちろん私は法学部に行くわ。成績だってトップなのよ」

ヒトシ「それは少し羨ましいですね、、でもそれって選択肢があるってことでもありますからね?」

ヒトシ「そもそもあなたが法学部に行きたい理由って、まああなたのことだから文系の中でトップだから、とかかな?

青城「違います。学びたいことがあるからよ」

青城(そうだわ、和樹。今文1の和樹は弁護士さんになりたいからって言ってたわよね。それこれからどうなるのかしら。現状この人が一番頼りになるし、仕方ないわね。聞いてみるわ)

青城「和樹のことだけど、弁護士さんとか司法書士さんとかはこれからどうなるのよ」

ヒトシ「ああ……あの子も頭良いからね。東大にいるんだっけ」

青城「そうよ。忘れたの?」

ヒトシ「思い出しましたよ。えっとね?」

ヒトシ「基本的にはどの仕事も、AIやロボットに任せっきりになるから……弁護士や政治家、検事や警察、司法書士などの仕事も奪われるんじゃないかなぁ」

ヒトシ「キミたちはそーいう時にあえて勉強するんだから、ちゃんと考えて下さいね?」

青城「分かってるわよ! でも混乱するわ! それで、これから日本の大学がこれからなくなるにしても、東大のカリキュラムとかはどうなるのか。教えて欲しいのだけど」

ヒトシ「そうですねぇ。ところで、学びたいことがあるから、じゃないんだっけ? 何で混乱してんのかな?

青城(もう、この人は😓揚げ足取りばっかり。。)

青城「勿論! 日本の法律が出来た仕組みについて学びたいのよ! それから、世界がこれからどうなるか、より良くしてくためにはどうするかもね!! ただそれを活かす仕事が少なくなるから混乱するってだけよ!」

ヒトシ「心配事がなくなったからボクはもう会話降りるね。バイバイ👋」

青城「あー😅はいはい分かったわよ」

ふたりの会話はそこで終了した。
(なう 16:54)

乙葉は「仲良いんだね♪」と微笑んだ。
「仕方なく仲良くしてるだけだわ。ほんと気が合わないんだから」
「乙葉ちゃんはクリームシチューのために帰ります!! ではまったな〜♪」
「じゃあね、乙葉ちゃん♪」

「青城ちゃん、ご飯とかどうしてる? 一人暮らし始めたばっかだけど、ちゃんとあったかいもん食べれてる?」
「ちょっとご飯も炊いてみて、レトルトカレーとか作ったりしてるわ」
「心配なさそうだね。じゃあ帰るね」
「はーい。ねぇ、乙葉は今後どうするのよ」

「家族旅行とか行くぴよ」
「へぇえ良いわね。私も和樹と彩子さんとたまには旅行に行ってみようかしら。大学の……そうね、冬休みとかあったら」
「😆ノルウェーとかいんじゃない? クリスマス🎄🤶♪」
「適当言うわね(笑)でも北国はだいぶ寒そうだわ」
「じゃああえてグアムとかどうだろう?」
「そうね……まだ何も決まってないわ」

17:00(5時の鐘が鳴る)

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