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【相場観】防御を更に固める(24/7/14)

【大局判断】
●株・景気・金利・為替サイクル
株価サイクル 上昇相場(1年9ヶ月経過:安値22/10)
景気サイクル 好景気(4年3ヶ月経過:不況終了20/4)
金利サイクル 横ばい(12ヶ月経過/FF5.25%~5.50%)
為替サイクル 円安ドル高(7/11為替介入)

●景気サイクル 拡大期
米国GDP +1.3%
新規失業保険申請件数 222k
米国雇用統計 非農業部門雇用者数206k失業率4.1% 前月比平均時給+10¢(+0.3%)
米国ISM製造業指数 48.5
米国ISM非製造業指数 48.8
米国小売売上高 +0.3%
米国個人消費支出(PCE/CorePCE)2.6%/2.6%
米国消費者物価指数(CPI/Core CPI) 3.0%/3.3%
米国消費者信頼感指数 100.4
ミシガン大学消費者信頼感指数 66.0
米国住宅着工件数/建設許可件数 1277k/1386k

総評:ISM両指数が再び50割れ、CPIは前月比でマイナス、失業率4.1%は依然として歴史的低水準も上昇トレンドに

●株価サイクル 業績相場
S&P500 上昇局面
NASDAQ 上昇局面
S&P500はPER21.4倍(5年平均19.3、10年17.9)
高い水準だが政策金利が横ばいであること、これから高いEPS成長が見込まれることから極端な割高とは言えない。仮にAIバブルとなるならば、ITバブル期と同様に激しいPER拡大が起こるかも知れず、PER水準を理由に弱気になってはいけないと考える。景気・企業業績・生産性が拡大しているかどうかがより重要だと考える。

<メインシナリオ>
ソフトランディング?景気後退?

⚫︎金利サイクル的に次に来るのは景気の腰折れ。にも関わらず経済指標は強さを保っている。しかし、消費関連株の決算が冴えないこと、クレジットカードの焦付きの上昇トレンドが止まらないこと、FRB議長からのメッセージに利下げが混ざり始めていることから、目先の景況感は不透明感が漂い始めた。

⚫︎AIブームを牽引しているのはGAFAMの設備投資である。GAFAMがAIによって業績を伸ばし、株価が堅調であるならば投資家は高水準の設備投資を許容し続けるはず。GAFAMのAIビジネス(AI課金・クラウド部門)が堅調であるか、株価が堅調であるかがブーム継続の大きなカギである。

⚫︎インフレは3.0%まで低下した。粘着質だったサービスインフレも低下した。賃金インフレは続いているが、WSJのFED番であるニック・ティミラオス記者の記事(https://www.wsj.com/economy/central-banking/jerome-powell-senate-testimony-july-b7805d54)によるとFRBは賃金インフレを心配していないという。インフレよりも米景気への注意が必要。

⚫︎FACTSETによるとSP500のEPSはこれから高い成長を見込む。24年は+11.3%、25年は+14.4%成長を見込む。今後の決算で数値が変化するか注目。

⚫︎上昇相場は3-15年続く(平均8.9年、平均+468%上昇)が今は1年9ヶ月。未だ若い。

⚫︎不況は大抵10年に1回やってくるが、今は4年3ヶ月。好景気も若い。

⚫︎2020年3月、2022年10月と立て続けに株は暴落していること、経験則的には-20%を超える大幅調整は10年に1回程度しかこないことを考慮すれば、今すぐ暴落がやってくるオッズは低い。

⚫︎ソフトランディングが実現した1995-2000年、SP500は+220%上昇。為替は+70%円安に振れた。

<点検ポイント>
AIによる生産性向上(AI導入による余剰人員のリストラ・AIによる企業業績UP等)、GAFAMの株価・設備投資、個人消費、CPI推移、原油価格、長期金利

<結論>
強気

【一年の見通し】
大統領選サイクル 4年目(2番目/4に強い年)
1月相場成績 プラス
金利動向 やや下落かほとんど横ばいが続く
業績動向 拡大へ
注目イベント 11月大統領選挙

<見通し>
景気は底堅く、金利は利下げフェーズ、業績は強い。ゆえに一年を通じて相場は高いと予想。1-3月は相場は高かった。これは現職の大統領が勝つ典型的な値動き。この場合、4-5月がスピード調整になる場合が多い。8月まではサマーラリーが期待できるが、すでにかなり上昇したため、上値はあまり期待できない。選挙直前の9-10月は調整する確率が高いが、大統領選投開票日1-2週間前からは年末にかけて高いと予想。

【7月の見通し】
アノマリー 強い
注目イベント FOMC(7/31) 決算シーズン
投資スタンス キャッシュポジション高め

【来週(7/15-7/19)の見通し】
注目イベント 決算シーズン
意見 キャッシュポジション高め

【現在の投資態度】弱気
CPI下振れにも関わらず相場は下落した。考えられることは景気後退への懸念である。ナイキ、デルタ航行など消費関連株の決算は冴えなかった。JPモルガンの決算ではクレジットカードの焦付きが上昇トレンドに入っており、それが四半期ごとに率がスルスル上がっている。FRB議長はリーク記事にて賃金インフレへの警戒を解いた。高金利政策を長く続けたことによる景気後退へのリスクに備えていると考えられる。これからの決算シーズンでは消費関連株の動向に注意を払いたい。

一方でAI投資は堅調に推移している。TSMCの月次売上高も高い前年比成長率を出している。つまり、米景気は二極化しており、個人消費に陰りが見える一方で、AI設備投資は活発なのである。AIブームに変調が起きていないか、GAFAMやAI半導体関連企業の決算で確認したい。

エヌビディアやTSMCなどのリーダー銘柄にベアリッシュ・リバーサル(天井サインの一種)が出現していることから相場は短期的な天井にあるという判断を維持する。現金ポジションをキープしたい。

次のFOMC(7/31)で利下げが仄めかされるかどうかに注目する。米国経済が弱まってきているならば、何らかのシグナルがあるはずである。その場合、利下げによる日米金利差の縮小が意識されることとなり、為替は円高に振れるかもしれない。7/11に為替介入が入ったことからFOMC(7/31)までにスルスル円安が進む可能性は高くないと考える。ゆえに待機資金は全てドルから円に換えて保持する。

<注目セクター>
AI関連株

<現在のPF>株0%/現金100%
[コア]
なし
[サテライト]
なし

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