貯金ゼロから二回起業した人の金の話①

金の話をしたい。

世の中は金の話で溢れている。
大金持ちの贅沢な暮らし、貧乏人の貧困問題、給料格差、節約方法、副業情報、おすすめ金融商品。

私は、両親が借金で追いつめられていく中で、そのあおりを食らうように大学進学もできなかったし、家庭内暴力の時期もあって単身家を飛び出したり、その後PTSDになったり、ひどい目にあった。
ひどい目にあってもまあまあ立ち直った頃に、「明日までに50万円払わないと家を取られる」と母から電話があった。

ああ、逃げられなかったんだ、と悟った。

この世には、これほどにお金の情報が溢れているのに、お金で失敗する人は後を絶たない。
お金のために生き、お金の為に死ぬ。

それしかないと思っている。

借金苦に陥って毎晩包丁を振り回す家庭に、お金のない豊かな暮らしを説ける者がいるなら、そいつは猛烈なバカかダライラマか何かだろう。

みんな、お金の為に生きている。

だから、ちょっとお金の苦労がなくなると、何のために生きているのかわからなくなったりする。

私は、そこから抜け出そうと思っている。というか、抜け出すきっかけをはっきりとつかんだ。
それは、自分でビジネスを起こすという事だった。
いや、もっと言うなら、自分で金を使うという事だった。

実家の借金から逃げ切るために、私は商売を始めた。
それが、最大の転機だった。

金を誰かからもらうのではない、自分で使うのだ。
ビジネスを起こすという事は、自分で金を使う事に他ならない。みんな勘違いしているみたいだけど、ビジネスは人からお金をもらうというターンは一番最後なのだ。最初はとにかくお金を使う。
だから、みんな最初に貯金したり融資を受けたりするのだ。

だが、私は金を誰かから借りたり貯金している暇はなかった。
だって借金はもうそこまで来ている。
そんな借金まみれがさらに借金を重ねる(融資を受ける)のはどう考えてもおかしいし、貸すほうもないだろう。
貯金はまずできない。生きているだけで金など残らない。

それでも、起業する事は簡単にできたのだ。

私は、別にファイナンシャルプランナーでもないし、有名な金融機関で働いていたお金のプロでもない。
だが、今の世の中、そういう「お金のプロ」の作ったお金のコンテンツが多すぎる。それが多くの無知なお金に苦しむ人を増やしている気がしてならない。
だって、しょせんお金のプロは、金融商品という誰かの商売のためにいるのだから。もっと泥水に近い金の使い方など、銀行も金融機関も教えてはくれないに決まっている。

私は、すごくいいたいことがある。

金は、少なくてもいい。少なくてもいいが、きちんと使うのだ。

自分の金を使ったものが、さらに大きな金を得るチャンスを得る。
昔から言うけれど、節約して貯める事や、他人からもらう事だけを願っている人に金は回ってこない。が、それがどういう事なのかは、ただ給料をもらって生活している人には学ぶ機会が少ない。

私は、自分で商売を始めた事で、金の使い方を学んだ。
世の中で言われている金の在り方とは少し違ったし、言われている通りだなと思う事もあった。
大金持ちの言い分ははっきり言って全然役に立たないし、貧乏人向けの節約ファイナンシャルプランナーのやり方も、全く役に立たなかった。
自己啓発系セラピストの言っている事も、まあ読み物としては面白いけど結果にはつながらない。

現時点、大金持ちになったかというと全然そうじゃないんだけど、ゼロから始めてビジネスを動かしてホバークラフトかと思う低空飛行だけど、きっちり落とさずに飛ばしている。

自分のやり方がいいというつもりはないが、あまりに世の中で言われていることがおかしくて、心の中では生卵をぶつけてやりたいと思っている。

その心の生卵を、ここに並べてみようと思う。

(つづく)

#cakesコンテスト  


つよく生きていきたい。