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引きこもりが「引きこもり」と言われない時間を過ごして見つけた本当の自分③

この投稿は、生粋の引きこもりの私が、引きこもっても怒られない数か月の自粛期間を通して、私はなぜ引きこもりになり、今も引きこもりであり、今後もこのまま引きこもるのか。と、引きこもりの生態系について思いを馳せた観察日記です。今回は第三章。

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お久しぶりになりました、みんな元気かな?

全6回にわたってお届け予定の、この引きこもり観察記録。

自分の中でちゃんと答えを見つけて書かなきゃ!と思うほどに
「本当に伝えたいことが書けてるのかな…」と不安になってしまい、お久しぶりになってしまいました(言い訳)

ぜひ振り返りも兼ねて、過去の2回分、読んでもらえたら嬉しいです。
今までの投稿はこちらから!

前回までのあらすじ

■ 私には「鎖国タイム」という、気力がなくなり、コントロール不能な、何もできなくなってしまう時間が定期的にあった。
 原因はどうやら「ミュージシャンとして大成せねば!という焦り」から、いつも「時間を無駄にすることの恐怖」があって、自分のキャパ以上の生活を続けて心と体がオーバーヒートしていたから。と気付いた。

■この何か月かの自粛期間中、今まで立ち止まることができずに早まり過ぎてしまった生活のスピードを落とすため「食べる」「寝る」「選ぶ」を丁寧にすることで、安心して生活できる、自分に合った生活のペースを取り戻す方法を見つけた。

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だけど、私はここでまたあることに気付きます。

音楽と出会ってから、私は時間に追われてパンクするようになった。

いや。本当にこのサイクルは音楽と出会ってからできたものなのだろうか。

よく考えたら、私の引きこもり人生のスタートは8歳にさかのぼる

小学生の時も、中学生の時も、高校も大学生の時も「鎖国タイム」は形を変えてずっとあった。

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そもそも、いくら音楽を頑張りたいとはいえ、心と体に勝手に鎖国させてしまうまで、なんでそんなに自分を追い込んでしまうのか。

自分の限界値メーターに気付けず、自力ではどうにもできなくなって初めて、心のSOSや体のSOSに気付く。

いや、今まではそれすらも気付いていなかった。

「鎖国タイム」がやってくる度に『この時間をなくすために、もっと自分を管理して、鍛えて、ちゃんと生きられる人間にならなければ』と、むしろ更に焦っていた。


 この「壊れてもなお、自分を追い込んでしまうドM体質」になってしまった原因を突き止めなければ、たとえ「音楽への焦り」や「時間の呪い」がなくなったところで、きっと私はまた別の理由で「鎖国」してしまうに違いない。

何とかしてこのエンドレスパンク体質から脱却するためには、もっともっと根本的な私の性格にフォーカスしていかなければならない。

今回はそんな私のドM体質の根幹を作った10代を思い起こして引きこもりの生態に迫っていきたいと思います!

この話は、一人の引きこもりの自分観察日記です。
色んな意見、色んな生き方があっていいと思っているので、あくまでも「一つの経験談」として受け取ってね。
でも、この「あくまでも一つの経験談」が、あなたの明日をちょっと楽にする、何かのヒントになったらいいな。

▼8歳の引きこもり誕生

小学校2年生になる頃、「転校」をした。

元々親が転勤族ということもあって、小さいころから何年か単位で引っ越しを重ねていたけれど、物心ついて、色んなことが自分で認識できるようになってからは、これが初めての「新しい環境」だった。

引っ越す前暮らしていたのは、地元でも割と都会にある場所で、学校も子供たちの雰囲気もとても積極的な、活発な子たちが多い学校だった。
そこで4歳から7歳までを過ごした。

転校した先はそこに比べるともっと「素朴」な場所だった。

毎年何人もの転校生が、入れ替わり立ち代わり出入りするような元の学校に比べて、転校先の学校は6年間で1人か2人。
授業中、全員が手を挙げる中、手を上げなければ引け目を感じる元の学校とは違って、転校先の学校は手を挙げると「目立ちたがり」と言われるような空気があった。(気がしていた)

どっちが良い悪いの話ではない。

子供の私にはその違いがよくわからず、元々いた学校で習った常識しか知らないまま、それを持って文化の違う学校に突入してしまったということ。

当然「あいつは出しゃばっている」という風になり、友達の輪に入っていく方法がわからなくなった。

だけど、私からしたら周りのみんなに嫌われていく原因が理解できない。

何か悪意があって接しているわけでもないし、ただ「そのまま」の自分が受け入れられないことがだんだんと不安になっていった。
『自分は何か人よりも劣っていたり、そのまま生きていることで人を不快にさせているのではないだろうか』と思うようになって、一つひとつの行動が怖くなった。

きっと被害妄想みたいな部分もあったと思うけれど、確かにそこには何か掴み処のない、得体のしれない「疎外感」がずっとあった。

先生や周りの友達が考えていることやちょっとした変化が異常に気になるようになった。
全員に嫌われないように気を使いだしたら、なんだかぐったり疲れてしまうようになった。

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余談だけど、最近話題の『HSP』という言葉を聞いたことがあるだろうか。

Highly Sensitive Person

繊細さんとか、敏感すぎる人とかそんな言葉でよく言われる。

何年か前に本屋さんでHSPに関して書かれている本を見つけて、
これだーーーー!と思った。

先日、日本テレビの「世界一受けたい授業」でも取り上げられたようなので拝借。


病院で診断されたわけではないけれど、きっと私にもこんな節があると思う。

音が気になって寝れないから家じゅう音のしない時計を使ってるし、人の目の動きとかしぐさで何かを欲している、とかが大体わかる。
本人が忘れているような「前髪数ミリ切った」とかも何となく気付く。

自分にとっては当たり前だったけど、何かがおかしかったことが、こういう言葉のおかげでちょっと居場所を見つけたような気がしてホッとするから不思議。

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そんなわけで、そういう体質も相まって、とにもかくにも人の心を敏感にキャッチして、嫌われないように細心の注意を払うようになった。

今回は引きこもりにフォーカスしたお話なので、不登校に関しての細かい話はまた今度にするけれど。



そうやっていくうちに、何が正解かわからなくなって、すっかり私は自分に自信を失った。

何か大きなミスをしたりとか、思い当たる節がないぶん「普通に生きることが人を不快にする」という、自分ではどうしようもない状況に、何を直したらいいのかもわからずほとほと困ってしまっていた。

学校に行けば人の気持ちが気になって、自分から出る行動や言葉の一つ一つが不安で、ぐったり疲れて、次の日は動けなくなってしまう。

そんな風にして8歳の引きこもりは誕生していった。


▼神頼み

周りの人よりも劣っているから、私はみんなに嫌われるんだ。
みんなが普通に行ける学校にも、人よりダメだから行かれないんだ。

とずっと思っていたから、
そんな私が社会で人に嫌われずに生きていくためには、もっともっと人間として成長しないといけない。
そうしたら、みんなと同じように生活できるようになるはずだ!と思っていた。


10歳くらいになった時、私はあることに気付く。

人は何か大変なこと、辛いこと、苦しいことがあると、それを何とかしようと一生懸命努力する。

その分、普通に生きているより何倍も速いスピードで人として成長したり学んだりすることができる。

そうか!
人よりも早く成長するには、人よりもたくさん苦労すればいいのか!


そしてお仏壇に手を合わせて、こんなお願いをするようになった。

神様仏様ご先祖様。
どうかたくさん苦労させてください。
辛い環境に置いてください。
その分、人として成長させてください。
ちゃんとした人間にしてください。

とにかくそれだけを、すがって祈っていた。

ちょっとヤバイ小学生だと思う。(笑)


とにかく、変わりたかった。自分を変えたかった。
嫌われない人になりたかった。


▼自分を知ること

こちらも病院で正式に診断されたことはないけど、アスペルガー症候群の節もあるんじゃないかと思ってる。

ここに書かれている内容のなかにも、めちゃくちゃ心当たりがある。(笑)

カタカナの「マ」と「ム」は大体どっちかわからなくなるし、実は「右」と「左」もよくわからないから、頭の中で1回、箸を持つイメージをして思い出すときもある。最近はだいぶマシになったけど。
100-86とかの計算も暗算だとできない。
これは今も(笑)


1つのことに集中しだすと平気で10時間くらい過ぎてしまっていたりすることもザラにあったり、エネルギーが高まりすぎると、行動も気持ちも止めることができなくなってしまうことが多々ある。

そういう時は大体、体が先に悲鳴を上げる(笑)

そういうせいもあってか、中学1年生の夏休み前に部活を頑張りすぎて、1か月で体重が7キロくらい減って、全く朝起きられなくなって、なのに夜寝られなくなって、気付いたら「起立性調節障害」という病気だと診断されていた。

以前、ご一緒にトークライブをさせていただいた田中大介先生の本もあるので、良かったらチェックしてみてね。

結局それで病院に入院して、それだけが原因じゃなかったけど約3年弱は入院しながら隣の病弱養護学校に通って、中学校は最終的に「養護学校卒」になった。


そもそも、HSPとかアスペルガーとかそんな傾向がある中で(だからかもしれないけど)仏壇では「変わりたいから誰よりも苦労させてください」とお祈りし続けている自己嫌悪と向上心のお化けみたいな性格なのだから、そりゃ、心も体もぶっ壊れる。


だから私は、「意図的に休む」ことが大事なんだ。

いろいろ思い返して、30過ぎて、やっと気づいた。

コロナが教えてくれたんだな。


▼ 向上心と自己肯定のバランス

小学生の時に、心にすっぽりと入ってしまった「自分は人より劣っているから、何倍も努力しないとみんなと同じラインには立てない」という感覚。

脳の構造なのか、性格なのか、病気なのかわからないけど、1度そう思ってしまったら、自分が壊れて動かなくなるまで、とにかく徹底的にやらないと気が済まなくなってしまう習性

人の心の変化や感情や、相手自身も気付いていないような潜在的な部分までどうしても感じすぎてしまう感覚

そんな私の一つ一つの性質が絡み合って、子供の頃から、なんとか社会に溶け込んでみんなと同じように生きていけるように、自分を鍛えようとし続けてきたようだ。
それも、すごく強い気持ちで。


その都度、自分の心や体を壊し、更に自信を無くし、より一層自分は苦労して成長しなければ!と逆方向にストイックになり、もがき続けてきたこの20年だったんだということがわかった。

人に対して、負けたくない!みたいな気持ちはあんまり感じないけれど、自分に対しては、前日の自分より少しでも成長していることが感じられないと、すごく不安だった。
だから、大して頭に入っていなくても、机に向かって勉強している"ような"時間が精神安定剤としてすごく落ち着いた。

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自分の色々なことが、ある程度客観的にみられるようになった今、小学生のあの時お仏壇に祈っていた「成長するためにたくさん苦労させてください」は、間違ってなかったと思っている。

しんどいことはたくさんあったけど、その分、順風満帆に何事もなく生きてくるよりは、ちょっとだけ多くの色んな感情を感じてきた気がするし、人の痛みもすごさもわかるようになった。
こんな風にして、自分のこともよーーーく見つめるようになった。

大体のトラブルも「人生は珍道中」と思えるようになったし、何より、ちょっとしたことでも本当に本当に幸せに感じるようになった。

もう一度今までの20年を生きろと言われたらちょっと嫌だけど、もしまた生まれ変わったとしても、似たような人生を歩む気がする(笑)

向上心おばけでよかった。



でも、それと同じくらい今の自分を認めてあげることが大事なんだ。

それはここに来てようやくわかったこと。

自分の劣っている部分ばかりを見て焦るのではなくて、昨日よりできるようになった小さな1つをちゃんと認めてあげる。
その上で、明日できるようになっていたいことを、今日ちょっと頑張ればいい。

とんでもなく大きな目標や、置かれた事情・環境の違う他人と照らし合わせて足りない部分を悲観するのではなくて、誰かと比べずに、自分の足で着実に進んだ1つ1つにちゃんと目を向けてあげる。

向上心と同じくらい、この自己肯定が大切だということをこの自粛期間は大きく教えてくれた。

人間は、このどっちが欠けても成長していくことはできない。
きっと、幸せにもなれない。



時には、誰かのせいにしたり、不満を言ったり、自分を必要以上に哀れんだりしながら「だから自分はダメなんだ」と言っていた方が心地いい時もある。

だけど、それじゃ本当の自分は見えてこない。


自己肯定するということは、ただ自分を甘やかすということではなくて、むしろ、周りのせいにしたりせず、しっかりと自分の責任で主体的に歩んでいくという、腹をくくる勇気があってはじめて「自分はちゃんと歩んできたな」と思える。


そんな風にして、今の自分が持っているものをしっかりと認めながら、更に目指したい場所に向かって自分を高めていく。

このバランスが何よりも大切だということに気付いた。

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さて、そんなことに気付けた私はこれを機に「鎖国タイム」を卒業することができるのか。

無事、向上心と自己肯定のバランスをとりながら「ちゃんとした社会人」として生きていくことができるのか。


次回!

子供の頃は「不登校」や「引きこもり」というカテゴリーの中で、なんとか許してもらいながら騙し騙し人生を歩いて来たけれど、社会人になるとそうはいきません。
自分で生活をしていかないといけない。

でも、今まで書いてきたような理由で、どう努力したってうまくいかない「鎖国体質」になってしまっていた私が感じていた「大人の引きこもり」としての焦りや絶望感…そんな気持ちをお話していきたいと思います。



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