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Crosby, Stills, Nash & Young「Deja Vu」(1970)

ウエストコーストロック史に残る、美しくもあり緊張感漲る超名盤

Crosby, Stills, Nash & Young、略してCSN&Yは超個性派スーパーグループなのです。

もともとは1968年6月にデヴィッド・クロスビー(元バース)とスティーヴン・スティルス(元バッファロー・スプリングフィールド)が、ママス&パパスのキャス・エリオットの自宅へ遊びに来ていたところにグラハム・ナッシュ(元ホリーズ)が合流し、たまたま3人で歌ったところ、素晴らしいハーモニーで意気投合し、CS&Nが結成されたらしいです。

CS&Nのデビューアルバムは大ヒットを記録しますが、そこに元バッファロースプリングフィールドで、スティヴンの宿敵であるニール・ヤングが更に合流。1969年夏にCSN&Yとなります。
(二ールを誘ったのが、犬猿の仲のはずのスティーヴン。それほどニールの演奏力が必要であったということでしょうか??)

本作品はCSN&Yの唯一のスタジオアルバムです。

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アルバムトップの①「Carry On」から緊張感漲るアコースティックギターのカッティングでスタート。
ところが歌が始まると緊張感を解き放つような絶妙なハーモニーで暖かい。演奏自体はサイケデリックな要素もあり、ハーモニーとのアンバランスさが、また堪らなくいい!!
この「Carry On」にCSN&Yの魅力が詰まってます。

②「Teach Your Children」は一転して、グラハム・ナッシュお得意のほのぼのカントリーソング。
これは映画「小さな恋のメロディ」に使われたので、知っている方も多いと思います。私もこの曲はかなり以前から知ってました。

ちなみに⑦「Our House」もグラハム・ナッシュ作。両曲とも緊張感ある本作品の清涼剤となってます。両曲ともほのぼのした感じが大好きです。グラハムはアットホームな曲を作る名手ですね。

本作品中、唯一のメンバー以外の作品(ジョニ・ミッチェル作)で、キラートラックでもある⑤「Woodstock」。
このハーモニー、ドライブ感、そして焼け付くようなニールのギター。これこそCSN&Y。ニール・ヤングのギターの音色は特徴的ですね。余談ですが、私の大好きなモンキーズにもニール・ヤングが参加している作品がありますが、そのギター音は一発でニール・ヤングと分かります。モンキーズ繋がりで更に余談ですが、モンキーズのピータートークは親友であったスティーヴン・スティルスが推薦して合格。肝心のスティーヴンは歯並びが悪く、それが原因で落とされてしまったらしいです。

ラストの⑩「Everybody I Love You」は宿敵同士(スティヴン&ニール)の共作。ハードなロックながら、ハーモニーが美しい。

この4人、当時はこうした佇まいをしておりました。右端のニール・ヤングなんて、何をしでかすか分からない、怖い形相ですよね(笑)。

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適度にサイケデリックで、ハーモニーは非常に暖かい。ギターのオープンチューニングを駆使したりと演奏面でもかなりのテクニシャン。CSN&Yの魅力が一杯詰まったアルバムです。
この4人組は1971年に解散。以降各々ウエストコーストロック史の重鎮となっていきます。

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