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Led Zeppelin「Ⅲ」(1970)

ZEPのサードアルバムは、ある意味で問題作というか・・・、見直すべく名盤かと思います。あのフォーキーな、CSN&Y?と思わず突っ込みたくなるアルバムですが、私もコレを初めて聴いた中学生の頃は、正直トップの「移民の歌」しか惹かれませんでした。

ファーストでブルース、セカンドで新時代のハードロックを展開していったZEPは、この3作目で、特にB面におけるブリティッシュ・フォークにおいて、大いにファンを困惑させてくれました。

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先にB面をご紹介しておきますと⑥「Gallows Pole」から⑩「Hats off to Roy Harper」まで、アコースティックな味わいをベースに、今聴くとZEPらしさが随所に見られます。

⑥「Gallows Pole」はアコースティックギターとロバート・プラントのヴォーカル、そして続いて奏でるマンドリンに驚かされますが、段々と激しくなっていき、ジョン・ボーナムのアップテンポなドラムが加わるころ(2分8秒)にはすっかりZEPサウンドになってます。こんなアコースティックな楽曲でも、ボンゾのドカドカドラムが加わると、かなり激しい音に印象が変わって来ますね。

ジミー・ペイジ作の⑦「Tangerine」はアコギ楽曲のなかでも人気の高い楽曲ですね。のちの「天国への階段」のプロローグ的なメロディと音を持ちます。ここでは非常にいい味を出しているスティールギターがいいですね。
このスティールギター、次の⑧「That's The Way」でも奥行きのある音を出していて、それが素晴らしい。

ZEP流のカントリー&フォークの⑨「Bron-Y-Aur Stomp」。これはイイ! いや、コレもイイ!
1975年当時のライブ映像がありましたが、メンバー、楽しそうですね。ロバート・プラントもこのテの楽曲は好きだったんでしょうね。ジョン・ポール・ジョーンズはウッドベースタイプのベースを弾いてます。
ジミー・ペイジはエレキのイメージが強烈ですが、ここでのアコギのプレイもカッコイイです。

さて最初にB面をご紹介しましたが、実は本作A面が、この時のZEPのすべてを表しており、素晴らしい出来なのです。
①「Immigrant Song」でZEP流ロックンロール、②「Friends」ではCSNばりのフォーク、③「Celebration Day」ではZEPらしいハードロック、③「Since I've Been Loving You」ではブルース、そして最後の⑤「Out on The Tiles」ではボンゾが作曲に加わった戦車のようなヘビーロック。
この①~⑤の流れがデビュー以来ZEPがやってきた全てが詰まっているような気がします。

とにかく最初に①「Immigrant Song」を聴いたときは衝撃を受けましたね。なんせ最初に雄たけびですからね~。それからとにかく楽曲がカッコイイ。
あと我々世代はこの曲、プロレスラーのブルーザー・ブロディの入場テーマソングとして有名で、妙にブロディのイメージとぴったりの選曲なんですよね。

↓そのブロディの入場シーンです^^。

②「Friends」を最初に聴いたときはがっかりしました(苦笑)。
だってホントにCSNっぽいギターストロークだし、なんといっても「移民の歌」の後に聴く曲ではないなあと。でもこの曲、じっくり聴くと味わいがあります。このいぶし銀の味わいは中学生の私には分かりませんでしたね。

最後はやっぱりZEPらしいハードロックのライブ映像を。③「Celebration Day」をどうぞ。

フォーク好きな私にとっては意外と「Ⅲ」がZEP作品のなかでも一番好きだったりします。


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