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自分の感受性くらい

こんにちは、ゆのまると申します。

東京は雨。新社会人の方にとっては憂うつな月曜日になってしまいましたね。残念ながら、月曜日はずっと気が重いままなんですよ。そういうものです(諸説)。

今回は、アニメを見ていて気付いた「感想」についてのお話です。


はじめに

4月になり、新アニメが始まる時期となりました。

今は地上波でもBSでも配信でもたくさんのアニメを見ることができますが、私はというと気になったものを1,2本録画するくらい。それをクールが終わってから一気見することが多いです。

ちなみに今クールは気になる作品が多く、今のところ録画したのはこちら↓

この他、配信サイトでスマプリ、無印ポケモン、遊戯王、ウマ娘、Lostorage incited WIXOSSを見ています。忙しい。

マンキンやフルバなど、かつての名作のリメイクが多く、当時を知らない身としては大変ありがたいですね。遊戯王もだけど、やっぱりジャンプって面白い。


前置きが長くなってしまいました。

私と夫は、前クールのとあるアニメを最終回まで見ていました。私たちの中での最終的な評価は良くなかったので、タイトルは伏せます。

「キャラクターに一貫性がない」「何を描きたいのかわからない」「主人公を好きになれない」「ストーリーがとっ散らかっていて疲れる」……この3か月、毎回見終わった後は物語論とかキャラクターの描き方について散々話し合いました。嫌なら見なければいいのですが、夫は諸事情により義務感で、そして私は夫との話題作りのために最後まで見ました。

(ポケモンとか遊戯王とか、昔のアニメばっかり見てたけど、もしかして今のアニメのクオリティってみんなこんなものなのか……?)

そんな疑問が芽生え、そしてもともと興味があったのもあって見始めたアニメ、それが『裏世界ピクニック』でした。


先が気になる『裏世界ピクニック』

『裏世界ピクニック』は宮澤伊織先生による小説です。

原作は未読なのですが、宮澤先生はこちらの記事でバンドリを「ブシロードのくそつよ空母打撃群」と評されていることから、個人的に全幅の信頼を置いている方です。

アニメのキャッチコピーは「『検索してはいけないもの』を探しに行こう。」で、実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉を探検する少女ふたりの物語です。

「実話怪談」とは、その名の通り「実際にあった出来事をもとに執筆される怪談」のことですが、『裏世界ピクニック』でモチーフになっているのは「くねくね」や「リゾートバイト」といった洒落にならない怖い話、いわゆる「洒落怖」です。

怖がりでホラーはからきしダメな私ですが、ある時期から洒落怖にハマって有名どころは大体読み漁りました。『裏世界ピクニック』も、こうしたネットロア(ネット上の都市伝説)を取り込んでいて、しかも百合要素があるらしいということで録画はしていたのですが、第2話が「八尺様サバイバル」で怖くて見られなかったんですよね……。八尺様、最大級のトラウマで今でも読み返すことができません。知らなくても大丈夫です。検索はおすすめしません。


まぁでも気になるし、ということで夫をつかまえて視聴。今は10話まで見終わりました。

そこで私は、雰囲気怖くて雰囲気やや百合しいこの作品に、不満を抱いていない自分に気付いたのです。某アニメはけなしまくっていたのに。

某アニメと『裏世界ピクニック』との大きな違いは、予備知識があるかどうか。これに尽きます。

前述のとおり、私はネットロアはそこそこ知っているものの、『裏世界ピクニック』の原作も漫画版も未読です。主人公ふたりも、アニメのビジュアルで初めて知りました。

一方某アニメは続編であり、そのコンテンツ自体もそこそこ知っています。前作のアニメは展開も面白かったし、作風も好みでした。今作は心機一転、世界観やキャラクターも一新されており、”新規層の取り込み”を意識した作りだったと思います。


原作を知っているか・好きなのか、そのジャンルに興味・知識があるのか、キャラデザが好きか、作画が好みか、挿入歌や主題歌はどんな雰囲気か、声優陣の演技はどうか。

原作があるアニメだと特に、挙げた以外にも評価ポイントがたくさんあります。アニメ単体で評価できたらいいのですが、原作や比較対象(前作など)があるとどうしてもハードルは高くなってしまうもの。

某アニメの視聴を通して、私は自分の評価基準の第一は、「物語全体の方向性がきちんと描かれているか」だと思い込んでいました。でも実際は全くそんなことはなく、自分自身のバックボーンによって、抱く感想はそれぞれだということに気付いたのは、大きな発見でした。

ていうか怖がりな私からしたらネットで批判されている、拳銃で撃退できるモンスターじみた怪異だって十分怖いんですよ!

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(アニメのくねくね)


好きなものを好きと言う

『裏世界ピクニック』の元ネタを調べようと思って検索すると、わりと上位に「つまらない」といったサジェストが出てきてしまいます。そしてそういった感想を切り貼りしたいわゆる「こたつ記事」もたくさん。残念なことに、アニメに対する”ネット上”の反応はあまりよろしくないようです。

その一方で、アニメまとめなどのサイトでは好意的なツイートが取り上げられ、賞賛されていたりもします。

「『裏世界ピクニック』、私は面白いと思うのですが、ネットではつまらないと言われています。こんな私がおかしいのでしょうか?」

こんな質問まで見つかる始末です。

「面白い」「つまらない」など、単にとあるコンテンツを調べただけで”ネット上”の声が聞けてしまう時代です。自分ひとりが抱く感想ですら、自分の知識量やメンタルによっても大きく変わるのに、立場も年齢も身分も違う”誰か”の意見なんて、参考になるんでしょうかね。

今回の一件で、茨木のり子さんの有名な詩である「自分の感受性くらい」を思い出しました。教科書で知ったものですが、この心構えは忘れてはいけないなと思います。

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ

自分が面白ければ面白い。それでいいんだから胸を張れ!……と自戒を込めて書き残しておきます。


ところで、今期最も期待しているのは『フルーツバスケット』です。今のところ原作再現率がとても高いので、エンディングまで見届けられるのが楽しみ。


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