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世界中に光を求めて

 ここのところ、身も心も力が入らなくなった。より解りやすく綴ると、物事にときめきを感じづらくなった。

 もちろん、率先して取り組みたいという事柄もあるし、やるべきことも溢れかえっているのだが、そこに心身が付いていかない。心と身体の距離が離れすぎていて、どこから手をつけていいのか見当もつかない。正直、非常にまずい状況だと思う。

 ふと家族と話していて、「もうやり残したことは何もない」という言葉が自然に溢れてきた。なんだか、今のわたしを象徴している表現のような気がする。

 実際はそんなことないし、現在地を的確に示しているわけでもない。ただ、すべてに燃え尽きてしまっている。テンションで仕事をしないように心がけているものの、やはり、それがないと燃え上がらない。未だにそういった場に出逢えていないだけかもしれないけれども、どのような話をしていても、心がまったくときめかないのだ。

 淋しい。愛が足りない。踏み出せない。

 ありふれた言い訳が脳内に溢れかえっている。そうやって、時間だけを浪費させてしまっているような、そんな、秋の始まり。この夏は何も始められなかった。

 だが、この瞬間だけはすべてを夏のせいにして、もう一度だけ、秋から頑張ってみようという気持ちを高めている。このままだと、本当に身も心も死んでしまうから。何も出来ない人になってしまうから。そんなわたし、わたし自身が許せるわけがない。いちばん嫌いな人物像だ。

 大人になってから、いろいろな人や物事に失望した。想像していた以上に、大人は憧れていた大人ではないし、わたし自身もあまり理性的ではないことを思い知った。なんなら、学生時代の方が、わたしはよほど利口だった。誤解を恐れずに綴ってしまうと、ほとんどの人物が浦沢義雄さんのドラマに登場する人物に見えた。

 しかしながら、そういった人や物事と同じくらい、いや、それ以上に、尊敬できる人や物事がいることも知った。まだまだ、この世界は捨てたものではないと思った。しかも、身の回りの手が届くところに。

 まだまだ未熟な人間だけど、出来ることもやりたいことも沢山ある。ここで終わらせてしまったら、そんな可能性を無駄にしてしまう。失望させてしまう。どこかが決定的に悪いわけじゃない。どうにだって、また戻していけるはず。人間として、ひとりのクリエイターとして、きちっとやっていけるように光を取り戻していく。

 「理想よりも現実を」という想いもあるが、理想がなければ、そこの途中に辿り着くこともできない。もう一度、ときめくわたしへ。ときめく仲間に出逢うための旅を始める。「やるか」「やらないか」じゃない、やるんだ。

 2024.9.24
 坂岡 優

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!