神戸の街から再出発

　ここ二週間ぐらいかな。正確には、この夏ずっとかもしれない。

　直接的な被害は受けなかったものの、台風やゲリラ豪雨などの間接的な影響で気象が不安定だったこともあって、本調子ではない日々が続いていた。

　発熱や咳はなかったし、致命的な痛みなどはなかったものの、小さな不調が立て続けに起こって、どうしようもなかった。

　明らかに何かを始められる状態ではなかったし、続けられる状態でも、きちんと考えられる状態でもなかった。ただ、そうしなければいけない物事が沢山あって、なんとか進めている状態ではあった。特に、転職活動はその代表例ともいえる。

　今日、久々に街を歩いた。まったく意図はしていなかったが、たまたま、もっとも好きな神戸の街を訪れることになった。

　最近はほとんど地元から出ていなかった。正確には、安全に出られるだけの確信がないくらい、体力が落ちきっていた。今日も自家用車の恩恵を受けながら、少しずつ休みを取って、お気に入りのお店を巡って行った。嬉しいことに、熱中症にも、体調不良にもならなかった。暑さのせいで頭痛は起きたけれども、今はもう大丈夫。

　神戸の街って、なんか好き。子どもの頃から、神戸へ行くことが特別だった。いまだに梅田や東京へ行くよりも、神戸を訪れる方が特別な体験をしている感覚になる。

　わたしの都会といえば、神戸。大好きな街であり、憧れの街でもある。

　何が好きかというと、余白だよね。人が多すぎず、少なすぎず。非常に歩きやすいし、文化的。大規模な再開発によって絶えず新しいビルが建ち続ける都市もあるけれども、神戸は比較的低層のビルが多い。中規模なショッピングモールがあっても、すべてを網羅できないんだ。

　この街の在り方が街歩きを面白くしていて、さまざまなお店へと足を運ばせるようになっている。あと、中華街、北野、ハーバーランドのように、徒歩では行けないこともない距離に、いろいろな街並みが散らばっているのも良い。

　今日はほとんどハーバーランドと三宮のセンター街付近を散策していたが、人生の再出発の地に、ここを選んでよかったと思う。

　大好きな街があるから、憧れの場所があるから、いつかそこをもっと豊かにするために、わたし自身も力をつけていこうと心の底から夢を見られる。元気になるために頑張れる。

　わたしは、今日、この日を、再出発の日にする。

　呆れられるくらい不器用でも、どうしようもないくらい不恰好でもいい。何回でも、やり直す。いつか見た夢を叶えるために、まっすぐ、ゆっくり、じっくり、素直に進んでいこう。

　2024.9.13
　坂岡 優