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焦り

立ち止まる事をすると、何故だか焦ってしまう。何もしていない時間や自分を無駄に感じてしまう。この虚無感はどこからくるのだろう?意識的に休んでみても頭の中はとにかく考え事だらけで、休まらない。

2020年3月頃、あの新型コロナウイルスが日本に蔓延しだした。世の中皆んなが立ち止まらざる得ない状況にすぐに一変した。煌びやかなネオンだらけの大阪の夜の街が、静まり返っている。私は皮肉にもその時、初めて心から休まる経験をしたのだ。皆んなも休んでいるから、これでいいのだ。と心から安心さえできたように感じた。つまり休む事に罪悪感を持たずに堂々と休めたのだ。私と同じように感じた人は意外にも多いのではないだろうか。実際に元の世界に戻って欲しいと願っている人は全体の9%しかいなかったというのだ。日本人は本当は休みたいのに、全然休めていなかったと言う事だ。やはり日本人は働きすぎであり、電気やガスは使い過ぎ、食べ過ぎ、なんでもやり過ぎなのだろう。人類が新たに進化するために「休む」ことが大切なのだと、天から与えられたように感じている。いつだって自然災害やウイルスのような危機に陥らないと、人間は果てしなく欲望だらけの生き物なのだ。

他人との交流も少なからず遮断され、己と向き合わされる。本当にやりたい事や人間関係について考えさせられる。無我夢中に働いていた頃には気付かなかった自分の本音が聴こえてくるようだ。
自粛が解除された今、あの時の感覚を忘れてはいけないように感じている。

写真 ヒメイワダレソウ

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