SIX LOUNNGE-夢うつつ

初レビューになります。

さて、最初は何を取り上げようかなあ…と悩んでおりました。ディープなやつもいいんですが、ちょっとここは最近お気に入りになった若手?(たぶん)バンドのアルバムを紹介してみようと思います。

SIX LOUNGEというバンドの夢うつつというアルバムです。

まず全体の感想からざっくばらんにいきます。かっこいいです。真面目に。非常に良いバンドです。それなりに邦楽洋楽問わず、色々聴いている自負はあるのですが、ジャンルとか国籍とかそういった類の理屈を吹っ飛ばすかっこよさを持っているバンドです。

その中でも個人的イチオシはこのアルバム、夢うつつ。

マジでまったく捨て曲がない。すごい、ほんとこれはすごい。どのくらいすごいかっていうと語彙力が消えるくらいにはすごい。

このままだとすごいとかやばいとか連呼しそうなので、一曲ずつレビューしていくことにします。


1:くだらない
「愛に飢えたら二人きりになろう」…
そんな真っ直ぐな歌詞から始まる、冒頭曲です。しかし、一筋縄ではいかないのがこのバンドのよいところ。曲名は、「くだらない」。ありきたりなラブソングだと思うなよ感がほとばしってていいです。好き。
曲調としては、冒頭曲にも関わらず、抑え目のテンションで柔らかい印象が強いです。なかなか渋い。そしてこの曲の真価は、曲の終わる直前に現れる一文にあると私は思います。
…「破滅こそ色鮮やかで」
悲観的にも楽観的にも、どちらにも倒れかからない絶妙な歌詞、素晴らしい。

2:STARSHIP
「くだらない」に続き、ラブソングです。こちらはうって変わって、爽快というか、ストレートです。サビの入り、「真っ赤な」で一気に跳ね上がるボーカルの突き抜けるようなハイトーンが気持ちいい。スカッとします。頭に浮かぶ季節は完全に夏です。いやー私のような根暗には遠い世界ですけどいい曲はいい曲。恐らく、アルバム中で一番大衆受けするし、ぱっと聴いてすっといいなーと思える曲なのではと思います。SIX LOUNGE入門にオススメしたい一曲です。

3:ZERO
さて、前半二曲からここで雰囲気が一変します。アルバム中でも有数のダークな雰囲気を纏う曲です。それにしても、このボーカルは歌い方の幅が広い。優しい歌い方から、色気のある歌い方、爽やかなハイトーン、そしてこの「ZERO」に見られるようなちょっとダークで、どこか危険な香りのする歌い方。ええなあ。うん。
曲調も歌詞もボーカルも演奏陣も文句なしなのですが、唯一サビがちょっとくどいかなあという印象のある曲でもあります。かっこいいのですが、個人的にはそこがネックになっていて、「夢うつつ」の中では…うーん…という感じ。

4:LULU
さて、また雰囲気がちょっと変わります。突っ走る曲です。もう全開で。これめちゃくちゃかっこいいですよ。ちなみに私が一番最初にハマった曲でもあります。2分程度の曲の中で、これでもかと言うほど暴れています。演奏もボーカルも含めて、爆発!というイメージ。細かい部分だと、ベースラインが非常に好きです。這いまわるように動きながら、それでも目立ちすぎないギリギリのラインを維持しつつ…2番で大爆発。この静と動はしびれずにはいられません。

5:SUMMER PIXY LADY
これまた雰囲気が変わります。ものすんごい優しさ。そして哀愁。曲名通り、夏の終わりを舞台に、その淡い思い出に別れを告げる…そんな歌です。バラードではないですが、そんじょそこらのバラードを一蹴するくらいには哀愁があります。夏の夕暮れ、ちょっと黄昏ながら聴きたい曲です。この雰囲気、ドツボの方も多いはず。

6:ORANGE
あー哀愁漂う夏の夕暮れー…とか思ってたら、めっちゃダーティな曲がここで来ます。「やりすぎて意識朦朧」「生臭いシーツの染み」など明らかにまあアレな感じを連想させる歌詞をところどころに含みつつ、サビでは「手を伸ばしたら届く距離にある、泥まみれのオレンジ」となんとも比喩的である意味難解な歌詞が待ち構えています。憧れと単純に言えるものではなく、「泥まみれ」。個人的にはすごく、大人の恋愛の歌だなあと感じます。そう捉えると、どこかもの悲しさも感じたり…。

7:SWEET LITTLE SISTER
アルバムのラスト曲です。
「飲みすぎてくらくら、真っ直ぐあるけねえ」とおーロックしてるねえって歌詞で始まります。歌詞を要約すると酔っぱらってお店(どういうのかは各自の想像でいいかなと…)で女性と会う…で一晩の夢のように朝が来て、そこにはその人は影も形もなく、ヴィヴィアンの香水だけ香っている。ある意味ORANGEと似た雰囲気の歌詞かな、とも思いますが、ダーティさよりちょっと酔っぱらった男の情けない感じ、とそれに伴うほろ苦い感情を表現しているように感じます。ええなあ。大好きこの曲。
歌詞に主に触れましたが、それを置いておいても、この曲のサビのキャッチーさは尋常じゃありません。メロディへの歌詞の乗せ方、言葉選びがめっちゃうまいです。すごく耳に残る曲で、これでアルバムを終わらせたあたり最高。ほんと大好きこの曲(二度目)


さ、なんだかずばばっと書き終わりました。好き勝手書きましたが、ともかく本当にいいアルバムです。万人受けと書くと誤解を招くかもしれませんが、どのような音楽のバックグラウンドを持った方が聴いても、あーいいなあかっこいいなあと思える稀有なバンドだと思います。
それでいて味わい深いのだから、本当にいいアルバム。全曲で7曲と短く、あっという間に駆け抜けてしまうアルバムですが、是非一聴いただければと。きっとお気に入りになる方、多いと思いますよ。

それでは、本日はこの辺で失礼いたします。
稚拙なレビューをご一読いただき、ありがとうございました。


「くだらない」


「LULU」



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