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【編集部取材】 交通業界の革命児「WILLER」が手掛ける「MaaS」。カオス化するMaaS業界で課題も浮き彫りに。 東京都千代田区

2019.07.22

旅行業などを手掛けるWILLER株式会社(大阪市北区、村瀨茂高代表)は7月19日、「MaaS Meeting 2019」を大手町サンケイプラザ・ホール(東京都千代田区)で初開催した。

MaaSとは、鉄道・バス・タクシー・自転車・飛行機など、あらゆる移動手段を統合し、1つのサービスとしてシームレスにつなぐこと。

その発端は、フィンランドの首都・ヘルシンキで2016年にサービスが開始さいれたMaaSアプリ「Whim」とされている。

日本でも近年、MaaSが様々な社会課題を解決する方策の一つとして期待されているが、概念だけが独り歩きを始めているのが現状で、自動運転などの先進的モビリティやライドヘイリング(配車)や、それらを統合するアプリ自体をMaaSと呼ぶ場合もあるという。

今回同社が開催した「MaaS Meeting 2019」は、MaaSを事業として取り組む様々な分野の専門家が集い、業種を超えて交流し、討議しようというもの。

当日は、観光庁長官・田端浩氏による主賓挨拶、WILLER株式会社代表・村瀨茂高氏による主催者挨拶に続き、3つのトークセッションを実施。

トークセッションAでは、WILLER株式会社取締役の原田静織氏をモデーレーターに、三重県の鈴木英敬知事・アソビュー株式会社の山野智久社長、絶景プロデューサーの詩歩氏が登壇、それぞれ行政の立場、アクティビティーポータル運営者の立場、旅人の立場からMaaSについて語った。

その後、豊島区長の高野之夫氏が、新たなモビリティ「IKEBUS(イケバス)で実現するまちづくり」について発表。

トークセッションBでは、Car Club Pte Ltd.プロデューサーの龍瀬智哉氏をモデレーターに、トヨタ自動車株式会社トヨタZEVファクトリーグループ長の谷中壮弘氏、Ministry of Movement Pte Ltd Goldbell Group CEOのArthur Chua氏、ST Engineering Land Systems LtdのDr Tan Guan Hong氏が登壇、新しいモビリティサービスが交通空白地帯を埋めることができるのかについて討議した。

トークセッションCでは、株式会社umari代表の吉田秘馬氏がモデレーターとしてスカイプで参加、株式会社アドレス社長の佐別当隆志氏、自然電力株式会社社長の磯野謙氏、VILLEGE INC.CEOの橋村和徳氏が登壇。

最後に、WILLERが8月1日より「ひがし北海道」と「京都丹後鉄道沿線地域」でリリースする観光MaaSアプリのプレゼンテーションを実施、一足早くデモ版を公開した。

<目次>

MaaSの本質的な「プレイヤー」は一体誰なのか?

観光MaaSで際限なく広がる「コンテンツ」の課題

MaaS以前に課題が山積している「一般路線バス」

「ほぼ100%スマホありき」の発想は危険

旅行者が路線バスを運営?シェアバスの可能性

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