ベンチャー企業の説明会に行って思ったこと(前編)

先週は二つの企業の選考会を兼ねた説明会に行ってきた。それらの会社は自分で見つけてきたわけではなく、大学近くにあるカフェの、大学生を対象とした新卒支援サービスで知り合ったリクルーターの方に紹介される形で言われるがままに参加した感じである。この時点で若干のやらされている感は否めなかったが、まぁ一つの経験として、いわゆる就活生がどんな感じなのか、という興味本位込みで参加してみた。はっきりいって物見遊山といった感じ。

今回参加した企業はいずれもベンチャーの、まだ設立してそこまで時間の経っていない若い企業である。いわゆる”人材”サービスであったり、コンサルティング業務を主な仕事として様々なサービス展開を行っているようであった。これらの企業が紹介されたのには、先ほど紹介したリクルーターの方が数回の面談の結果自分に「向いてそう」な業種として勧めてくれたものだった。自分は教育を専門としてやってきたので、対人系の仕事には向いているような気がしていたが、客観的に話を聞いたリクルーターもそう判断してくれたようであった。ただし、自分はいわゆるコンサルであったり、人材の職業には全く興味がなかっただけでなく、どういった内容の仕事をするのかもよくわかっていない。したがって今回の説明会でどんなものか知ってみたい、という気持ちもあった。

一つ一つの企業の内容をまとめると取り止めがないものになってしまうので二つの企業を総合して話を進めたい。

まず感じたことはベンチャー企業特有の「熱さ」もとい「暑苦しさ」だった。プレゼンテーションの内容であれ、説明会を進行する司会の言葉であれ、自らの企業を誉めたたえる美辞麗句が並べられていた。正直話の7~8割は自慢話(に感じる)。誰が考えたのかもわからないランキングに入っただの、立地がいいとか、そういうこと言って自らの企業の権威付けを行っているように感じた。その多くはいわゆる大企業へのアンチテーゼ的な意味合いが含まれたものであり、例えば「若く(新卒〜年目)から活躍でできる。」(大企業は若者が活躍できない)「個人の成長と企業の圧倒的成長!!!!」とか「社員同士の絆、ファミリー感」みたいな写真がパンフレットやスライドに所狭しと並べられていた。(集合写真の中心に「共に」って書かれてあったスライドで吹き出しそうになった)本質的でない内容の周りを延々とぐるぐる、ぐるぐるしている感じ。一つ目の企業の説明会が終わる頃には鳥肌がたって「ベンチャーアレルギー」を発症していた。

二つ目は人間との相容れなさである。一つ目に書いたように話の段階で「なんだかなぁ」といった感じだったが、「自分イケイケで楽しんで仕事やってます」スタンスの暑苦しさ、価値観を押し付けてくる感じは「斜っている」自分には辛いものがあった。選考はいずれの企業もグループディスカッションがあったが、志望者にもそんな感じで仕切りたガール(やたら仕切りたがる女子)がいて、多分この人いない方がむしろスムースに進むんじゃないかって思ったり。問題集に書いてあったことそのまんま暗記してきたんかっていう感じ。仕切る前にアイデアをださんかーい!個人的に苦手だなぁ、って感じる人が多かったように思う。こういう人たちには既視感があって、母校である慶應SFCにはこんな人多かったなぁ、嫌だったなぁっていうのを思い出した。学問、研究はそっちのけでとにかく行動あるのみ、みたいな猪突猛進タイプ。それが嫌で大学院は外にでたんだっけ。まぁとにかく企業側も志望者も肌に合わないんだなって思いました。

ベンチャー企業って本来従来の企業にない存在として新しさとか持っていたはずなんだけど、逆にみんな同じようなこと言ってたりとか、チープで陳腐、ちんぷんかんぷんな内容しか話していないように感じてしまいました。予防線を貼っておくとあくまで個人の感想だし、他のベンチャー企業は知りません。ただし、自分が行った二社の感想としてはこんな感じ。

さすがに途中退席はしなかったものの、本当に嫌になって最後にアンケート兼ES提出があったんですが、「選考を志望しない」に丸をつけてさっさと帰りました。無理です。ここでは働けないと思った。

ただしこの時間が完全に無駄だったかというとそうでもありません。冒頭で述べた目的はある程度は達成できた(雰囲気はつかめた)と思います。そして話を聞きながら、「じゃあ自分はどんなところで、どんな人と働きたいんだろう。」ということを逆説的に考えることができたからです。長くなりすぎるので三編構成にします。ということで中編へ続く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?