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with&afterコロナにおけるオフィスのあり方を考えるための3つの問い

これからオフィスをどうしていくべきなのか? いろいろな情報がある中で、方針を検討していくための問いを3つ設定してみました。この3つを考えながら、with〜afterのオフィスの姿を想像していくというのはいかがでしょうか

Q1.withコロナフェーズ、afterコロナフェーズにおける事業の見立てとは?

今回のコロナ環境による事業への影響は、事業内容やエリア、フェーズによって状況が変わるところに特徴がある。withコロナフェーズ、afterコロナフェーズの事業をどのように見立てていくか?ということが、オフィスのあり方を考えるベースになるだろう。例えば、コロナの影響がサービス浸透の追い風になる、売上は急減するが宣言解除後に緩やかに回復する、現在の業態では当分売上回復は見込めないため業態転換が必要、現在は影響少ないが中期的に売上減少が見込まれるなど、事業内容によって影響の受け方は大きく異なる。売上の見込みは?預金残高の推移見込みは?捻出可能な費用は?

【短期(3ヶ月)】活動制限フェーズ。政府と自治体による市民活動の制限により急激な需要変化(増or減)。各国の経過を見ていると概ね3ヶ月程度で制限は緩和されている。昼間人口が都市部から郊外へ移ることによる需要シフト。飲食、観光などの自粛要請。
【中期(1〜3年)】withコロナフェーズ。ワクチンが開発されるまでの1〜3年間、活動が再度制限される可能性が高いと言われており、感染を拡大しないよう注意しながら経済活動を再開、継続していく必要がある。サプライチェーンはグローバル化しており、国や都市のフェーズにずれが生じる中で、輸出入など、経済活動にどのように影響を与え合うことになるか。その状況の中で、決算をどのように乗り越えていけるか。企業では採用、広告といった経費の絞り込み、耐久消費財など需要の停滞が想定される。経済活動が停滞、各社決算が悪化することによる金融不安も懸念されている。
【長期】after、ポストコロナフェーズ。ワクチンが開発されたのちはコロナ感染症の影響は解消され、いずれ需要は回復するが、withコロナフェーズの長さに応じて業態転換が進展し、今とは違った市場環境になっている可能性がある。自社の事業の進展をどう見立てるか?

Q2.事業を進める上での場所への依存度とは?

 20世紀の都市は大きく成長した。材料生産と製品消費の間の産業立地、輸送の効率性と生産ノウハウの普及によって工業都市が生まれたが、人が集まることによる多様性から新たな仕事が生み出される、創造性豊かな都市化も進んできた。一方で人口密度が高まることは環境悪化にもつながることから、そのバランスの中で今の都市の姿が形づくられている。この感覚はオフィスでも共通していて、社員同士のコミュニケーションの効率性と顧客やパートナーとのコミュニケーションの取りやすさが重視されてきた。
 その一方で、21世紀のデジタル化はコミュニケーションから距離の概念を取り除こうとしている。業務環境がオンラインになり、居住する場所を限定せずに採用が進めば、オフィスはなくとも事業が成立するようになってきている。

【参考】WordPress運営会社のAutomatic社が本社オフィスを閉鎖して完全リモートワーク体制に移行 2017年6月15日 https://zaitaku-web.net/1059

 beforeコロナの環境においては、集まることで効率性を高めることの優位性が高かった。これまで働き方改革が遅れていたのも、そこに原因の一つがあるだろう。しかし、withコロナ、afterコロナ環境において、集まることへのリスク感度が変化するなかで、今後の自社の企業活動はどういった場所に依存しているのか、あるいは場所には依存していないのか、事業の制約条件を改めて振り分け直す必要がある。事業の中心がオンライン上にありリモートワークで完結させることのできる企業もある。『もの』を扱う多くの企業では場所への依存は発生する。その中でも、withコロナの状況に適応していくために、場所への依存を減らしフレキシブルに働ける環境をつくることや、場所に依存せず売上を確保する方法を増やしていく、といったアプローチが生まれてくる。
 その業務は場所に依存しないのか、何か設備があれば場所に依存しないのか、あるいは特定の場所に依存するのだろうか? 既存の状況を前提とせず、見直すことができるでしょうか?

Q3.今後、事業を進めていく上で大切なこととは何か?

 これまでも、組織は様々に生じる課題を一つ一つクリアしながら成長してきた。このことが、withコロナ、afterコロナの状況下では、活動の制限、需要の増減に対応しながら組織運営をしていくことが求められる。事業の見通し、場所への依存状況を勘案することで、フルリモート、部門別、状況別、機能別など、その企業を取り巻く環境を踏まえたオフィスのあり方を描くことができるだろう。その上で大切になるのが活動の意味づけだ。今、なぜこの環境で働くのか?何を重視して働くのか? withコロナからafterコロナへの展開を見据えて、メンバーの腕を磨くことでサービスのクオリティを高めることを重視するのか、オペレーションのローコスト化を目指すのか、新たな市場機会を見つけることなのか、そのために何を大切にしていくのか? リモートで働くことで、コミュニケーション機会が減っているうえ、状況変化が大きい中で価値観を揃えていくことは、これまでに増して必要なアクションになると思われる。

問いから見えてくるオフィスのあり方、その可能性

◯一つのあり方はフルリモートワークへの移行
◯オフィスの立地の見直し
・BtoCを中心にして、オフィスは郊外にある倉庫の横に移転してしまう
◯オフィスの役割と配置の見直し
・書類を扱うコーポレート部門だけを小さなオフィスに残して、営業など他のメンバーはコワーキングスペースを使いながら神出鬼没
・在宅勤務でも仕事環境に苦労しているワーカーのために、サテライトオフィスを郊外に設置して、自転車圏内でゆるく組織とのつながりを感じながら働く
◯今あるオフィスの運用見直し
・シェアオフィスでローテーション勤務を組むことで、OJTの機会を確保しつつフレキシブルな仕事環境をつくる
・今のオフィスを継続するけれども、個人作業はリモートで。プロジェクトワークやブレスト、イベントをするために集まるのがオフィス
◯オフィスの縮小
・固定費を極限まで抑えるために、オフィスを解約し休業を含め一時的にしのぐ
・一度事業を清算して、時期をみて再スタートする
などなど、様々な選択肢を描くことができそうです。クルマもワークプレイスになる時代ですので、、


そして、今あるオフィスで感染に配慮しながら働くという選択肢も

考えた上でやっぱり、今あるオフィスが中心になることも多く考えられます。その場合には、感染予防に気をつけて。

オフィスを見直す参考に



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