
Vol.25 モラトリアムでなくアイデンティティ
このnoteは、シェアド・リーダーシップのトレーニング・コース共同開発パートナーである有限会社システムアンドコントロール社(SM&C)の野村代表と、SNSにて、シェアド・リーダーシップに関して、普段着の会話をしている内容の続きです。
なお、最上雄太Ph.D.と野村さんのプロフィールは、6月に続き9月開催決定「変化を導くリーダー開発6Days」を参照ください。野村さんのメルマガはこちらから購読できます。
第25回目の往復書簡は、前回の内容(Vol.24 アイデンティティの輪郭)の続きです。現在進行中の6DaysのDay2に関してダイアローグが続きます。次は野村さんの応答です。
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(以下野村さんの語り)
モラトリアムでなくアイデンティティ
(最上の前回の語りを受けて)まず、山下達郎は、決して最上さん個人に話しかけているわけではないです。勝手に最上さんが、「それを聴いた」ことで、ダイアローグしていたかもしれない、と、言っています。
1. 生活者としてのひとつの共同意識がある
2. 僕がやるべきことは何かをずっと考えている
3.(歌うことは)市井の人々への奉仕なのだ
(以上のように)山下達郎が語っていることは、山下達郎のアイデンティティであるとわかります。アイデンティティは、(おおむね)「社会と関わりのある同一性のある自我」という意味です。
アイデンティティを語ると、ダイアローグになる、ということです。ダイアローグは、私はナニモノかを考え、発言する、ということですね。
ということは、「私は」「私が」「私の」などで、自分の役割、社会での位置付け、意思、これまで、これから、を、語ると、ダイアローグが発生しうる、ということのようですね。
但し、「私にはまだ決められない」というと、ダイアローグが終わってしまう感じがあります。「私はまだ探しています」「私にはわからない」「私には答えが無い」「どうして私は私について語らなければならないのか」なども、ダイアローグ終了っぽいですね。(自分ではどうしようもない世界について、諦めて受け入れるという意味での)モラトリアムではなく、(他でもないありのままの自分自身を語る)アイデンティティの話をしよう、ということですね。
組織の中では、(自分を隠す=仮面をかぶる)モラトリアムのほうが楽ですので、組織内では、ダイアローグ無しのほうが楽、というあたりと話がつながります。ということで、最上さんにお返しします。
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(以下最上の応答)
私が主観(感覚)に寄ると、野村さんは客観(分析)に寄るというバランスがとても面白いです。昨日野村さんの返答を読みましたが、一晩寝かせて、気づいたことを書きます。
共感は操作できない
(野村さんの応答)まず、山下達郎は、決して最上さん個人に話しかけているわけではないです。勝手に最上さんが、「それを聴いた」ことで、ダイアローグしていたかもしれない、と、言っています。
ここ(野村さんの上記応答)は、一見すれば、そっけないコメントのように見えるかもしれませんが、実は、私が実証した「感情の共鳴」に深く関係するメカニズムを示しています。
すなわち、フォロワーは、リーダーが自分に向けて語っているわけではないリーダー自身のアイデンティティに関わる語りを聞くことで、その語りは自分に当てはまることだと勝手に理解し(感情の伝染)共感しているという説明ができます。
ここでわかることは、共感は操作できるものではなく、フォロワーが勝手に行う行為だということです。リーダーは、私を共感させようといった意図はゼロで、ただ自分の絶対的な位置取りから、自分の感覚(たとえば、自分はどうあるべきか)としてアイデンティティを語っているだけです。
さて、そうなってくると、「それを聴いた」ことで「ダイアローグ」しているについて、つまり「ダイアローグ」とは何かと言う点です。
ここで私の話に戻すと、私は、達郎氏の語りを聞き、Day2セッションでモヤモヤしていたことを思い出し、変わらないものは自分なのだとここ語りました。それだけでなく、密かに(でもないですが)、「やってみる」を実行しました。リーダー・ラボでこれからやりたいことを宣言したのです。
以上を見ると、私は単に達郎氏に勝手に共感したということだけではないということがわかります。
この6Daysというダイアローグの場、ここでのダイアローグを通じて、「やってみる」という行為が生産されています。きっと、いまも継続中のこれら一連の全てが、私にとっての「ダイアローグ」なのでしょう。
ところで、「ダイアローグ」の影響は双方向に働くことも重要な原理です。そうなってくると、おそらく、野村さんにも少なからず動きがあったのでは?と勝手に想像します。というわけで、野村さんに返します。
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この後も、現在進行中6Daysについてダイアローグが継続します。次回をお楽しみに!
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